業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。また、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度(2021年4月1日~2022年3月31日)における世界経済は、先進国を中心とした新型コロナウイルスに対するワクチン接種の進展、各国の経済政策などにより概ね回復傾向で推移しましたが、ロシアがウクライナに侵攻するなど世界情勢の緊張が高まりました。

中国においては、新型コロナウイルス感染再拡大などの影響により景気の回復ペースが鈍化しましたが、米国や欧州では政府の経済対策などにより景気は回復傾向となりました。

わが国においても、各種政策や海外経済の改善などにより景気は回復傾向であるものの、変異株を中心とした新型コロナウイルス感染再拡大に伴う経済活動の制限、半導体不足、エネルギー・素材価格の高騰などにより、先行き不透明な状況が続きました。

このような状況のもと、当連結会計年度の受注高は232,540百万円(前期比22.5%増)、売上高は215,879百万円(同11.6%増)となりました。

損益につきましては、営業利益は17,842百万円(同100.5%増)、経常利益は20,045百万円(同81.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は14,543百万円(同67.0%増)となりました。

上記の結果、当社グループが取り組んでおります5ヵ年計画「中期経営計画2025」における主要な財務KPI(①売上高:3,000~3,200億円、②営業利益率:9~11%、③ROE:8%以上、④配当性向:30%を基準とする)に対する進捗は、以下のとおりとなりました。

①売上高:2,158億円、②営業利益率:8.3%、③ROE:7.4%、④配当性向:30.5%(いずれも連結ベース)

※「中期経営計画2025」における非財務KPIに対する進捗は、当社ホームページ(URL:https://www.tsubakimoto.jp/)に掲載しておりますので、ご参照ください。

 

当社グループは、新型コロナウイルスの感染拡大防止に努めるとともに、「長期ビジョン2030」に掲げた「2030年のありたい姿」の実現に向けて、「Linked Automation テクノロジー」により、社会課題解決への貢献を目指しております。

また、本年度よりスタートさせた「中期経営計画2025」の達成に向けて、既存事業での収益力強化と持続的成長につながる新事業開発に注力してまいります。

(Linked Automation テクノロジー:高機能化と高度オートメーション化された技術領域)

 

セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より、報告セグメント区分および名称を変更しており、以下の前期比較につきましては、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。

 

[チェーン]

チェーンにつきましては、日本、米州、欧州、環インド洋、中国、韓国・台湾において販売が増加したことから、前期比で増収となりました。

以上により、チェーンの受注高は81,301百万円(前期比32.1%増)、売上高は72,371百万円(同21.2%増)、営業利益は11,005百万円(同40.0%増)となりました。

 

[モーションコントロール]

モーションコントロール(旧精機)につきましては、日本、米州、欧州、中国、韓国・台湾において販売が増加したことから、前期比で増収となりました。

 

以上により、モーションコントロールの受注高は22,853百万円(前期比31.8%増)、売上高は19,376百万円(同9.3%増)、営業利益は1,129百万円(同51.1%増)となりました。

 

 [モビリティ]

モビリティ(旧自動車部品)につきましては、日本、米州、欧州、タイ、中国、韓国の各拠点において自動車エンジン用タイミングチェーンシステムなどの販売が増加したことから、前期比で増収となりました。

以上により、モビリティの受注高は66,199百万円(前期比10.8%増)、売上高は66,026百万円(同11.1%増)、営業利益は6,568百万円(同73.6%増)となりました。

 

[マテハン]

マテハンにつきましては、日本国内や米州における自動車業界向けシステムの売上が減少しましたが、日本国内において物流業界向けや新聞印刷工場向け、ライフサイエンス分野向けシステムの売上が増加したことなどから、前期比で増収となりました。

以上により、マテハンの受注高は59,279百万円(前期比22.8%増)、売上高は55,704百万円(同4.6%増)、営業利益は799百万円(前期は2,202百万円の営業損失)となりました。

 

[その他]

その他の受注高は2,905百万円(前期比3.5%減)、売上高は2,400百万円(同25.9%減)、損益につきましては442百万円の営業損失(前期は330百万円の営業損失)となりました。

 

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載をしております。

 

 生産、受注および販売の実績は、次のとおりであります。

  ① 生産実績

  当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

なお、当社グループ(当社および連結子会社)の製品は、主に受注生産でありますが、製品の一部につきましては、見込生産も行っております。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

チェーン

48,306

10.8

モーションコントロール

20,576

13.7

モビリティ

80,998

16.7

マテハン

39,222

10.0

その他

182

△63.4

合計

189,285

13.2

 

(注) 金額は販売価格で記載しております。

 

   ② 受注状況

  当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

 

 

チェーン

81,301

32.1

23,177

78.7

 

 

モーション
コントロール

22,853

31.8

7,788

86.9

 

 

モビリティ

66,199

10.8

1,319

15.1

 

 

マテハン

59,279

22.8

30,973

17.1

 

 

その他

2,905

△3.5

627

415.8

 

 

合計

232,540

22.5

63,885

42.5

 

 

 

 

 

   ③ 販売実績

  当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

チェーン

72,371

21.2

モーションコントロール

19,376

9.3

モビリティ

66,026

11.1

マテハン

55,704

4.6

その他

2,400

△25.9

合計

215,879

11.6

 

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

椿本興業株式会社

23,728

12.3

26,061

12.1

 

 

(2) 財政状態

  ① 資産

資産は、償却などにより有形固定資産が140百万円減少した一方で、商品及び製品の増加などにより棚卸資産が10,619百万円増加したこと、現金及び預金が7,234百万円増加したこと、保有株式の時価上昇などにより投資有価証券が3,722百万円増加したこと、対象期間売上増加により受取手形、売掛金及び契約資産が1,957百万円増加したことなどから、前連結会計年度末と比較して25,287百万円増加し、332,620百万円となりました。

 

  ② 負債

負債は、借入金が3,297百万円減少した一方で、未払法人税等が1,973百万円増加したこと、支払手形及び買掛金が1,728百万円増加したこと、賞与引当金が1,370百万円増加したこと、電子記録債務が971百万円増加したことなどから、前連結会計年度末と比較して3,025百万円増加し、122,863百万円となりました。

 

③ 純資産

純資産は、利益剰余金が11,022百万円増加したこと、為替の変動により為替換算調整勘定が8,794百万円増加したこと、保有株式の時価上昇などによりその他有価証券評価差額金が1,879百万円増加したことなどから、前連結会計年度末と比較して22,262百万円増加し、209,757百万円となりました。また、自己資本比率は、2.0ポイント改善し、62.5%となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に係る情報

① キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して6,803百万円増加し、52,888百万円となりました。
 各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金の増加は21,000百万円となりました。これは、棚卸資産が8,111百万円増加したこと、法人税等の支払に3,533百万円支出した一方で、税金等調整前当期純利益を20,081百万円計上したこと、減価償却費を12,694百万円計上したことなどによるものであります。

 

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金の減少は9,075百万円となりました。これは、モビリティ生産設備等への設備投資代金の決済に8,004百万円支出したことなどによるものであります。

 

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の減少は7,780百万円となりました。これは、配当金の支払に3,573百万円支出したこと、借入金が3,663百万円減少したことなどによるものであります。

 

② 資金需要および資金調達の方法

当社グループの資金需要のうち主なものは、当社グループ製品の製造のための材料や部品の購入ならびに設備の増強、合理化および更新にかかる設備投資、企業買収によるものであります。

成長投資につきましては、2021年度は生産設備の増強、合理化、更新を中心に8,591百万円の設備投資を行い、研究開発費用は5,199百万円となりました。2022年度は新設、合理化および更新にかかる設備投資として13,505百万円を見込んでおります。設備投資計画の詳細については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」をご参照ください。

株主還元につきましては、株主重視の経営を目指す観点から、連結業績を反映した配当を基本方針とし、資金の状況、財務の状況等を総合的に勘案しながら連結配当性向30%を基準とした利益配分を目指しております。当社の配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご確認ください。

当社グループは、運転資金および設備投資資金については、自己資金、金融機関からの借入および社債発行により資金を調達しております。

 

(4)重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値が実際の結果と異なる可能性があります。

重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得