研究開発活動

5【研究開発活動】

 当社では、食の安心・安全と美味しさの提供による食文化の向上と、SDGsを考慮した製品の研究開発(低GWP・省資源・省エネ)を企業の使命として取り組んでいます。スライド扉業冷庫をはじめとした当社独自製品の開発に積極的に取組み、機能的で人に優しく、衛生的で使いやすい高鮮度冷凍冷蔵機器等の研究開発を推進しています。当事業年度の主な研究開発活動は次のとおりであります。

 なお、当社は、冷凍冷蔵冷熱機器に係る事業の単一セグメントであるため、品目別に記載しております。

(1)業務用冷凍冷蔵庫の分野

①外食・中食マーケットの拡大に伴い、店舗厨房の多様化が進む中、どんな環境でも誰にも使いやすいデザインを目指して業務用で初めて両開き扉冷蔵庫で実現。全4機種への展開を行い、2021年5月販売開始しています。両開き扉を有する冷蔵庫は家庭用で存在していますが、業務用の激しい扉開閉と頻度に耐える構造を要素開発し、業務用冷蔵庫として差別化。これからの業界を切り拓く製品と位置づけ、継続して商品力を高めてまいります。

②たて型業務用冷蔵庫では3G回線を利用したデータ収集システムの開発に取り組んでいます。周囲温度や凝縮温度異常等のアラームを検知し、故障の未然防止でお客さまに安心と安全を提供する製品を、2022年1月から本格的に提供しています。食品衛生法が改正され市場からは温度管理の見える化が求められる中、冷蔵庫内温度管理のトレーサビリティ及び温度帳票出力可能としHACCPに対応。さらに運転モニターにより機器の状態を把握。迅速なサービス対応を可能とし、お客さまとの信頼関係を強化してまいります。

③恒温高湿庫では全15機種を2021年7月以降順次モデルチェンジを実施。たて型はHACCPに対応した温度帳票出力を可能とし、衛生管理面を強化しました。また、台下シリーズは業界に先駆け全機種のインバータ化を完了し、市場の省エネニーズに応える製品としています。

④急速凍結庫と蓄冷材凍結庫の2機種をモデルチェンジし、2021年8月より販売開始。急速凍結庫では製パン業界で必要とされる欧州天板16段に対応できるよう、特注でアングル仕様を準備し様々なお客様の声に応じています。また、蓄冷材凍結庫では冷却性能を最重要視し、お客さまの蓄冷材運用オペレーションに柔軟に対応しています。

 今後も国内・海外のお客さまの要望に応えるべく、省エネ性の向上と共に使い勝手に配慮した、快適な厨房と店舗環境を提供する製品の開発を進め、市場競争力を高めてまいります。

(2)ショーケースの分野

①病院・製薬会社でワクチンや試薬等の保冷に適した薬用ショーケースで、自然冷媒を使用した3機種を2022年3月以降順次発売していきます。地球環境の保全を図るため、オゾン層を破壊せず地球温暖化係数がCO₂とほぼ同等の性質をもつイソブタン冷媒とノンフロン断熱発泡剤を使用した製品を開発しました。当社では、より社会的な存在であることを意識し、持続可能な社会の実現に向けた研究開発に取り組んでいます。

②既に開発した内蔵インバータ制御多段オープンショーケースを応用し、別置型製品を2021年10月以降モデルチェンジ。当社保有の温度制御技術を活用、庫内設定温度を3~20℃とし、日配・乳製品から弁当・惣菜まで幅広い食品陳列を可能としています。また、冷凍機別置きの為、機械の排熱や騒音を気にされる店舗に適しています。

 その他にもインバータ制御による省エネ性の向上やバリエーション豊かなLED調光・調色等、当社独自の技術を展開した特注ショーケースで、陳列商品を魅力的に演出するカスタマイズを承っております。

(3)その他の分野

①製氷機においては、製氷能力55~95kgクラスの製氷機を2021年12月より販売開始しています。ロングハンドルを採用し扉の開閉性、清掃性を改善。その他にも凝縮ファンのメンテナンス性、ギアモータやストックスイッチの信頼性向上等、部品レベルでのきめ細かい設計的配慮を施し、様々な飲食店に好評をいただいています。

②電解次亜水生成装置では、2021年2月より高濃度生成スイッチ仕様を発売。新型コロナウイルスの感染拡大により、より一層の衛生管理が求められる中、従来の電解次亜水生成装置は塩素濃度200ppmまでしか対応できませんでした。新製品では厚生労働省推奨の500ppm次亜塩素酸ナトリウムと同等の電解次亜水を生成できるだけでなく、ノロウイルスを含む吐しゃ物に有効な1000ppmにも対応可能。飲食店だけでなくホテルや病院等、様々な公共施設で導入されています。

  食の安心・安全、作業効率の向上、美味しさへの追求といった幅広いお客様のニーズに応え、様々な厨房オペレーションに対応できる機器開発を推進し、市場開拓に努めてまいります。

 

(4)当事業年度の成果

 顧客ニーズに応えるべく省エネ性を追求し地球環境に配慮した製品を市場投入するとともに、一層の使い勝手の向上や省スペース化等による商品力および独自製品の強化、新規需要先の要求に合致した開発に取り組んでおります。以上の研究活動を行った結果、当事業年度の研究開発費は339百万円となりました。

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得