研究開発活動

5【研究開発活動】

当社グループにおける研究開発活動は、日本では当社が行うほか株式会社ネスターが自社製品の研究開発を行っており、米州ではHOSHIZAKI AMERICA,INC.、LANCER CORPORATION等が、欧州・アジアではHoshizaki Europe B.V.、Western Refrigeration Private Limited等が行っております。当社グループにおける研究開発部門では、市場情報収集から要素開発、試作、設計、生産フォローアップまでの一貫した研究開発体制を持つことで、最終顧客の多種多様なニーズに対応しております。当連結会計年度は、新規開発及びモデルチェンジを中心とした開発活動と、収益性を向上させるためのコスト低減活動を行っております。

なお、当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は4,425百万円となっており、セグメントごとの研究開発費は、日本は3,041百万円、米州は1,023百万円、欧州・アジアは359百万円となっております。当社グループにおける研究開発部門に所属する従業員は合計461名となっており、セグメントごとの研究開発活動は次のとおりであります。

 

(1)日本

①当社

(冷蔵庫)

業冷タテ形冷蔵庫とテーブル形冷蔵庫のモデルチェンジを行い、製品化いたしました。庫内ファンモーターの制御変更、省エネ性の高い冷媒圧縮機の採用、冷媒量の見直し、消費電力の低いファンモーターへの変更、庫内冷却器の霜取り運転の制御変更など、主に省エネのための改善を実施し省エネ法に適合した製品になっております。

 

(ショーケース)

Fガス規制で認められた環境負荷の低い自然冷媒を使用した欧州向けの冷蔵ネタケースHNCシリーズ16機種を開発し、製品化いたしました。

 

(製氷機)

高級バー、ホテルのラウンジなどのカクテル等に最適な角氷を提供できる北米向けのビックアイスメーカーIM-50BAA-LMを開発し、製品化いたしました。

隙間なく外部からの汚染防止構造としたドア、薬液による全自動洗浄機能を搭載した中国・東南アジア・欧州・オーストラリア向けの小形クレセントアイスメーカーKM-40C、60C、80Cを開発し、製品化いたしました。

 

(洗浄機)

飲食店等に向けて通常、食器洗浄機を使う前工程で手作業により行われる浸漬・予備洗いを代替できる機器としてプレジェットウォッシャーPJW-680UBを開発し、製品化いたしました。浸漬・予備洗い作業を作業者から代替することで作業の効率化とスタッフの安全性確保、作業の均一化を実現いたしました。

 

(ディスペンサ)

チップアイスディスペンサのモデルチェンジを行い、製品化いたしました。氷や水の注出のための操作には静電タッチスイッチを採用し、操作部に凹凸のないフラットな形状にしました。合わせてドレンパンを着脱可能としたことで、昨今の衛生意識の高まりに対応し、清掃のしやすさの向上により、お客様にとって、使い勝手のよい製品になっております。

セルフドリンクバー等での使用を想定したアイスディスペンサHDI-80Aを開発し、製品化いたしました。1台で大量製氷・大量貯氷ができ、且つワンプッシュでのスピード定量放出が可能で、セルフドリンクバーでのご使用において氷の補充オペレーションが不要となるなど、店舗オペレーションを軽減することができます。

環境負荷の低い自然冷媒R600aを使用した欧州向けのオート生ビールディスペンサを開発し、製品化いたしました。

 

(その他)

真空包装機HPS-200B、400B3のモデルチェンジを行い、製品化いたしました。HACCPの完全義務化に伴い、飲食店等においてより高い衛生管理が求められており、本製品は食品を真空パックすることで、保管時の二次汚染を防ぐだけでなく、鮮度を保ち長期保存することができるため、計画的な仕入れや調理ができ、食材ロスの軽減や作業効率アップにもつながる使い勝手のよい製品になっております。

次亜塩素酸水生成装置VOX-40TA-1のモデルチェンジを行い、製品化いたしました。様々なシチュエーションでご利用いただける除菌効果のある次亜塩素酸水を簡単に注出できるようにし、ボタンひとつで有効塩素濃度の異なる次亜塩素酸水を選択して注出できる製品になっております。

次亜塩素酸水 自動販売機VOX-20DVAを開発し、製品化いたしました。社会の衛生意識の高まりを受けて、除菌効果のある作りたての次亜塩素酸水を専用ボトルで持ち帰りしていただける自動販売機で、遮光性がある専用ボトルに注出していただくことで、注出後72時間は拭き掃除に有効な塩素濃度80ppm以上の次亜塩素酸水を保存することが可能となっております。

包丁マナ板UV殺菌庫を開発し、製品化いたしました。HACCPの完全義務化に伴い、飲食店等においては使用後の調理器具類は使用目的により殺菌を行い、乾燥させてから保管する等、より高い衛生管理が求められるため、本製品では調理器具類の包丁とマナ板に対して、温風乾燥とUV殺菌により交差汚染リスクを低減し、理想の保管を実現いたします。

クラウドを利用した温度管理システム スマートバンドクラウドを開発し、製品化いたしました。HACCPの完全義務化に伴い、飲食チェーンなどでは本部で一括して複数の店舗での機器の温度や運転状態を把握できる管理システムへの要望が高まっており、本製品の導入によって複数拠点の温度などのデータをクラウド上で管理し、いつでもどこでも機器の状態をデータ閲覧可能となり、HACCPに沿った衛生管理をより便利かつ効率的に行うことができるようにいたしました。

 

(2)米州

①HOSHIZAKI AMERICA,INC.

環境配慮型冷蔵庫(Steel Heart Series)のラインナップを4機種追加いたしました。また、氷に対する顧客の多様なニーズに対応するため、タッチレス製氷機、ビッグアイスメーカーを開発・製品化いたしました。なお、ビッグアイスメーカーは、全米レストラン協会主催のKitchen Innovations(R)賞を受賞しました。

②LANCER CORPORATION

省スペース設計かつ、デジタルタッチスクリーン、IoT接続を備えたディスペンサを開発・製品化いたしました。32インチのデジタルマーチャンダイザーを搭載し、高解像度の鮮明なディスプレイでプロモーションを前面に表示することができます。また、Lancer Link(TM) IoTとの連携により、リアルタイムの飲料ディスペンサデータの収集・管理も可能になっております。

 

(3)欧州・アジア

①Hoshizaki Europe B.V.

業務用冷蔵庫・冷凍庫の新モデル「Snowflake GⅡ」を開発し、製品化いたしました。本製品は当社従来品に比べ、消費電力を1ドア冷蔵庫で約42%、2ドア冷蔵庫で約36%低減しており、ユーザーと環境に優しい製品として進化しております。

②星崎電機(蘇州)有限公司

中国において高まる食品安全・衛生への要求に対応するため、自動洗浄機能付きの製氷機を製品化いたしました。氷の状態を良好に保つための水経路の薬液洗浄工程(洗浄、すすぎ)を自動で行うことが可能となります。

③Western Refrigeration Private Limited

ショーケースのモデルチェンジを行いました。自然冷媒を採用するとともに、消費電力を従来モデルから約8.8%低減した環境配慮型の製品となっております。

インド政府が推進する予防接種プログラムに対応したワクチンフリーザーを開発・製品化いたしました。摂氏マイナス15度~マイナス25度の冷凍機能を備えており、モデルナ製ワクチン等の保管が可能です。また、自然冷媒を採用した環境配慮型製品となっており、WHOの定める医療機材品質認証(PQS)を取得しております。

 

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