業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における日本及び世界経済は、国内では新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言の発令等の経済活動への制約があったものの、ワクチン接種が進む中、新規感染者が抑えられたこと等により段階的に経済の持ち直しの動きが見られました。世界においても新型コロナウイルス感染症の新規感染者が増加している地域があるものの、全体的には経済の持ち直しの動きが見られました。しかしながら、サプライチェーンの混乱による部材調達の問題、材料費の高騰等による世界的な物価の上昇や新変異株による感染の再拡大が続いており、先行き不透明な状況が続いています。

フードサービス業界の状況は、国内では、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う3回にわたる緊急事態宣言の発令による営業活動制約により市場回復は限定的となりました。海外では、米国を中心とした経済活動回復に伴い、飲食店の設備投資需要は好調に推移しましたが、世界的な材料や部品不足による調達難や、人手不足により供給制約が生じる状況の中、不確実性の高い状況が継続しました。

 

このような環境の中、当社グループは、国内では、新型コロナウイルスの感染防止に努めつつ、主力製品である製氷機・冷蔵庫等の拡販に加え、コロナ禍において中食・宅配食へのシフト等変化する市場・顧客ニーズに対応した調理機器及び衛生管理機器の拡販等に努めるとともに、飲食店以外の市場開拓にも注力いたしました。

海外では、材料費高騰、サプライチェーンの混乱、人手不足の影響を受け、製品供給面、収益面で厳しい事業環境が継続しましたが、米国を中心とした経済活動回復に伴う飲食店等の需要拡大により、主力製品の販売は堅調に推移しました。

 

イ.経営成績

当連結会計年度の業績は、売上高は2,744億19百万円(前期比15.2%増)、営業利益は249億31百万円(同35.1%増)、経常利益は311億65百万円(同78.9%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は216億79百万円(同89.5%増)となりました。

 

セグメントごとの業績は、次のとおりであります。

1.日本

日本では、飲食店向け冷蔵庫、製氷機、食器洗浄機等主力製品の拡販に加え、コロナ禍で中食・宅配食にシフトする中、テイクアウトやデリバリー事業への展開を図る顧客に対し業態転換の支援を行ってきました。また、新型コロナウイルス感染症への感染予防と健康管理の強化といった新たな需要をとらえ、電解水生成装置等の衛生管理機器拡販を行いました。また、飲食店以外の市場開拓も積極的に進めました。生産面では、世界的な材料や部品不足による調達制約が生じましたが、代替部品の調達及び代替部品の適用に必要な設計変更を迅速に行うことで、生産を維持しました。また、緊急事態宣言下の販売活動の制約等に対し、柔軟にコストコントロールを実施いたしました。その結果、売上高は1,809億49百万円(前期比6.4%増)、セグメント利益は164億80百万円(同15.0%増)となりました。

2.米州

米州では、世界的な材料や部品不足による調達難の影響を受け、好調な需要に対し、供給制約及び材料費高騰、人材リテンションコストの上昇等が発生し、収益性が悪化いたしましたが、通年では、レストラン再開に伴う需要が発生し、飲食店向け冷蔵庫、ディスペンサ、食器洗浄機等の販売が好調に推移いたしました。その結果、売上高は611億12百万円(前期比31.2%増)、セグメント利益は56億14百万円(同70.8%増)となりました。

3.欧州・アジア

欧州・アジアでは、中華圏及び欧州は経済活動回復に伴い、飲食店向けを中心に主力製品の拡販に努めました。インドについては、厳しいロックダウンの中、巣ごもり消費の増加により、Western社の主力製品であるディープフリーザーのスーパーマーケット向け等への販売が好調に推移いたしました。その結果、売上高は394億56百万円(前期比46.6%増)、セグメント利益は34億44百万円(同193.6%増)となりました。

 

ロ.財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ350億75百万円増加し、3,784億69百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末に比べ334億4百万円増加し、3,106億45百万円となりました。主な要因は、増益に伴う現金及び預金、生産増に対応した原材料及び貯蔵品の増加によるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べ16億70百万円増加し、678億23百万円となりました。主な要因は、インドの工場建設等に伴う建設仮勘定の増加によるものであります。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ149億25百万円増加し、1,186億7百万円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末に比べ141億83百万円増加し、944億48百万円となりました。主な要因は、仕入増加に伴う支払手形及び買掛金、増益に伴う未払法人税等の増加によるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べ7億42百万円増加し、241億59百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ201億50百万円増加し、2,598億62百万円となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ327億82百万円増加し、1,816億15百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、273億43百万円の収入(前期は207億34百万円の支出)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益が312億31百万円、為替差益が52億26百万円あったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、52億38百万円の収入(前期は12億29百万円の支出)となりました。主な要因は、投資有価証券の取得による支出が55億98百万円でありましたが、一方で定期預金の純減による収入が115億1百万円あったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、81億22百万円の支出(前期は82億81百万円の支出)となりました。主な要因は、配当金の支払額が79億68百万円あったことによるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

イ.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

前期比(%)

日本(百万円)

64,108

107.5

米州(百万円)

42,363

125.1

欧州・アジア(百万円)

30,420

170.1

合計(百万円)

136,893

122.9

(注)1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

ロ.商品仕入実績

当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

前期比(%)

日本(百万円)

44,552

113.4

米州(百万円)

2,299

210.7

欧州・アジア(百万円)

6,064

181.3

合計(百万円)

52,916

121.1

(注)1.金額は、仕入価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

ハ.受注実績

当社グループは、見込生産を行っているため、該当事項はありません。

 

ニ.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

前期比(%)

日本(百万円)

175,269

105.5

米州(百万円)

60,621

131.9

欧州・アジア(百万円)

38,527

146.8

合計(百万円)

274,419

115.2

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成においては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性の存在により、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ.経営成績等の分析

1.経営成績

売上高は2,744億19百万円(前期比15.2%増)となりました。セグメントごとの売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は、日本は1,809億49百万円(同6.4%増)、米州は611億12百万円(同31.2%増)、欧州・アジアは394億56百万円(同46.6%増)となりました。海外売上高は991億49百万円(同37.3%増)となり、連結売上高に占める海外売上高比率は36.1%(同5.8ポイント増)となりました。

売上原価は1,747億27百万円(前期比17.1%増)となりました。売上総利益は996億91百万円(同11.9%増)となりました。売上総利益率は36.3%(同1.0ポイント減)となりました。

販売費及び一般管理費は747億60百万円(前期比5.9%増)となりました。販売費及び一般管理費の売上高に対する比率は27.2%(同2.4ポイント減)となりました。営業利益は249億31百万円(同35.1%増)となりました。セグメント利益は日本は164億80百万円(同15.0%増)、米州は56億14百万円(同70.8%増)、欧州・アジアは34億44百万円(同193.6%増)となりました。

営業外収益は為替差益が53億73百万円あったこと等により65億9百万円(前期比195.2%増)となりました。営業外費用は2億75百万円(同91.5%減)となりました。経常利益は311億65百万円(同78.9%増)となりました。

特別利益は1億20百万円(前期比45.2%増)となりました。特別損失は54百万円(同74.7%減)となりました。税金等調整前当期純利益は312億31百万円(同80.7%増)となりました。

法人税等合計は92億29百万円(前期比62.9%増)となりました。非支配株主に帰属する当期純利益は3億22百万円(同77.5%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は216億79百万円(同89.5%増)となりました。

なお、経営成績に影響を与える要因の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 」もご覧ください。

 

2.財政状態

財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 ロ財政状態」のとおりであります。

 

3.キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」のとおりであります。

 

ロ.資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料の購入費のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。

また、事業運営上必要な資金を確保すると共に、経済環境の急激な変化に耐えうる流動性を維持することを基本方針としております。事業活動に必要な資金については、主に内部資金を活用しております。また、グループ内余剰資金を活用するためにキャッシュ・マネジメント・システムを導入し、資金効率の向上に努めております。

なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は7億57百万円、現金及び現金同等物の残高は1,816億15百万円となりました。

 

 

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得