課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営理念と経営の基本方針

 当社グループは、当社の成長、そして地球環境・社会の持続可能な成長の実現に向けた取り組みを両立してより一層強力に推進していくために「より良き品を、より早く、より多く、より安く、より賢くつくることで持続可能かつ地球にやさしく豊かな社会の実現に貢献する」という経営理念を基盤として、以下3つの経営基本方針を掲げております。

 ① 社是「五つの心得」に基づく透明度の高い経営

(一)従業員が誇りを持てる会社でなければならない

(二)お客様の信頼を得なければならない

(三)株主の皆様のご期待に応えなければならない

(四)地域社会に歓迎されなければならない

(五)国際社会の発展に貢献しなければならない

 

 この社是の下、当社グループは、株主の皆様・取引先・地域社会・国際社会・従業員をはじめとしたさまざまなステークホルダーに対して社会的な責任を果たすとともに、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。

 また、当社グループは、「高付加価値製品の開発」「製品の品質の高度化」に積極的に取り組み、グループの総合力を発揮できる分野に経営資源を集中するとともに、「財務体質の強化」を中心とした企業運営の強化と社内外に対してわかりやすい「透明度の高い経営」の実践を心がけております。

 

 ② 常識を超えた「違い」による新しい価値の創造

 社会へ新しい価値を提案していくことが、これからのものづくりに求められます。2017年に、当社は「Passion to Create Value through Difference」というスローガンを定め、今後も常識を超えた「違い」で新しい価値をつくり、他社にはない強みを発揮してまいります。

 

 ③ ものづくりに真摯に取り組む姿勢

 グループ全社にて、ものづくりに対する姿勢、考え方、やり方のベストプラクティスを追求し、共有していくことが何よりも重要です。当社グループがこれまで徹底してきた「真摯なものづくり」を追求してまいります。

 

(2) 基本戦略

 当社グループは、企業成長と持続可能性の具体的方針である上記経営基本方針に基づき、「経営の本質はサステナビリティ」を信念とし、継続的な成長と持続可能性を追求し、利益の最大化とリスクマネジメントに努めています。そしてこの信念をもとに、「選択と集中」ではなく、8本槍戦略を軸とした多角的な事業ポートフォリオの構築とリスク分散体制の強化を進めています。

 具体的には、当社グループが保有する機械加工製品技術、電子機器製品技術、ユーシンの車載技術、ミツミ・エイブリックの半導体技術との融合により、次世代に向けた新製品開発、複合製品事業の拡大を進めます。加えて、製造、営業、技術及び開発の領域を越えた総合力の発揮により、「顧客要求対応力」と「価格対応力」の強化に努めます。さらに、地域的なリスク検討を行いながら、大規模な海外量産工場の展開とグローバルな研究開発体制を整備するとともに、M&A、アライアンスを通じて、収益力の向上、企業価値の拡大を積極的に進め、2029年3月期売上高2.5兆円、営業利益2,500億円を目指してまいります。これらを推し進め、当社グループの持続的成長をはかるため、知的資本・人的資本・製造資本等の「非財務資本」と「財務資本」の融合により、コア事業の強化と多角化を進めるとともに、それらを相合(そうごう=相い合わせる)することで新たな価値を創造してまいります。各経営戦略の概要は以下のとおりです。

 

① 「コア事業の強化」

 当社グループは、全製品の強みの源泉である「超精密機械加工技術」と「垂直統合生産システム」「グローバルネットワーク」をさらに強化することで、ベアリング、モーターをはじめとする主力事業において圧倒的なシェアを獲得し、収益力の向上を進めてまいります。

 

② 「多角化でニッチ(8本槍)」

 当社は、ベアリング産業において外径22mm以下のミニチュア小径ベアリングというニッチ分野に、他社に先がけて特化することで高いマーケットシェアと収益力を構築してきました。また、市場規模、永続性の観点からこれまでさまざまな事業の多角化を行い、事業の中核である8本槍製品(ベアリング、モーター、アナログ半導体、アクセス製品、センサー、コネクタ・スイッチ、電源、無線・通信・ソフトウエア)を進化させてまいりました。特にアナログ半導体においては、エイブリックとの経営統合により成長の土台が完成し、8本槍を中心とする各事業との相合活動の質をさらに高めていく方針です。今後も特定領域(ニッチ)での高いシェアを獲得し、持続的な成長をはかってまいります。

 

③ 「相合によるシナジー創出」

 当社コア技術である「超精密機械加工技術」「大量生産技術」「センサー技術(荷重・圧力など)」「光学技術」「MEMS技術」「高周波技術」「電気回路技術」「半導体設計技術」「機構設計技術」「システム設計技術」を融合し、8本槍製品を進化させるとともに、その進化した製品を相合することで、自動車、航空機、ロボティックス、介護・医療、インダストリー、情報通信、インフラ、住宅設備といった分野でのシナジーを創出し、新たな価値をお客様へ提供してまいります。

 

0102010_001.png

 

 また、当社グループは、脱炭素社会の実現やSDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けて、環境・社会・ガバナンス(ESG)に関する取り組みを強化して、サステナブルに成長していくことができるよう、果敢に経営リソースを投入していく方針です。

 

 世界中で気候変動への取り組みが喫緊の課題となるなかで、当社グループは2051年の当社100周年に向けた基礎固めとして、製造業の競争力の源泉であるQCDS(品質・価格・納期・サービス)に、Eco(環境)・Efficiency(効率)、そしてSpeed(スピード)を加えた「QCDESS」を新たな経営戦略の中心としました。

0102010_002.png

 

 ボールベアリング、モーター、センサー、アナログ半導体など当社製品の大半が省エネルギー化、省スペース化に対応する環境貢献型製品であります。当社グループは、自社のCO 排出量の削減努力に加え、当社の部品をご使用いただいている世界のお客様のCO 排出量を削減することで、世界全体のCO 排出量削減に貢献しております。そして、この取り組みを「MMIビヨンド ゼロ」と定義し、削減貢献量をさらに拡大することで、2030年、そして2050年の持続可能な地球環境の実現に貢献してまいります。

 

0102010_003.png

 

0102010_004.png

 

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得