業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(経営成績等の状況の概要)

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当期の世界経済は、各国でワクチン接種の拡大により経済活動の再開が進みましたが、新型コロナウイルスの感染再拡大、物流網の混乱、エネルギー価格をはじめとした物価上昇などにより、成長は緩やかなものに留まりました。米国経済は、感染の再拡大やインフレ圧力の高まりがあったものの、経済政策による押上げ効果で景気は底堅く推移しました。欧州経済は、ワクチン普及に伴う経済活動の回復による家計需要が急回復していましたが、秋以降は感染再拡大や物価上昇により、需要拡大のペースが減速しました。アジア・新興国経済は、感染動向と活動制限措置により経済が左右され、国によってばらつきも見られましたが、総じて緩やかな回復に留まりました。中国経済は、前半は輸出の増加や政府の新型インフラ投資により持ち直しがあったものの、後半は感染が再拡大し、政府の厳しい活動制限が個人消費を下押しし、景気は減速しました。わが国経済は、感染拡大によるサービス消費の低迷や、供給制約を受けた生産減少により、経済成長が停滞しました。

このような事業環境のもと、当社グループは環境変化に柔軟かつスピーディーに対応し、身軽で強靭な経営体質をベースとして、変化に対して先手を打つ「攻め」と「挑戦」の姿勢で収益力の向上に努めました。具体的には、需要変動に対応した柔軟な生産・供給体制の構築、新たなニーズを捉えた新商品の拡販によるシェアの向上、原材料市況高騰を踏まえた銅からアルミへの材料置換をはじめとしたトータルコストダウンの推進、市場・顧客にその価値を認めていただける差別化商品の投入による販売価格政策の推進、固定費の削減や物流の効率化などに取り組みました。

また、2025年度を目標年度とする戦略経営計画「FUSION25」を策定し、成長戦略3テーマ「カーボンニュートラルへの挑戦」「顧客とつながるソリューション事業の推進」「空気価値の創造」をはじめとした重点9テーマの施策展開に取り組みました。

当期の経営成績については、 売上高は3兆1,091億6百万円 (前期比 24.7%増 )となりました。利益面では、 営業利益は3,163億50百万円 (前期比 32.6%増 )、 経常利益は3,274億96百万円 (前期比 36.3%増 )、 親会社株主に帰属する当期純利益は2,177億9百万円 (前期比 39.3%増 )となりました。

 

セグメントごとの経営成績を示すと、次のとおりであります。

 

①  空調・冷凍機事業

空調・冷凍機事業セグメント合計の売上高は、前期比24.4%増2兆8,284億99百万円となりました。営業利益は、前期比26.6%増2,824億4百万円となりました。

国内業務用空調機器の業界需要は、新型コロナウイルスによる影響は依然として続くものの、前期の大幅な落ち込みに比べると回復が見られ、前期を上回りました。当社グループは、空調業界の施工技術者不足の課題に応え、工事の簡素化と工事品質の安定化に対応した「VRV」や「スカイエア」シリーズの新商品を発売するなど、商品力の強化を進めました。また、全熱交換器『ベンティエール』や『業務用ストリーマ空気清浄機』など、当社グループの持つ換気・除菌機器と空調機器を組み合わせることで、顧客の抱える空気の課題に沿った環境改善提案を行いました。これら商品ラインナップの強化と提案の幅を広げたことにより、業務用空調機器の売上高は前期を上回りました。

国内住宅用空調機器の業界需要は、巣ごもり需要が一巡し、夏季の長雨や冷夏の影響による落ち込みが見られ、前期を下回りました。当社グループは、無給水加湿や給気・排気換気など独自の機能を搭載するルームエアコン『うるさらX(エックス)』の新モデル販売、細部までデザインにこだわったルームエアコン『risora(リソラ)』のモデルチェンジなど、商品力の強化を進めました。また、堅調な需要が続く空気清浄機では、当社グループ独自の空気清浄技術「ストリーマ」と、ウイルスや菌の抑制効果の高い波長の「深紫外線(UVC)LED」を搭載した『UVストリーマ空気清浄機』を新たに発売するなど商品ラインナップを強化しました。これらの取り組みにより、住宅用空調機器の売上高は前期を上回りました。

 

 

米州では、前期は新型コロナウイルス感染拡大による影響や工場が一部停止したことで、供給力に影響が出た期間がありましたが、当期は北米全体の労働者不足や部品供給の問題がある中でも供給力の向上に努めた結果、生産・販売ともに着実に伸ばしました。住宅用空調機器については、販売の増加によりシェアが向上し、また、買収による販売網強化や価格政策の着実な実行に努めた結果、売上高は前期を大きく上回りました。大型ビル(アプライド)空調分野は、新型コロナウイルスの影響により停滞していた市場の回復を背景に、アプライド機器の拡販に取り組むとともに、サービス事業の拡大や前期末及び当期に買収した会社が販売の増加に寄与し、売上高は前期を上回りました。

中国では、下期に入り景気は減速傾向となりましたが、年間では個人消費は堅調に推移しました。当社グループは、住宅システム商品、空気・換気商品、環境訴求商品などのラインナップを強化するとともに、これまでの強みである当社グループ独自の専売店「プロショップ」による販売に加え、オンラインを活用した販売を強化し、売上高は前期を大きく上回りました。利益面では、原材料価格の高騰や半導体不足の影響を受けましたが、高付加価値商品の拡販、コストダウン・固定費削減に取り組み、高水準を維持しました。住宅用市場では、従来の店舗での販売とオンラインを組み合わせた販売活動を推進し、新規顧客の探索や更新需要の獲得に注力しました。また、カーボンニュートラル政策の推進に伴い、ヒートポンプ式温水暖房機器などを合わせたシステム提案を強化し、住宅用マルチエアコンを大きく拡販しました。業務用市場では、店舗・オフィスなどで換気・洗浄を切り口に顧客との接点を拡大し、機器の更新や追加購入の需要を取り込みました。大型物件市場では、空気・エネルギーなどのソリューション提案を強化しました。工場向け市場では環境対策による省エネ機器への更新需要を取り込みました。アプライド空調機器市場では、半導体関連など成長分野に経営資源をシフトしたことに加え、保守・メンテナンス事業を強化しました。

アジア・オセアニアでは、5月以降はインド・マレーシア・タイ・ベトナムなどアジア各国で、7月以降はオーストラリアでも新型コロナウイルス感染再拡大に伴うロックダウンや事業活動の制限強化の影響を受け、上期は厳しい市場環境が続きました。特に業務用空調機器については、建設現場での労働者不足や新型コロナウイルス検査義務付けのため、市場全体で着工遅れや工事の中断・延期が発生する状況が続きました。下期では、行動制限の緩和や経済活動の再開が徐々に進み、インドを中心とした各国での需要回復の取り込み、オセアニアでの堅調な販売、価格政策の着実な実行などに努めました。その結果、地域全体の売上高は業務用・住宅用ともに前期を上回りました。

欧州では、期初からスエズ運河での座礁事故による物流の混乱、原材料や物流費の高騰、部品の供給逼迫、ロシア・ウクライナ情勢の悪化など、様々な事業リスクが発生し、厳しい事業環境が続きました。しかしながら、部門間の連携強化による安定した生産・供給体制、販売力・営業力の強化により、地域全体の売上高は過去最高の前期を大きく上回りました。住宅用空調機器では、フランスやスペインに加え、ドイツなどでの冷夏影響により販売が減少しましたが、ギリシャやブルガリアなどの欧州南東部での猛暑や、イタリアでの省エネ機器への補助金強化による需要増加の取り込みにより販売を伸ばしました。住宅用ヒートポンプ式温水暖房機器では、各国政府のコロナ危機からの経済復興とCO2削減を目的とした補助金制度が追い風となり、ガスやオイルボイラーからの更新需要が急拡大する中、補助金申請支援などの販売力強化と最寄り工場での生産・供給力強化で需要を最大限に取り込みました。これらにより、住宅用空調・暖房機器の売上高は前期を大きく上回りました。業務用空調機器においては、11月以降に再発動されたロックダウンなどの制限強化により、オフィス・ホテルの需要回復に影響があったものの、コロナ禍で中断していた物件の需要を最大限に取り込み、販売を拡大しました。その結果、業務用空調機器の売上高は前期を上回りました。また、低温事業は、部品不足の影響を受けたものの、食品スーパー業界を中心に販売を強化し、売上高は前期を大きく上回りました。

中近東・アフリカでは、サウジアラビア・エジプト・カタールでの販売強化が牽引し、売上高は前期を上回りました。トルコでは、住宅用空調機器は、猛暑と価格改定前の駆け込み需要により販売が大きく増加し、業務用空調機器も堅調な工場・病院向け需要の取り込みを最大化しました。トルコリラ下落の影響を受けましたが、価格政策もあり円貨換算後の売上高においても前期を大きく上回りました。

 

 

フィルタ事業は、長引く新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けながらも、世界的な経済活動の再開により、需要は緩やかな回復基調になりました。米国では工場用途をはじめとした業務用市場の販売が伸び、欧州では製薬などハイエンド市場の販売が好調となりました。アジアでは半導体市場の活況により、半導体工場向け高性能フィルタの販売が好調となり、また、国内では補助金制度の後押しもあり、感染症対策機器の販売が拡大しました。ガスタービン・集塵機事業は、原油価格上昇による石油ガス業界の投資意欲の回復、環境意識の高まりを背景とした産業用集塵機の底堅い需要もあり、フィルタ事業全体の売上高は前期を上回りました。

舶用事業は、海上コンテナ冷凍装置の販売台数増加により、売上高は前期を大きく上回りました。

 

②  化学事業

化学事業セグメント合計の売上高は、前期比29.4%増2,124億24百万円となりました。営業利益は、前期比140.1%増273億1百万円となりました。

フッ素化学製品全体の販売は、新型コロナウイルスの世界的流行の影響で大きく落ち込んだ前期に対し、半導体・自動車分野を中心に広範囲での需要回復に加え、積極的な拡販施策の展開により、売上高は前期を大きく上回りました。

フッ素樹脂は、世界的な半導体・自動車関連の需要回復を捉えた拡販施策の展開により、売上高は前期を大きく上回りました。また、フッ素ゴムについても、自動車関連を中心に需要の回復が顕著となり、拡販施策の展開と同時に価格政策を実施したことにより、売上高は前期を大きく上回りました。

化成品のうち、表面防汚コーティング剤は需要の停滞が見られたものの、撥水撥油剤や半導体向けエッチング剤などの需要が回復したことにより、化成品全体の売上高は前期を上回りました。

フルオロカーボンガスについては、価格政策の着実な実行や拡販施策に努め、売上高は前期を大きく上回りました。

 

③  その他事業

その他事業セグメント合計の売上高は、前期比23.1%増681億82百万円となりました。営業利益は、前期比60.9%増66億47百万円となりました。

油機事業では、産業機械用油圧機器は、国内市場では工作機械向けを中心に販売が増加したことに加え、アジア・欧米向けの販売も増加したことにより、売上高は前期を大きく上回りました。また、建機・車両用油圧機器は、国内及び米国主要顧客向けの販売が増加したことにより、売上高は前期を大きく上回りました。

特機事業では、防衛省向け砲弾の受注増加と、新型コロナウイルス感染拡大に伴う酸素濃縮装置及びパルスオキシメータ(採血することなく血中酸素飽和度を簡易に測定できる医療機器)の需要の増加を取り込んだことにより、売上高は前期を上回りました。

電子システム事業では、大手企業を中心にデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進が追い風となり、顧客のIT投資需要が増加しました。品質課題の解決・設計開発期間の短縮・コストダウン支援といった顧客ニーズに合致した設計・開発分野向けデータベースシステム『SpaceFinder(スペースファインダー)』と、その関連商品『Smart Innovator(スマートイノベーター)』の販売が堅調に推移し、売上高は前期を上回りました。

 

総資産は、3兆8,239億98百万円となり、前連結会計年度末に比べて5,843億35百万円増加しました。

流動資産は、受取手形、売掛金及び契約資産の増加等により、前連結会計年度末に比べて4,322億62百万円増加し、2兆1,656億23百万円となりました。

固定資産は、建物及び構築物の増加や円安による為替換算の影響を受けたこと等により、前連結会計年度末に比べて1,520億73百万円増加し、1兆6,583億74百万円となりました。

負債は、支払手形及び買掛金の増加等により、前連結会計年度末に比べて2,747億20百万円増加し、1兆8,158億88百万円となりました。

純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上や為替の変動によるその他の包括利益累計額の増加等により、前連結会計年度末に比べて3,096億14百万円増加し、2兆81億9百万円となりました。

 

この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の51.4%から51.5%となり、1株当たり純資産額は前連結会計年度末の5,691.85円から6,729.73円となりました。

また、有利子負債については、短期借入金の増加等により、前連結会計年度に比べて736億60百万円増加し、8,248億73百万円となりましたが、総資産の増加により有利子負債比率(有利子負債/総資産)は、23.2%から21.6%となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、営業活動では、棚卸資産の増加等により、前連結会計年度に比べて1,296億19百万円収入が減少し、2,450億71百万円の収入となりました。投資活動では、子会社出資金の取得による支出の増加等により、前連結会計年度に比べて211億23百万円支出が増加し、1,807億89百万円の支出となりました。財務活動では、長期借入れによる収入の減少等により、前連結会計年度に比べて1,476億40百万円収入が減少し、486億98百万円の支出となりました。これらの結果に為替換算差額を加えた現金及び現金同等物の当連結会計年度の増減額は、前連結会計年度末に比べて2,840億51百万円減少し、571億22百万円のキャッシュの増加となりました。

 

(生産、受注及び販売の状況)

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

空調・冷凍機事業

2,205,755

28.5

化学事業

207,659

35.1

その他事業

63,755

26.4

合計

2,477,171

29.0

 

(注) 1  金額は販売価格によっております。

 

(2) 受注状況

当社グループの製品は、大部分見込み生産であるため、受注高及び受注残高の記載は省略しております。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

空調・冷凍機事業

2,828,499

24.4

化学事業

212,424

29.4

その他事業

68,182

23.1

合計

3,109,106

24.7

 

(注) 1  セグメント間の取引については相殺消去しております。

2  いずれの相手先についても総販売実績に対する割合が100分の10未満のため、相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合の記載を省略しております。

 

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

以下に記載の内容については、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当連結会計年度末における資産、負債及び純資産の計上、当連結会計年度における収益、費用の計上については、現況や過去の実績に基づいた合理的な基準による見積りが含まれております。

なお、連結財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

また、新型コロナウイルス感染症の影響については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。

 

(2) 財政状態

①資産

総資産は、3兆8,239億98百万円となり、前連結会計年度末に比べて5,843億35百万円増加しました。

流動資産は、受取手形、売掛金及び契約資産の増加等により、前連結会計年度末に比べて4,322億62百万円増加し、2兆1,656億23百万円となりました。

固定資産は、建物及び構築物の増加や円安による為替換算の影響を受けたこと等により、前連結会計年度末に比べて1,520億73百万円増加し、1兆6,583億74百万円となりました。

 

②負債及び純資産

負債は、支払手形及び買掛金の増加等により、前連結会計年度末に比べて2,747億20百万円増加し、1兆8,158億88百万円となりました。

純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上や為替の変動によるその他の包括利益累計額の増加等により、前連結会計年度末に比べて3,096億14百万円増加し、2兆81億9百万円となりました。

この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の51.4%から51.5%になり、1株当たり純資産額は前連結会計年度末の5,691.85円から6,729.73円となりました。

 

(3) 経営成績

①売上高

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比24.7%増3兆1,091億6百万円となりました。

空調・冷凍機事業では、新型コロナウイルス感染再拡大などの影響を受けましたが、差別化商品の投入による販売価格政策の推進など収益力の向上に努め、売上高は前連結会計年度比24.4%増2兆8,284億99百万円となりました。

化学事業では、半導体・自動車分野を中心とした需要回復を捉えた拡販施策の展開や価格政策を実施したことなどにより売上高は前連結会計年度比29.4%増2,124億24百万円となりました。

その他事業全体では、産業機械用油圧機器や建機・車両用油圧機器において需要回復を捉えた販売の拡大などにより、売上高は前連結会計年度比23.1%増681億82百万円となりました。

 

②営業費用、営業利益

売上原価は、前連結会計年度比25.9%増加し、2兆517億67百万円となりました。

販売費及び一般管理費については、前連結会計年度比18.5%増加し、7,409億87百万円となりました。人件費の増加が主な要因であります。

以上の結果、営業利益は前連結会計年度比32.6%増3,163億50百万円となりました。

なお、セグメントの営業損益については、空調・冷凍機事業では、前連結会計年度比26.6%増2,824億4百万円の営業利益となり、化学事業では、前連結会計年度比140.1%増273億1百万円の営業利益となり、その他事業は前連結会計年度比60.9%増66億47百万円の営業利益となりました。

 

③営業外損益、経常利益

営業外損益は、為替差益が増加したこと等により、前連結会計年度に比べて95億20百万円増加し、111億46百万円のプラスとなりました。

経常利益は、前連結会計年度比36.3%増3,274億96百万円となりました。

 

 

④特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益

特別損益は、投資有価証券売却益が増加したこと等により、前連結会計年度に比べて22億65百万円増加し、5億59百万円のプラスとなりました。

親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比39.3%増2,177億9百万円となりました。

 

(4) キャッシュ・フロー

営業活動では、棚卸資産の増加等により、前連結会計年度に比べて1,296億19百万円収入が減少し、2,450億71百万円の収入となりました。投資活動では、子会社出資金の取得による支出の増加等により、前連結会計年度に比べて211億23百万円支出が増加し、1,807億89百万円の支出となりました。財務活動では、長期借入れによる収入の減少等により、前連結会計年度に比べて1,476億40百万円収入が減少し、486億98百万円の支出となりました。これらの結果に為替換算差額を加えた現金及び現金同等物の当連結会計年度の増減額は、前連結会計年度末に比べ2,840億51百万円減少し、571億22百万円のキャッシュの増加となりました。

 

当社グループでは、投資は成長の基盤と考えており、投資によって事業拡大を図るとともに、財務体質の強化、企業価値の一層の向上と株主への利益還元の向上を図ってまいります。具体的には、新製品に対応した設備投資、生産性向上・生産能力拡大のための投資などに加え、各戦略的投資を実行し、グローバルでの事業拡大及び競争力強化を図ってまいります。これらの投資に必要な資金は内部留保の蓄積を基本とした自己資金に加え、必要に応じ、金融機関からの借入や社債等で調達します。当連結会計年度では、営業活動によるキャッシュ・フロー(2,450億71百万円)が、投資活動によるキャッシュ・フロー(1,807億89百万円)を上回りました。

株主への配当は、安定的かつ継続的に実施していくことを基本に、連結純資産配当率(DOE)3.0%を維持するように努めるとともに、連結配当性向についてもさらに高い水準を目指していくことで、株主への還元の一層の拡充に取り組んでまいります。

 

キャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。

 

 

2018年3月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

自己資本比率(%)

52.4

52.4

53.8

51.4

51.5

時価ベースの自己資本比率(%)

138.6

140.5

144.5

201.6

171.5

キャッシュ・フロー対有利子負債比率 (年)

2.5

2.3

1.8

2.0

3.4

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

20.9

21.2

25.6

39.3

27.7

 

 

(注)  自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

 

※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

※営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。

※有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息支払額を使用しております。

 

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