業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 ① 経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、長期化する新型コロナウイルス感染症の影響に対し、ワクチン接種や緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置の発出等の感染抑制策によって経済活動に回復の兆しは見られるものの、繰り返される変異株による感染再拡大の他、緊迫化するウクライナ情勢や原材料価格の高騰など、下振れ要因は依然として存在し、その先行きは不透明な状況が続いております。

日銀短観(2022年3月調査)によれば、2021年度の設備投資計画(全規模・全産業)は、前年度比4.6%増と、12月調査(同7.9%増)から下方修正された一方で、2021年度の経常利益計画(全規模・全産業)は前年度比32.0%増と、12月調査(同28.0%増)から上方修正された結果となりました。これは、設備投資については上記の下振れ要因による設備投資意欲の低下、経常利益については前年度前半ほどの急激な経済活動の落ち込みは避けられていることが今回の結果に繋がったとみられます。

このような状況下、当事業年度における当社業績は、海外向け化学プラント案件及び燃料電池車(FCV)用水素ステーション案件の遅延等により、売上高は前年同期比20.3%減の4,578百万円となりました。材料調達コスト低減等の経営努力による採算改善はあったものの、前述の売上高減少により、売上総利益は前年同期比1.0%減の1,476百万円となりました。一方で、研究開発活動として進めていた試験機の製作・実証が一段落したこと等により、販売費及び一般管理費は前年同期比6.1%減の1,041百万円となりました。売上総利益の減少額15百万円及び販売費及び一般管理費の減少額67百万円の影響により、営業利益は前年同期比13.6%増の435百万円、経常利益は前年同期比8.3%増の455百万円となりました。また、本社総合組立工場の建設工事を前年度より継続しており、当年度においても旧工場解体費用等44百万円を工場再編費用として特別損失に計上し、結果として当期純利益は前年同期比0.5%増の309百万円となりました。

また、当事業年度の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を適用しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1〔財務諸表等〕 注記事項 (会計方針の変更)」をご覧下さい。

 ② 財政状態の状況

当事業年度末の総資産は、9,683百万円で前事業年度末に比べ1,159百万円増加しました。この主な要因は、受取手形の減少252百万円及び売掛金の減少832百万円があったものの、仕掛品の増加584百万円及び本社総合組立工場が一部竣工したことによる有形固定資産の増加1,635百万円があったことによります。

当事業年度末の負債は、3,109百万円で前事業年度末に比べ915百万円増加しました。この主な要因は、未払費用の減少105百万円があったものの、本社総合組立工場の建設資金として借入を実行したことにより、短期借入金が1,000百万円増加したことによります。

当事業年度末の純資産は、6,574百万円で前事業年度末に比べ244百万円増加しました。この主な要因は、剰余金の配当66百万円があったものの、当期純利益309百万円を計上したことにより、利益剰余金が243百万円増加したことによります。

以上の結果、自己資本比率は67.9%となりました。

 ③ キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物は771百万円で、前事業年度末に比べ48百万円の減少となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、増加した資金は786百万円であります(前年同期は70百万円の増加)。この増加は主に、棚卸資産の増加額640百万円があったものの、税引前当期純利益の計上410百万円及び売上債権の減少額1,124百万円があったことによります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、減少した資金は1,766百万円であります(前年同期は89百万円の減少)。この減少は主に、有形固定資産の取得による支出1,842百万円があったことによります。

 

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、増加した資金は932百万円であります(前年同期は68百万円の減少)。この増加は主に、短期借入れによる収入1,000百万円があったことによります。

 

   ④ 生産、受注及び販売の実績

    a. 生産実績

 当事業年度における生産実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

圧縮機事業

5,607,922

△7.2

 

(注) 金額は、販売価格によっております。

 

    b. 受注実績

 当事業年度における受注実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

圧縮機事業

5,972,816

11.3

3,476,304

67.0

 

(注) 受注残高の著しい増加は、主に当事業年度に販売を見込んでいた大口案件が遅延したことによる

ものであります。

 

    c. 販売実績

 当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

圧縮機事業

4,578,208

△20.3

 

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。

財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社の当事業年度の経営成績は、当事業年度中の販売を見込んでいた大口案件が保留や翌事業年度へ遅延となったことにより、前年同期と比較し減収となりましたが、研究開発活動として進めていた試験機の製作・実証が一段落したことによる研究開発費の減少等により、当期純利益は前年同期と比較し増益となりました。詳細は前述の「第2 事業の状況 3〔経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析〕 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」をご確認ください。

当事業年度の目標として、売上高60億円、経常利益4.7億円、純利益3.1億円、ROE4.8%を設定しておりました。目標対比では上述した大口案件の保留・遅延等により売上高及び経常利益は目標を下回りましたが、当初見込んでいた株式会社神戸製鋼所との訴訟関連費用が、コロナ禍の影響により訴訟の進捗が遅延し翌事業年度へ繰り越しとなった結果、純利益及びROEは目標とほぼ同程度となりました。

現在、ウクライナ情勢や新型コロナウイルス感染症等、経済情勢は混迷を深めており、企業を取り巻く環境は今後も厳しい状況が続くと思われます。当社においても、当初想定していなかった原材料価格及び輸送費用の急激な高騰等 、経済状況は不透明さを増していることから、「2020 中期経営計画」の2022年度目標計数より業績予想を変更しております。具体的な目標数値につきましては、「第2 事業の状況 1〔経営方針、経営環境及び対処すべき課題等〕 (2)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題等 3.計数目標」をご確認ください。

 

キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社は、運転資金及び設備資金の調達につきましては、基本的には営業活動によるキャッシュ・フローを財源としますが、設備投資等の比較的大きな資金需要に対応する場合は、余剰資金もしくは金融機関からの借入によって対応する方針です。資金調達を行う際は、期間や市場金利等、また自己資本比率、ROEといった財務指標への影響度を総合的に判断しながら、最適な調達を実施します。

当事業年度においては、大規模な設備投資計画である総合組立工場建設に係る第1期工事が完了し、その費用の支払を金融機関からの借入でまかないました。その他の設備資金及び運転資金については、営業活動によるキャッシュ・フロー及び余剰資金からまかない、結果として当事業年度末における現金及び預金の残高は771百万円となりました。余剰資金は親会社である株式会社三井E&Sホールディングスに対する預け金で運用しており、当事業年度末における残高は1,100百万円であります。なお、総合組立工場については2022年7月より全面竣工の予定であり、その際の支払は余剰資金等の他に、必要に応じて金融機関からの借入を財源といたします。

 

重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1〔財務諸表等〕 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

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