業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 ①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、各国の経済対策実施などによりコロナ禍から回復に向かう中で、全体的に景気は回復の局面となりましたが、物流遅延によるサプライチェーンの混乱や原材料・エネルギー価格の高騰が続き、更にはウクライナ情勢の悪化など、製造業にとっては厳しい外部環境となりました。日本経済においても、ワクチン接種の進行などにより経済活動の持ち直しも見られましたが、変異株の拡大の影響が懸念されるなど、不透明な状況が続いております。

このような状況のもとで、当社グループはグローバル市場で積極的な販売活動を行ってまいりました。その結果、当連結会計年度における売上高は38,914百万円と前年同期と比べ5,304百万円の増加(前年同期比15.8%増)となりましたが、原材料や海上運賃の急激かつ大幅な上昇などの影響により、営業損失は1,001百万円(前年同期は478百万円の営業損失)、経常損失は752百万円(前年同期は255百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は1,134百万円前年同期は1,579百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 

セグメントの経営成績は次のとおりであります。

 (輸送機器用事業)

輸送機器用事業においては、半導体不足の影響も受けましたが、コロナ禍からの回復や新規製品の立上げなどにより売上高が増加しました。

その結果、売上高は26,835百万円と前年同期と比べ3,043百万円の増加(前年同期比12.8%増)となりましたが、セグメント損失は1,108百万円(前年同期は345百万円のセグメント損失)となりました。

 

 (一般産業用事業)

一般産業用事業においては、設備関連、工作機械、ロボット、物流設備等の市場が急拡大したことを受けて、それに伴うサーボモータ需要が拡大し、無励磁作動ブレーキの売上が大きく増加しました。

その結果、売上高は11,148百万円と前年同期と比べ2,368百万円の増加(前年同期比27.0%増)となり、セグメント利益は91百万円(前年同期は170百万円のセグメント損失)となりました。

 

 (その他)

その他では、売上高が930百万円と前年同期と比べ107百万円の減少(前年同期比10.3%減)となりました。セグメント利益は15百万円と前年同期と比べ22百万円の減少(前年同期比59.7%減)となりました。

 

 ②キャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フロー計算書 要約

科目

前連結会計年度(百万円)

当連結会計年度(百万円)

現金・現金同等物期首残高

5,849

6,762

 

営業活動によるキャッシュ・フロー

1,160

△2,717

投資活動によるキャッシュ・フロー

△1,723

△1,237

財務活動によるキャッシュ・フロー

1,560

3,651

現金・現金同等物に係る換算差額等

△84

284

現金・現金同等物増減額

912

△19

現金・現金同等物期末残高

6,762

6,742

 

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ19百万円減少し、6,742百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

  (営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果使用した資金は2,717百万円(前年同期は1,160百万円の収入)となりました。これは主に税金等調整前当期純損失799百万円と減価償却費1,651百万円、棚卸資産の増加額3,873百万円によるものです。

  (投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は1,237百万円(前年同期比485百万円減)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出2,020百万円と有形固定資産の売却による収入426百万円によるものです。

  (財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は3,651百万円前年同期比2,091百万円増)となりました。これは主に借入による収入4,425百万円と連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出505百万円によるものです。

 

  ③生産、受注及び販売の実績

  イ. 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2021年4月1日
 至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

輸送機器用事業(百万円)

22,606

110.08

一般産業用事業(百万円)

10,153

127.80

報告セグメント計(百万円)

32,760

115.02

その他(百万円)

478

103.68

合計(百万円)

33,238

114.84

 

(注) 1.金額は販売価格によります。

 

  ロ. 受注実績

当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても構造等は一様でありません。また当社グループの販売高の多数を占める自動車業界向け部品については、納入先から指示される生産計画を基に、当社グループの生産能力等を勘案して生産を行っております。

 

  ハ. 販売実績

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2021年4月1日
 至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

輸送機器用事業(百万円)

26,835

112.79

一般産業用事業(百万円)

11,148

126.98

報告セグメント計(百万円)

37,983

116.62

その他(百万円)

930

89.66

合計(百万円)

38,914

115.78

 

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.総販売実績に対して10%以上に該当する販売先はありません。

 

 

 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において提出会社が判断したものであります。

 

  ①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きく影響を及ぼすと考えております。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく、将来の業績予測等に反映させることが難しい要素もありますが、現時点において入手可能な情報を基に検証等を行っております。

 

   (固定資産の減損処理)

 当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 

   ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

       当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。

 

  経営成績の分析

   (売上高及び営業損益)

当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ、5,304百万円増加し、38,914百万円となりました。当連結会計年度における売上原価は、売上高の増加等により、4,197百万円増加33,271百万円(前年同期比14.4%増)となりました。当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ、1,630百万円増加し、6,644百万円(前年同期比32.5%増)となりました。その結果、当連結会計年度の営業損失は1,001百万円(前年同期は478百万円の営業損失)となりました。

 

   (為替変動の影響)

当社グループの海外売上高は22,411百万円で、連結売上高に占める海外売上比率は57.6%となっており、そのほとんどを米ドル・ユーロ・中国元・タイバーツ建てで取引しております。また、在外子会社の財務諸表は外貨建てで作成されているため、外国通貨に対する円高は売上の減少、円安は売上の増加に影響する傾向があります。

 

   (営業外損益及び経常損益)

当連結会計年度における営業外損益は、前連結会計年度に比べ25百万円利益(純額)が増加し、249百万円の利益(純額)となりました。これは主として為替差益の増加によるものであります。その結果、経常損失は、前連結会計年度に比べ497百万円増加し、752百万円(前年同期は255百万円の経常損失)となりました。

 

   (特別損益)

当連結会計年度における特別損益は、前連結会計年度に比べ974百万円損失(純額)が減少し、47百万円の損失(純額)となりました。これは主として前連結会計年度における特別調査費用等と減損損失の減少によるものであります。

 

   (親会社株主に帰属する当期純損益)

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は、1,134百万円(前年同期は1,579百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 

 

  財政状態の分析
   (資産の部)

当連結会計年度末の資産につきましては、流動資産は主に、棚卸資産の増加等により31,948百万円(前期末比4,968百万円増)となりました。固定資産は主に、投資有価証券の減少等により14,824百万円(前期末比216百万円減)となりました。その結果、総資産は46,773百万円(前期末比4,752百万円増)となりました。

 

   (負債の部)

負債につきましては、流動負債は主に、短期借入金の増加等により 26,197 百万円(前期末比 5,163百万円増 )となり、固定負債は主に、長期借入金の増加等により 6,498 百万円(前期末比 792百万円増 )となりました。その結果、負債合計は 32,696 百万円(前期末比 5,955百万円増 )となりました。

 

   (純資産の部)

純資産につきましては、利益剰余金の減少等により14,076百万円(前期末比1,203百万円減)となりました。

 

   キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況  3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

   資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、材料仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用です。投資を目的とした資金需要は設備投資等によるものであります。
 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
 なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は19,880百万円となっており、現金及び現金同等物の残高は6,742百万円となっております。

また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を考慮し、緊急時における安定的な資金調達の体制を構築するため、取引金融機関との間で当座貸越枠の増枠契約を締結しております。

 

   経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況  2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

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