研究開発活動

 

5 【研究開発活動】

当連結会計年度における当社及び連結子会社の研究開発費の総額は、1,761百万円であり、各事業の研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。

消防車輌事業におきましては、普通自動車第一種免許で運転できる3.5t未満 CD-1型消防車の新製品として、排ガス規制に対応した新型シャシを採用した商品を開発、販売を開始しました。旧来のディーゼル車では排ガス規制に対応できず、2022年度以降販売が継続できない状況でしたが、新製品では排ガス規制に対応できるガソリン車を採用し、A-2級水ポンプの放水性能を確保した消防車輌を完成させました。

さらに、消防車輌IoTシステムにおいては、車輌の稼働実績や使用状況から抽出したデータをもとに、運用上のアドバイスをまとめた月次レポートのメール配信サービスを2021年11月から開始しました。IoTデータを具体的に活用できる仕組みとして車輌メンテナンスや消防活動をサポートできるものとして今後もバージョンアップを継続してまいります。

また、近年は物流倉庫における火災が多発しており、このような火災に対して消防隊員が安全かつ迅速に消火できる消火手法の研究開発(2021~2025年度)について消防庁消防研究センターより公募が行われ、当社は、「消火活動における消防隊員の殉職ゼロ」をテーマとした研究開発活動を背景に応募し、その結果採択いただくことになりました。物流倉庫等で火災が発生した場合、大量の可燃物が集積されたことに伴う急速な燃焼拡大や、構造的に外壁開口部が少ないことによる内部侵入の困難性、更には、密閉性が高く濃煙熱気が充満しやすいこと等から、消防活動が極めて困難な状況になります。今回の研究開発テーマへの取り組みを通じて、官民連携で消火困難とされる火災に対してより効果的な消火方法の確立を目指してまいります。

これら消防車輌事業にかかる研究開発費は、1,143百万円であります。

防災事業におきましては、パッケージ型自動消火設備「スプリネックス」の特徴である高い消火性能を維持しつつ、伝送方式を多重伝送方式にすることで電線敷設工事の大幅な省力化と受信盤の省スペース化を実現した「スマートスプリネックス」を開発し、2021年12月から販売を開始しております。受信盤には15インチモニターを採用することで表示の視認性の向上と操作性の良いタッチパネル方式を採用し、また自己診断機能を搭載することで点検時の時間短縮やシステム動作の履歴などを蓄積することが可能となりました。

これら防災事業にかかる研究開発費は、383百万円であります。

産業機械事業におきましては、廃棄物用破砕機プラントで発生する爆発事故の被害を最小限に抑える爆発抑制装置「ハイパーガード」のモデルチェンジを行い、機能強化とコストダウンを実現した新シリーズの販売を開始しました。

また、切断機においては、高効率切断機の製品シリーズ拡大を図り、600型、1250型においても、従来機比約20%のランニングコスト削減を実現した新機種を市場投入しました。これにより切断機全シリーズでの高効率化を実現しました。

これら産業機械事業にかかる研究開発費は、68百万円であります。

環境車輌事業におきましては、強力吸引車「パワフルマスター」の基本性能と利便性の改良による商品力強化を図りました。独自設計の高効率排気サイクロンの採用及び吸排気経路の最適化により作業時の吸引力を向上させ、また集塵装置の構造変更によりアイドリング時及び吸引作業時の低騒音化、さらには日々の作業で使用する操作盤についてもマルチモニターを採用し機能性向上を図りました。塵芥車(ごみ収集車)においては、臭気抑制装置「ミラクルキヨラ」の関連商品としてコロナ禍で収集作業に従事される作業員のウイルス感染を抑制するため、車載型の抗ウイルス薬液噴霧装置を花王株式会社と共同開発しました。また、塵芥車の積込作業時の安全対策におきましては、独自開発した人感エリアセンシング技術を用いた安全支援装置について、様々な使用環境下での検知精度の改良に取組み、作業員の巻き込み事故防止を図りました

これら環境車輌事業にかかる研究開発費は、166百万円であります。

当社グループは、「人と地球のいのちを守る」というスローガンを掲げ、消防車輌・防災・産業機械・環境車輌の4つの事業を展開し、災害から人々の生命、財産、そしてかけがえのない地球の自然を守る企業グループであり続けること、またそのために一層の技術革新と挑戦を続け、新たな価値を創造することが私たちの使命であると考えております。

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