課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営の基本方針

 当社グループは、利益を伴った成長により財務体質の強化と株主への安定配当を同時に達成し、成長し続けるシンフォニアグループを実現することを基本方針としております。株主、顧客、取引先、従業員及び、社会全てのステークホルダーに満足いただくために、経済環境が変化しても安定収益を確保して成長し続けることで、更なる企業価値の向上に努めてまいります。

 

(2)経営環境

 2022年度の当社グループの経営環境は、半導体の旺盛な需要は継続するものの、材料価格の高騰、電子部品等の供給制約、中国における新型コロナウイルス感染拡大防止のためのロックダウン等による調達・生産へのリスクに加え、ロシア・ウクライナ問題の影響長期化による不確実性の高まりが懸念されます。

 セグメント別の状況は以下のとおりです。

 

[モーション機器事業]

 中国向けを中心に、FA分野での設備投資の需要に一服感が出てくると想定しております。今後の取組としては、航空宇宙事業においては、航空・宇宙機器産業の電動化に向けた装備品開発を継続してまいります。モーションコントロール機器事業においては、安定的な生産体制を確保するため、生産設備の導入や生産効率の改善を進めてまいります。

 

[パワーエレクトロニクス機器事業]

 クリーン搬送機器事業においては、半導体製造設備への投資が継続することから、堅調に推移すると予想しております。今後の取組としては、クリーン搬送機器事業において、需要拡大に対応するため、国内及びタイ現地法人での生産能力増強やサプライチェーンの多様化による部材確保等を進めてまいります。

 

[サポート&エンジニアリング事業]

 国内外における搬送設備工事の需要は依然として堅調であります。今後の取組としては、半導体製造工場の搬送設備工事の需要拡大や、国内の民間設備工事の営業エリア拡大に対応するため、要員の確保等の施策を進めてまいります。

(3)中長期的な経営戦略

 当社グループは、2022年度を初年度とする3ヵ年のグループ中期経営計画を策定し、取組を進めております。

 

〔中期経営計画の概要〕

 継続的な成長を実現するため、新商品の開発、新事業の育成に重点的に取り組むことで、製品ポートフォリオを変革し、新たなステージでの安定した企業成長と社会のサステナブルな発展への貢献を目指します。

 

Ⅰ.計画の名称 『SINFONIA NEW STAGE 2024』

 

Ⅱ.中期経営計画基本方針

 2022-2024年は、技術開発力の強化と新商品・新事業の創出活動を最重要テーマとして、半導体関連分野に注力し、同分野の売上構成比率を上昇させ、成長ドライバーとしての位置づけを着実なものとします。

 また、物流・再生医療・脱炭素に関連する新製品の開発にも積極的に取り組むことで、製品ポートフォリオの変革を図ってまいります。

 

①技術開発力強化による製品構成の改革

 モータードライブ・パワーエレクトロニクス・システム制御技術の領域の拡大を進めてまいります。特に半導体搬送、物流搬送ロボットシステム、エネルギーマネジメントに関連する分野については、産学連携・M&Aなども積極的に活用し、製品ポートフォリオの変革に繋げてまいります。

②脱炭素・環境負荷低減への取組

 社会及び当社グループのサステナブルな発展に向け、温室効果ガス排出量削減に努めるとともに、お客様の温室効果ガス排出量削減に繋がる製品へのシフトを進めます。

③グローバル事業拡大

 グローバルに跨るお客様への迅速な対応の実現に向け、アジア・北米地域の現地法人の機能強化を進めることで、グローバルビジネスの拡大を図ってまいります。

④製品競争力・生産力の強化

 製品競争力・生産力の強化に向け、製品のデジタル化及び生産の自動化を積極的に進め、収益力の向上を図ってまいります。

⑤組織・文化の改革

 サステナブルな企業文化の構築に向けて、中長期的な成長を視野に、人材教育・評価制度の充実、事業環境に柔軟に対応できる組織改革を通して、チャレンジできる人・チャレンジする人を支える企業への変革を図ってまいります。

 

Ⅲ.中期経営計画目標

①数値目標

 

2021年度実績

 

2024年度目標

売  上  高

946億円

 

1,100億円

営 業 利 益 率

7.9%

 

9.0%以上

R  O  E

10.6%

 

10.0%以上

ROE=親会社株主に帰属する当期純利益/純資産(期首・期末平均)

 

②株主還元に関する基本方針

 製品ポートフォリオの変革、生産力の強化のための成長投資、財務の健全性及び安定的な株主還元を目指して、配当性向25%以上を基本方針といたします。

 

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 2022年度の当社グループの経営環境は、半導体の旺盛な需要は継続するものの、材料価格の高騰、電子部品等の供給制約、中国における新型コロナウイルス感染拡大防止のためのロックダウン等による調達・生産へのリスクに加え、ロシア・ウクライナ問題の影響長期化による不確実性の高まりが懸念されます。

 このような経営環境の下で当社グループといたしましては、主力事業の一つであるクリーン搬送機器について、海外現地法人を含めて人員の増強を進め、生産体制・生産能力をさらに増強するとともに、一層の受注拡大に取り組んでまいります。また、本年4月には、半導体関連の新製品・事業創出等に特化した部署を設置いたしました。既存事業に加え、新たな事業を発掘することにより、引き続き好調な半導体分野でのさらなる事業拡大を推進してまいります。

 利益の拡大に向けては、部材の安定的な調達に努めるとともに、自動化設備の導入等により生産効率の向上を図り、また、材料価格などコストが上昇していることから、継続して販売価格の改善に取り組んでまいります。

 開発面においては、脱炭素、デジタル化や物流など次世代に向けたテーマへ積極的に経営資源を投下し、新たに事業の中核となる製品の創出に取り組んでまいります。

 なお、当社グループは、2022年度を初年度とする3ヵ年のグループ中期経営計画「SINFONIA NEW STAGE 2024」を策定し、取組を進めております。今後さらに成長し続ける企業グループとして株主の皆様、顧客の皆様から評価していただけるよう、引き続きグループの総力を結集し、努力を重ねてまいる所存でございます。

 

 

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