業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績

 当社は2019年度を起点に、創立100周年を迎える2023年度を最終年度とする5ヵ年中期経営計画「令和.

Prosperity2023」をスタートさせ、成長分野であるパワエレ事業、パワー半導体事業へのリソース傾注や海外事業拡大等の成長戦略を推進しています。

 当連結会計年度における当社を取り巻く市場環境は、脱炭素化に向けた世界各国の取り組みや経済活動の回復の動きにより、製造業の設備投資の持ち直しが継続し、工作機械関連の需要が高水準で推移するとともに、自動車の電動化や省エネニーズの高まりを受け、需要が大幅に拡大しました。その一方で、新型コロナウイルス感染症や国際的政治情勢の変化による素材価格の高騰や資材不足等、世界のサプライチェーンに影響が拡がり、先行きが不透明な状況が継続しました。

 

 当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ3.9%増収の9,102億26百万円となりました。部門別には、「パワエレ エネルギー」、「半導体」、「食品流通」は前連結会計年度を上回りましたが、「パワエレ インダストリー」、「発電プラント」は前連結会計年度を下回りました。国内売上高は、前連結会計年度に比べ0.3%増収の6,558億21百万円となりました。また、海外売上高は、前連結会計年度に比べ14.6%増収の2,544億4百万円となりました。なお、売上高に対する海外売上高の比率は、前連結会計年度に比べ2.6ポイント増加して27.9%となりました。

 売上原価は、前連結会計年度に比べ0.5%増加し6,577億89百万円となりました。売上高に対する売上原価の比率は、前連結会計年度に比べ2.4ポイント減少して72.3%となりました。

 販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ2.9%増加し1,776億1百万円となりました。売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は、前連結会計年度に比べ0.2ポイント減少して19.5%となりました。

 営業利益は、素材価格高騰の影響を受けたものの、物量の増加に加え、製品販売価格の値上げや工場の体質強化を中心とした原価低減の推進等により、前連結会計年度に比べ262億40百万円増加し、748億35百万円となりました。売上高に対する営業利益の比率は、前連結会計年度に比べ2.7ポイント増加して8.2%となっております。

 営業外収益(費用)は、前連結会計年度の18億5百万円の収益(純額)から、44億62百万円の収益(純額)となり、前連結会計年度に比べ26億57百万円の収益(純額)の増加となりました。これは、前連結会計年度において3億79百万円であった為替差損が当連結会計年度は12億88百万円の差益に転じたこと、関係会社投資損失引当金繰入額が4億42百万円減少したことなどによるものであります。

 これらの結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ288億96百万円増加し、792億97百万円となりました。

 特別利益は、固定資産売却益及び投資有価証券売却益を計上し、105億38百万円となりました。なお、主に投資有価証券売却益の計上額が減少したことにより、前連結会計年度に比べ306億7百万円減少しております。

 特別損失は、固定資産処分損及び投資有価証券評価損、生産拠点統合費用、事業撤退損を計上し、13億49百万円となりました。なお、前連結会計年度に製品不具合対策費及び減損損失を計上していたことなどにより、前連結会計年度に比べ269億13百万円の減少となりました。

 以上により、税金等調整前当期純利益は884億87百万円となり、前連結会計年度に比べ252億3百万円の増加となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税、住民税及び事業税等の税金費用239億31百万円を税金等調整前当期純利益から控除し、更に、非支配株主に帰属する当期純利益58億94百万円を控除した結果、586億60百万円となり、前連結会計年度に比べ167億34百万円の増加となりました。

 

 

 セグメント別の内容は、次のとおりであります。

■パワエレ エネルギー部門

 売上高:2,405億59百万円(前期比 15.0%増加) 営業損益:213億65百万円(前期比 73億47百万円増加)

 器具分野及び施設・電源システム分野の需要拡大を主因に、売上高、営業損益ともに前期を上回りました。

・エネルギーマネジメント分野は、前期の産業及び鉄道向け変電機器の大口案件影響等により、売上高、営業損益ともに前期を下回りました。

・施設・電源システム分野は、データセンター及び半導体メーカ向け案件の需要が拡大し、売上高、営業損益ともに前期を上回りました。

・器具分野は、工作機械をはじめとする国内外の機械セットメーカの需要が大幅に拡大し、売上高、営業損益ともに前期を上回りました。

 なお、当連結会計年度の受注高は1,375億円(富士電機㈱のパワエレ エネルギー部門単独ベース)となっております。

 

■パワエレ インダストリー部門

 売上高:3,143億10百万円(前期比 9.1%減少) 営業損益:236億76百万円(前期比 18億95百万円増加)

 オートメーション分野を中心に需要拡大があったものの、ITソリューション分野の大口案件影響等により、売上高は前期を下回りました。一方、営業損益は、ITソリューション分野の減益を、オートメーション分野を中心とした物量拡大、部材調達難に対する設計変更による代替部材対応及び原価低減活動の推進等により挽回し、前期を上回りました。

・オートメーション分野は、低圧インバータ及びFAコンポーネントを中心に需要が拡大し、売上高、営業損益ともに前期を上回りました。

・社会ソリューション分野は、鉄道車両用電機品の大口案件が増加したものの、船舶用排ガス浄化システムの案件が減少し、売上高は前期を下回りましたが、案件差等により、営業損益は前期を上回りました。

・設備工事分野は、電気設備工事及び空調設備工事の需要が増加し、売上高、営業損益ともに前期を上回りました。

・ITソリューション分野は、前期の文教分野及び公共分野の大口案件影響等により、売上高、営業損益ともに前期を下回りました。

 なお、当連結会計年度の受注高は1,666億円(富士電機㈱のパワエレ インダストリー部門単独ベース)となっております。

 

■半導体部門

 売上高:1,788億7百万円(前期比13.5%増加) 営業損益:271億36百万円(前期比 94億84百万円増加)

・半導体分野は、ディスク媒体事業からの撤退影響があったものの、電気自動車(xEV)向け及び産業分野向けのパワー半導体の需要拡大に対応した生産能力増強の前倒しにより、売上高は前期を上回りました。その結果、パワー半導体の生産能力増強及び研究開発に係る費用は増加したものの、高操業維持による物量の大幅な増加を実現し、営業損益も前期を上回りました。

 なお、当連結会計年度の受注高は1,519億円(富士電機㈱の半導体部門単独ベース)となっております。

 

■発電プラント部門

 売上高:785億63百万円(前期比 2.2%減少) 営業損益:31億24百万円(前期比 6億7百万円増加)

・発電プラント分野は、前期の再生可能エネルギーの大口案件影響により、売上高は前期を下回りましたが、案件差及び原価低減の推進等により、営業損益は前期を上回りました。

 なお、当連結会計年度の受注高は818億円(富士電機㈱の発電プラント部門単独ベース)となっております。

 

 

■食品流通部門

 売上高:907億83百万円(前期比 18.6%増加) 営業損益:30億7百万円(前期比 82億87百万円増加)

・自販機分野は、国内外の需要が拡大し、売上高は前期を上回りました。また、売上高の増加及び固定費削減等により、営業損益も前期を上回りました。

・店舗流通分野は、コンビニエンスストア向け店舗設備機器等の需要拡大により、売上高、営業損益ともに前期を上回りました。

 なお、当連結会計年度の受注高は843億円(富士電機㈱の食品流通部門単独ベース)となっております。

 

■その他部門

 売上高:547億10百万円(前期比 3.8%増加) 営業損益:28億37百万円(前期比 6億21百万円増加)

 

 

(注)・第1四半期連結会計期間より、従来「電子デバイス」としていた報告セグメントの名称を「半導体」に変更しております。

・第2四半期連結会計期間より、従来「パワエレシステム エネルギー」及び「パワエレシステム インダストリー」としていた報告セグメントの名称を「パワエレ エネルギー」及び「パワエレ インダストリー」に変更しております。

 

 

 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

① 生産実績

 富士電機の生産品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではないため、セグメントごとに生産規模を金額又は数量で示すことはしておりません。

② 受注実績

 富士電機の生産・販売品目も広範囲かつ多種多様にわたっており、受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに受注規模を金額又は数量で示すことはしておりません。このため受注実績については、「(1) 経営成績」におけるセグメント別の内容に関連付けて示しております。

③ 販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前連結会計年度比(%)

パワエレ エネルギー

240,559

115.0

パワエレ インダストリー

314,310

90.9

半導体

178,807

113.5

発電プラント

78,563

97.8

食品流通

90,783

118.6

その他

54,710

103.8

消去

△47,507

-

合計

910,226

103.9

 

 

 

(2)財政状態

 当連結会計年度末の総資産額は1兆1,171億12百万円となり、前連結会計年度末に比べ651億60百万円増加しました。

 流動資産は6,819億81百万円となり、前連結会計年度末に比べ527億74百万円増加しました。これは、前連結会計年度末に比べ現金及び預金が164億20百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が376億97百万円、それぞれ増加したことなどによるものであります。

 固定資産は4,350億58百万円となり、前連結会計年度末に比べ124億6百万円増加しました。このうち、有形固定資産と無形固定資産の合計は2,561億80百万円となり、前連結会計年度末に比べ229億96百万円増加しました。また、投資その他の資産は1,788億78百万円となり、前連結会計年度末に比べ105億90百万円減少しました。これは、前連結会計年度末に比べ投資有価証券が、売却を主因として、99億66百万円減少したことなどによるものであります。

 当連結会計年度末の負債合計は5,933億82百万円となり、前連結会計年度末に比べ26億84百万円増加しました。

 流動負債は3,869億69百万円となり、前連結会計年度末に比べ305億53百万円増加しました。これは、前連結会計年度末に比べ製品保証引当金が84億18百万円減少した一方で、短期借入金が232億40百万円増加したことなどによるものであります。

 固定負債は2,064億13百万円となり、前連結会計年度末に比べ278億68百万円減少しました。これは、前連結会計年度末に比べ長期借入金が304億10百万円減少したことを主因とするものであります。

 なお、当連結会計年度末の有利子負債残高は2,083億91百万円となり、前連結会計年度末に比べ78億14百万円減少しました。また、同残高の総資産に対する比率は18.7%となり、前連結会計年度末に比べ1.9ポイント減少しました。

 

 当連結会計年度末の純資産合計は5,237億29百万円となり、前連結会計年度末に比べ624億75百万円増加しました。これは、前連結会計年度末に比べ利益剰余金が475億13百万円、為替換算調整勘定が126億29百万円、それぞれ増加したことなどによるものであります。これらの結果、自己資本比率は42.3%となり、前連結会計年度末に比べ2.7ポイント増加しました。

 

 セグメント別の内容は、次のとおりであります。

■パワエレ エネルギー部門

 当連結会計年度末のセグメント資産は2,182億89百万円となり、受取手形、売掛金及び契約資産の増加を主因として、前連結会計年度末に比べ152億41百万円増加しました。

 

■パワエレ インダストリー部門

 当連結会計年度末のセグメント資産は3,046億36百万円となり、受取手形、売掛金及び契約資産の減少を主因として、前連結会計年度末に比べ32億28百万円減少しました。

 

■半導体部門

 当連結会計年度末のセグメント資産は2,671億72百万円となり、有形固定資産の増加を主因として、前連結会計年度末に比べ515億48百万円増加しました。

 

■発電プラント部門

 当連結会計年度末のセグメント資産は794億90百万円となり、受取手形、売掛金及び契約資産の増加を主因として、前連結会計年度末に比べ124億38百万円増加しました。

 

■食品流通部門

 当連結会計年度末のセグメント資産は750億47百万円となり、棚卸資産及び投資有価証券の減少を主因として、前連結会計年度末に比べ73億64百万円減少しました。

 

■その他部門

 当連結会計年度末のセグメント資産は350億32百万円となり、前連結会計年度末に比べ23億57百万円減少しました。

 

(3)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における連結ベースのフリー・キャッシュ・フロー(「営業活動によるキャッシュ・フロー」+「投資活動によるキャッシュ・フロー」)は、544億58百万円の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の増加(前連結会計年度は504億8百万円の増加)となり、前連結会計年度に対しては、40億50百万円の資金流入額の増加となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において営業活動による資金の増加は768億9百万円(前連結会計年度は269億31百万円の増加)となりました。これは、棚卸資産が増加し、仕入債務が減少した一方で、税金等調整前当期純利益の計上並びに契約負債が増加したことなどによるものであります。
 前連結会計年度に対しては、498億78百万円の資金流入額の増加となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において投資活動による資金の減少は223億50百万円(前連結会計年度は234億77百万円の増加)となりました。これは、投資有価証券を売却した一方で、有形固定資産を取得したことなどによるものであります。
 前連結会計年度に対しては、458億27百万円の資金流出額の増加となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において財務活動による資金の減少は428億94百万円(前連結会計年度は395億20百万円の減少)となりました。これは、主として、リース債務の返済並びに配当金の支払によるものであります。
 前連結会計年度に対しては、33億74百万円の資金流出額の増加となりました。

 当連結会計年度における資本の財源は営業活動によるキャッシュ・フローであり、その主な内訳は、税金等調整前当期純利益884億87百万円、減価償却費399億69百万円、契約負債の増加によるもの93億39百万円、法人税等の支払額△251億29百万円、投資有価証券売却損益△103億59百万円、製品保証引当金の減少によるもの△87億11百万円、棚卸資産の増加によるもの△57億7百万円、仕入債務の減少によるもの△26億23百万円、などとなっております。
 なお、当社グループは事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、設備投資に係る資金については、基本的に、社債、長期借入金及びファイナンス・リースに係るリース債務により調達することとしております。

 これらの結果、当連結会計年度末における連結ベースの資金は、前連結会計年度末に比べ160億17百万円(21.3%)増加し、913億50百万円となりました。

 

(4)経営上の目標の達成状況(連結)

 当社は、創立100周年となる2023年度を最終年度とした5ヵ年中期経営計画「令和.Prosperity2023」を策定し、「持続的成長企業としての基盤確立」を基本方針に掲げ、「成長戦略の推進」及び「収益力の更なる強化」、「経営基盤の継続的な強化」に取り組むこととし、経営目標(連結)として、売上高1兆円、営業利益800億円、営業利益率8.0%、親会社株主に帰属する当期純利益550億円を掲げました。

 2021年度連結実績においては、中期経営計画で掲げた2023年度の売上高、利益に係る目標値に対して、次の通りとなっております。

 

 

2023年度

中期経営計画

2021年度

実績

増減

売上高

10,000億円

9,102億円

△898億円

営業利益

800億円

748億円

△52億円

営業利益率

8.0%

8.2%

+0.2pt

親会社株主に

帰属する当期純利益

550億円

587億円

+37億円

 

 

(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表を作成するにあたり、当社グループが採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しているとおりであります。連結財務諸表の作成には、資産、負債、収益及び費用の額に影響を与える見積り及び仮定を必要とします。これらの見積り及び仮定は、過去の実績や当連結会計年度末時点で入手可能な情報を総合的に勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果は異なることがあります。

 当社が連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであると考えております。

 なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関する見積り及び仮定については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しているとおりであります。

 

①履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該進捗度に基づき一定の期間にわたり認識する収益について

 当社グループは、個別受注生産による製品の販売及び工事契約による請負、役務の提供(以下、工事契約等)については、履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該進捗度に基づき一定の期間にわたり収益を認識する方法(履行義務の充足に係る進捗度の見積りはコストに基づくインプット法)を適用しております。履行義務の充足に係る進捗度は案件の原価総額の見積りに対する連結会計年度末までの発生原価の割合に基づき算定しております。当該見積りについて将来の事業環境の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する収益及び費用の金額に影響を与える可能性があります。

 

②固定資産(のれんを含む)の減損判定

 当社グループは、保有する固定資産(のれんを含む)について減損の兆候がある場合は、当該資産又は資産グループについて減損損失を認識するかどうかの判定を行い、減損が必要と判定された場合は帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損損失を認識するかどうかの判定及び減損損失の測定に用いられる当該資産又は資産グループから得られる将来キャッシュ・フローの見積り及び仮定等について将来の事業環境の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において減損損失が発生する可能性があります。

 

③投資有価証券の減損判定

 当社グループは、上場株式は相場価格を用いて時価を算定しております。期末における当該時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合は減損処理を行い、30~50%程度下落した場合には、回復可能性を考慮して減損処理を行っております。また、非上場株式等の市場価格のない株式等については、財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した場合は、回復可能性を考慮して減損処理を行っております。将来の市況悪化又は投資先の業績不振等、現在の見積り及び仮定に反映されていない事象が発生した場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において評価損が発生する可能性があります。

 

④繰延税金資産の回収可能性

 当社グループは、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断したうえで繰延税金資産を認識しております。将来の課税所得の見積りについて、将来の事業環境の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に影響を与える可能性があります。

 

⑤退職給付債務の算定

 当社グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の退職給付債務は、数理計算上の仮定を用いて算定しており、当該数理計算上の仮定には、割引率、退職率、昇給率等の様々な計算基礎があります。当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表における退職給付に係る資産、退職給付に係る負債及び退職給付に係る調整累計額の金額に影響を与える可能性があります。

 

 なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係)(9)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載しているとおりであります。

 

 

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