本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、以下の項目については、当社が営む事業の性質上、本質的には発生可能性が高く、発生した場合には影響が重大となる可能性のある項目ですが、これらのリスクに対してはリスクマネジメントシステムを構築し、リスクの性質を評価し、各リスクに対して各種対策が整備され有効に機能し、運用されていることを確認し、その発生可能性を一定程度低い水準まで抑えられていると考えております。なお、発生の時期及び当該リスクが顕在化した場合に当社の経営成績等の状況に与える定量的な影響の程度につきましては、合理的に見積もることが困難であるため具体的には記載しておりません。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)経済状況の変動に関するリスク
当社の経営成績は、一般的に国内の経済情勢に影響されます。将来的に景気が停滞し、企業が人材の採用を抑制する場合には、求人の減少に伴い有効求人倍率が低下する可能性が考えられます。新型コロナウイルス感染症拡大の影響による緊急事態宣言下(2020年4月発令)では専門組織、一般企業ともに採用活動の中断、延期などが発生し、その後も採用の厳格化が発生いたしました。当社は、管理部門に特化した専門性の高い求職者を多く抱えることから、他の人材紹介会社と比較すると、その影響は緩やかではありますが、当社の想定を超えた経済状況の変化が生じた場合には、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また現時点においては、求職者及び求人双方の需要変動に合わせたマッチングが可能な体制の構築を通じた決定率の改善を実現したことにより、紹介実績は前年同期比増加しております。同リスクの対策として、既存の事業の枠に捉われず、新たなビジネスを創出・推進することで経済状況が変動した場合であっても新たなビジネスチャンスを捉えることができるよう、努めて参ります。
(2)特定事業への依存によるリスク
当社は、管理部門特化型人材紹介事業を行っておりますが、売上高に関して特定の紹介先に対する依存度は低いものの、売上高のうち9割以上を人材紹介事業に依存しており(2022年3月31日時点)、その他附帯事業であるメディア事業の売上高が前年同期比で大幅に増加しておりますが、現時点では代替となる収益基盤を構築するに至っておりません。従いまして、人材紹介業界に関わる需要や状況、同業他社との価格競争等が予測し得る水準を超えた場合に、当社の経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。同リスクの対策として、上述いたしました経済状況の変動に関するリスクの対応策と同様、当社の既存の事業の枠に捉われず、新たなビジネスを推進・創出することで、人材紹介業界の環境が変化した場合であっても、会社全体で安定した収益を上げることができるよう、努めて参ります。
(3)主たる事業の法規制等に関するリスク
当社の主たる事業であります人材紹介事業は、職業安定法に基づき、有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可を必要とします。当社は、継続して2021年6月1日から2026年5月31日の間での許可を受けており、適宜更新をしております。従いまして、当該事業の運営に関して、現在は同許可の継続に支障をきたす要因は発生しておりませんが、将来的に職業安定法第32条の9に定められた欠格事項等が判明した場合には、許可の取り消し、業務停止命令または業務改善命令の対象となるおそれがあり、それが当社の事業運営に大きな支障をきたす結果、経営成績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。同リスクの対策としては、リスクマネジメントシステムの中で把握されたリスクに対してコンプライアンス委員会において、そのリスクの性質と対応策の実行を策定し、運用を徹底することでリスクが低減された状態が維持されるよう、引き続き努めて参ります。
(4)個人情報管理に関するリスク
当社では、求職者、取引先、従業員等に関する多くの個人情報を保有しており、2005年4月1日より施行された個人情報の保護に関する法律が定める個人情報取扱事業者に該当し、同法の適用を受けます。そのため、当社は2002年7月に初めてプライバシーマークを取得して以降、現在まで継続してプライバシーマーク使用許諾事業者として、日本工業規格(JISQ15001)(※)に合致した個人情報保護規程を策定のうえ、個人情報の機密性を高める施策を講じております。しかしながら、何らかの理由により当社が管理する個人情報等の漏洩や改ざん、不正使用等の事態が生じた場合には、顧客及び利用者からの損害賠償請求や信用の失墜、ブランドの毀損等により、当社の事業に影響を及ぼす可能性があります。同リスクの対策として、プライバシーマークの継続的な更新に加えて、リスクマネジメントシステムの中で把握されたリスクに対してコンプライアンス委員会において、そのリスクの性質と、対応策の実行を策定し、運用を徹底することでリスクが低減された状態が維持されるよう、引き続き努めて参ります。
※ 事業者が業務上取り扱う個人情報を安全で適切に管理するための標準となるべく、財団法人日本規格協会の原案によって策定された日本工業規格の一つです。
(5)投資に関するリスク
当社は、余資の運用として有価証券等への投資を行っております。これらの投資は、それぞれの投資先企業と当社との事業上のシナジー効果等や投資収益を期待して実行しておりますが、投資先企業の今後の業績の如何によっては、これらの投資が回収できなくなることにより、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また当社は、MS・HAYATE1号投資事業有限責任組合を設立しております。これにより、案件発掘機能のさらなる強化とともに、投資検討プロセスの高度化を図ることでリスクへの対応を実施しております。
(6)その他コンプライアンスに関するリスク
当社においては、コンプライアンス管理規程のもと、統括責任者を明確化し、コンプライアンス委員会を設置し、取締役及び従業員に対して法令遵守意識を浸透させ、その強化、充実を図っております。その結果、現時点では特段のリスクは顕在化しておりませんが、万が一当社の取締役及び従業員がコンプライアンスに違反する行為を行った場合には、当社の信用並びに経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。同リスクに対する対策としては、リスクマネジメントシステムを構築し、関連法規に対するリスクを網羅的に可視化し、各リスクを適切に評価したうえでコンプライアンス委員会にて各リスクに対する対策を検討し、モニタリングする体制を整備・運用いたします。
(7)訴訟に関するリスク
当社は人材紹介事業を営んでおりますが、その事業活動の運営の中で、採用企業及び求職者並びに競合他社その他の関係者から、当社が提供するサービスの不備、個人情報の漏洩、知的財産の侵害等に関する訴訟等の法的手続きを提起されるリスクがあります。その結果、当局による調査や処分等の対象となり、これらの法的手続きに関連して多額の費用を支出する可能性があり、当社の経営成績や財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。同リスクに対する対策としては、リスクマネジメントシステムを構築し、関連法規に対するリスクを網羅的に可視化し、各リスクを適切に評価したうえでコンプライアンス委員会にて各リスクに対する対策を検討し、モニタリングする体制を整備・運用いたします。
(8)自然災害、事故等によるシステムへの影響に関するリスク
当社の事業活動においては、求職者情報及び取引先企業情報の管理・利用についてコンピュータシステム及びネットワークシステムを活用しており、想定を超えた自然災害、事故等によりシステムトラブル及びコンピュータウイルスや第三者による不正アクセス等のサイバーアタックが発生した場合には、正常な事業活動が阻害され、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。同リスクに対してはセキュリティの強化やデータのバックアップ体制の構築等のシステムトラブル対策を講じておりますが、事業の安定確保のため引き続き同リスクの対策が有効に機能するよう、モニタリングをする体制を整備・運用して参ります。
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