課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社は、「エクセレントカンパニーの構築」を目指し、顧客のニーズにあった商品を業界一流の技術で提供することにより適正利益を確保し、株主に適正な配当を行うとともに、従業員及び全事業従事者のために人間性豊かでゆとりのある業務遂行と暮らしを創造し続けながら、社会に貢献することを基本に運営しております。

 

(2)経営戦略等

 ボイラ・吸収冷温水機を核として、多様化する一次エネルギーや省エネルギー要求に対応する商品・システム開発を推進し、熱源機器メーカとして社会に貢献してまいります。機器及びシステムの一層の高効率化による競合他社との差別化・提案営業の強化や、未利用エネルギーの有効活用を行い、国内・海外市場での事業規模拡大を図るとともに、メンテナンス商品の拡充を図り、ストックビジネスでの安定した収益の拡大を図ります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社の目標とする経営指標は、投資家の期待に応える利益を稼得することを目的として、売上高経常利益率を採用しております。また、川崎重工グループとして投下資本利益率(ROIC)の向上に取り組んでおります。売上高経常利益率及びROICの最大化を目指す中で、利益の拡大と同時に、投下資本の効率化を図ることにより、財務体質も強化してまいります。

 

(4)経営環境並びに優先的に対処すべき 事業上及び財務上の課題

 新型コロナウイルス感染症拡大に伴う経済活動の停滞からの経済復興策としてグリーン・リカバリーの機運が高まり、世界的な脱炭素化に向けた動きが加速しております。わが国においても2020年10月26日の菅内閣総理大臣所信表明演説において「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」方針が宣言され、川崎重工グループが推進している「水素エネルギー社会の実現」に向けた取組みはますます重要性を増しております。

 当社を取り巻く事業環境は、これらの流れにより、熱源機器(空調機器・ボイラ)の市場環境変化が加速すると予測され、当社ビジネスにおいても脱炭素化への対応が求められます。

 このような事業環境の中、当社は、吸収冷温水機・ボイラを核とした製品・システム開発を推進し、熱源機器メーカーとして省電力・省エネ・省CO 2 等のエネルギーソリューションを積極的に展開し、市場の技術要求にお応えするとともに、脱炭素社会実現への貢献を目指しております。具体的にはCO 2 を排出しないクリーンエネルギーとして水素への注目が世界的に高まっている中、水素サプライチェーンに必要なインフラ技術の開発・製品化に取り組む川崎重工グループの一員として、当社は、川崎重工業株式会社と共同開発したドライ式低NOx水素燃焼バーナを搭載した水素専焼貫流ボイラの販売を2021年5月より開始するほか、水素利用技術の空調機器への展開を既に手掛けております。今後さらに、変化する市場ニーズを的確にとらえ、成長を加速するために、様々な一次エネルギーや省エネ要求に対応する製品・システム開発の取組みを強化する必要があると考えております。

 また、近年、空調市場・ボイラ市場の国内の総需要自体は安定的に推移しておりますが、リプレイスを中心とする成熟市場であり、脱炭素化の流れの中で今後のさらなる事業拡大を確実なものとするためにも、上述のエネルギーに対して高まる市場の様々な要請に対応する製品・システム開発を行うと共に、東南アジアを始めとする海外ビジネスの展開が必要であると考えております。

 今後は、足下では、既存事業を成長させ利益確保に努めつつ、新規事業として脱炭素化ビジネスへの注力を成長戦略と定め、新たなビジネスモデル構築に向け取り組んでまいります。

 

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