当社グループの当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当連結会計年度は、国や地域によってコロナ禍による断続的な経済活動の制約を受けたものの、欧米諸国を中心に急速な需要回復がみられ、日本国内でも緩やかながら回復基調が続きました。一方で急速な需要回復は、海上コンテナ輸送の混雑、天然資源、エネルギー、原材料、部品などの急激なコスト増といった影響をもたらし、期末に向けては、ロシア・ウクライナ情勢が世界経済に大きく影響いたしました。このような環境下、当社グループは、北米や欧州地域の力強い需要を捉えるべく、増産体制を維持するとともに、資材調達先や輸送路等、サプライチェーンを確保することで、安定した顧客サービスの提供に注力してまいりました。
その結果、売上高は62,506百万円(前期比20.7%増)、営業利益は6,184百万円(前期比38.7%増)、経常利益は6,415百万円(前期比41.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,563百万円(前期比94.7%増)と大幅な増収増益となり、売上高、及び経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益については過去最高を記録いたしました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。当社グループは、当社及び連結子会社の所在地別セグメント区分で事業活動を展開しております。
(日本)
国内市場においては、緊急事態宣言等、長期にわたる制約はあったものの需要環境は緩やかに回復いたしました。輸出については、北米や欧州など海外市場で需要の拡大が継続し、売上高は27,097百万円(前期比25.8%増)、営業利益は5,777百万円(前期比33.9%増)となりました。
(米州)
米国においては、政府施策によるインフラ投資拡大への期待感に加え、民間設備投資についても想定を超える需要動向で推移しました。その結果、売上高は31,333百万円(前期比30.5%増)、営業利益は2,396百万円(前期比107.0%増)と大幅な増収増益となり、売上、利益ともに過去最高を記録いたしました。
(中国)
他市場に先駆け回復基調に入った中国市場ですが、当年度においても、需要動向は引き続き堅調に推移し、売上高は8,514百万円(前期比19.9%増)、営業利益は1,168百万円(前期比12.0%増)となりました。なお、同セグメントは12月決算のため、当年度累計期間は1~12月の結果となっております。
(アジア)
アジア各国においては、経済活動の制限緩和とともに、需要環境は緩やかに回復してまいりました。その結果、売上高は3,178百万円(前期比8.3%増)、営業利益は334百万円(前期比60.9%増)となりました。
(欧州)
期初より経済活動が活発化し、需要環境が大幅に改善、売上高は5,956百万円(前期比33.5%増)と大きく増収となりました。利益面では期の経過とともに加速する資材、エネルギー価格の高騰の影響を受け430百万円の営業損失となりました。
(その他)
当セグメントは現在、豪州のみで構成されており、売上高は1,738百万円(前期比15.5%増)、営業利益は25百万円となりました。
(資産)
資産合計は72,490百万円と前連結会計年度末に対し7,422百万円増加いたしました。これは、商品及び製品の増加2,915百万円、現金及び預金の減少2,465百万円、売掛金(前連結会計年度末は受取手形及び売掛金に含めて表示)の増加1,617百万円、建物及び構築物(純額)の増加1,284百万円、建設仮勘定の増加1,006百万円等によるものです。
(負債)
負債合計は35,442百万円と前連結会計年度末に対し942百万円増加いたしました。これは、短期借入金の減少6,611百万円、長期借入金の増加2,543百万円、支払手形及び買掛金の増加2,499百万円、流動負債のその他の増加1,349百万円等によるものです。
(純資産)
純資産合計は37,047百万円と前連結会計年度末に対し6,479百万円増加いたしました。これは、利益剰余金の増加3,741百万円、為替換算調整勘定の増加2,398百万円等によるものです。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は11,269百万円となり、前連結会計年度末に比べて2,455百万円減少いたしました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは7,825百万円と前期比1,162百万円収入増となりました。これは、税金等調整前当期純利益が6,275百万円、棚卸資産の増加額が2,832百万円、減価償却費が2,647百万円となったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは△4,552百万円と前期比2,252百万円支出増となりました。これは、有形固定資産の取得による支出が4,166百万円、無形固定資産の取得による支出が357百万円となったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは△6,183百万円と前期比6,100百万円支出増となりました。これは、短期借入金の返済による支出が12,692百万円、長期借入れによる収入が6,822百万円、短期借入れによる収入が6,004百万円、長期借入金の返済による支出が4,959百万円となったこと等によるものです。
当社グループの資金需要のうち主なものは、製品製造のための材料及び部品の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。営業費用の主なものは人件費及び広告費等のマーケティング費用であります。
当社グループの研究開発費は、販売費及び一般管理費の一部として計上されておりますが、研究開発部門に携わる人件費が主要な部分を占めております。
当社グループは、運転資金及び設備投資資金については借入金及び自己資金で賄っております。また、資金需要の高い子会社については外部からの借入も利用しております。2022年3月31日現在、当社グループの短期及び長期借入金の残高は15,680百万円であります。
当社グループは、営業活動によるキャッシュ・フローを中心に財務の健全性に気を配りつつ、外部からの借入金も活用し資金需要を賄っていく予定であります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.当連結会計年度において、受注の実績が著しく増加しております。詳細につきましては、「(1) 経営成績」に記載のとおりです。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
足もとの外部環境については、欧州ほか国際情勢は不透明感が増しており、コロナ禍以降の経済活動の急回復に端を発する資材費や原材料費の高騰、グローバルでの輸送面の混乱などサプライチェーンの制約は、なおも継続すると思われます。一方で、北米や欧州市場では力強い需要が継続しており、相対的に緩やかな回復にとどまっていた日本市場では、設備投資向けの受注残高が順調に積み上がり、アジア市場でも好転の兆しが見られます。また各国政策によるインフラ整備需要が継続すると見込んでいます。当社グループでは各生産拠点の生産設備への投資を継続し、これらの需要をしっかり取り込んでまいります。
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