業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 経営成績の状況

当連結会計年度(2021年3月1日~2022年2月28日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が進んだことにより、今後の経済回復に向けた動きへの期待が高まっております。一方、新型コロナウイルスの新たな変異株の出現もあり、新型コロナウイルス感染症対策が進むものの感染の収束には至らず、先行き不透明な状況が見込まれております。また、資源価格の上昇や為替の変動、アメリカ及び東欧諸国の動向による地政学リスクの上昇等もあり、依然として先行きは不透明な状態が続いております。

このような状況のもと、当社グループにおきましては、主力事業である日本放送協会(以下「NHK」といいます。)からの放送受信料の契約・収納代行業務(以下「NHK業務」といいます。)に代わる、安定的な収益基盤の確保と事業の拡大に取り組み、営業代行事業におきましては、新規取引先の開拓及び取扱い商材の多角化を進めるとともに、営業手法も個人宅への個別訪問だけでなく、メディアとミックスさせた営業手法等を行うことにより、NHK1社への依存度の軽減に努めてまいりました。

また、メディア事業におきましても、当社の強みであるSEOの知見を活かした新規メディアサイトの展開、法人向けストックビジネスの拡大を実施するとともに、M&Aの積極推進や成長分野への投資を行うことにより事業領域の拡大に努めてまいりました。

当連結会計年度の売上高につきましては、営業代行事業における新規取引先の開拓、メディア事業における新規メディアサイトの展開及びM&Aの実施等により4,824,642千円と前期と比べ777,279千円(19.2%増)の増収となりました。

一方、販売費及び一般管理費につきましては、人件費関連費用として、給料及び手当を2,445,675千円(前期比14.8%減)、賞与及び賞与引当金繰入額を166,152千円(同57.7%増)、法定福利費を402,478千円(同8.2%減)、アプリの開発に係る研究開発費を275,705千円(同5.1%増)計上したこと等から、販売費及び一般管理費の合計は4,835,969千円(同8.3%減)となり、この結果、営業損失は172,731千円(前期は営業損失1,273,041千円)となりました。

営業外収益につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による雇用調整助成金107,753千円を計上したこと等から合計で116,932千円(前期比93.5%減)となり、営業外費用につきましては合計で4,614千円(同4.6%増)となりました。この結果、経常損失は60,413千円(前期は経常利益515,595千円)となりました。

また、投資有価証券評価損50,000千円を特別損失に計上したことにより、税金等調整前当期純損失は110,413千円(前期は税金等調整前当期純利益487,243千円)となり、法人税等合計を260,639千円(前期比31.1%減)計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は371,053千円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益108,739千円)となりました。

 

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より、報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しており、当連結会計年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
 

a. 営業代行事業

当セグメントにおきましては、主力事業であるNHK業務に変わる新規取引先様の開拓及び取扱い商材の多角化を進めたことから、売上高は3,277,552千円(前期比20.6%増)となりました。一方、費用関連におきましては、人員の減少に伴い、給料及び手当が1,743,851千円(同22.4%減)、採用費及び募集費が合計178,387千円(同18.8%減)等となった結果、販売費及び一般管理費の合計は2,970,485千円(同14.6%減)となりました。この結果、セグメント利益(営業利益)は285,086千円(前期はセグメント損失761,281千円)となりました。

 

b. メディア事業

当セグメントにおきましては、新規メディアサイトの展開、法人向けストックビジネスの拡大及びM&Aの実施等により売上高が1,522,025千円(前期比15.4%増)となりました。一方、費用関連におきましては、給料及び手当を696,170千円(同14.0%増)、広告費を70,388千円(同114.3%増)等計上した結果、販売費及び一般管理費の合計は1,317,945千円(同8.5%増)となりました。この結果、セグメント利益(営業利益)は204,080千円(同95.6%増)となりました。

 

c. アプリ開発・運営事業

当セグメントにおきましては、マッチングアプリの運営により売上高21,555千円(前期比665.8%増)となり、費用関連につきましては、主にマッチングアプリに係る広告費を131,086千円(同15.4%減)計上し、また、スマホゲームの企画・開発に係る研究開発費を275,705千円(同5.1%増)計上した結果、販売費及び一般管理費の合計は429,122千円(同1.6%減)となりました。この結果、セグメント損失(営業損失)は546,992千円(前期はセグメント損失480,865千円)となりました。

 

d. その他

当セグメントにおきましては、求人広告の代理店業務により、売上高は3,508千円(前期比48.9%減)となり、販売費及び一般管理費の合計を647千円(同95.2%減)計上したことから、セグメント利益(営業利益)は2,861千円(前期はセグメント損失6,672千円)となりました。

 

② 財政状態の状況

当連結会計年度末の資産合計は前連結会計年度末に比べ615,729千円減少し1,926,213千円となりました。これは主に、のれんが49,795千円、前払費用が30,881千円増加した一方、現金及び預金が538,521千円、投資有価証券が50,000千円、敷金及び保証金が43,330千円減少したためであります。

負債合計は前連結会計年度末に比べ222,092千円減少し1,049,518千円となりました。これは主に、取引金融機関3行からの借入により短期借入金が141,662千円増加した一方、未払法人税等が309,951千円減少したためであります。

純資産は、前連結会計年度末に比べ393,636千円減少し876,695千円となりました。これは新株予約権の行使により資本金及び資本準備金がそれぞれ6,725千円増加した一方、利益剰余金が407,087千円減少したためであります。

以上の結果、自己資本比率が前連結会計年度の50.0%から45.5%に低下しております。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は991,354千円となり、前連結会計年度末に比べ588,521千円減少しました。

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金の減少は644,530千円(前年同期は703,784千円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失が110,413千円となり、法人税等の支払額が547,327千円となったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金の減少は63,125千円(前年同期は181,801千円の減少)となりました。これは主に、敷金及び保証金の回収による収入62,984千円があった一方で、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出71,592千円、定期預金の預入による支出50,000千円があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の増加は119,134千円(前年同期は170,144千円の増加)となりました。これは、短期借入れによる収入400,000千円、株式の発行による収入13,450千円があった一方で、短期借入金の返済による支出258,338千円、配当金の支払額35,978千円があったことによるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

当社グループは、営業代行等の業務を行っており生産を行っておらず、また、当社グループの事業において受注という概念は存しないため、生産実績及び受注状況について記載しておりません。

 

販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

売上高(千円)

前期比(%)

営業代行事業

3,277,552

20.6

メディア事業

1,522,025

15.4

アプリ開発・運営事業

21,555

665.8

その他の事業

3,508

△48.9

合計

4,824,642

19.2

 

(注)  1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

(自 2020年3月1日

 至 2021年2月28日)

当連結会計年度

(自 2021年3月1日

 至 2022年2月28日)

売上高(千円)

割合(%)

売上高(千円)

割合(%)

NHK

2,652,135

65.5

2,948,384

61.1

 

上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者が過去の実績や取引状況を勘案し、会計基準の範囲内かつ合理的と考えられる見積り及び判断を行っている部分があり、この結果は資産・負債、収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、一部過去の実績に基づく概算数値を用いるために、不確実性が伴っており実際の結果と異なる場合があります。

なお、連結財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

また、会計上の見積りに対する新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。

 

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 財政状態

(資産)

当連結会計年度末の資産合計は1,926,213千円(前期末比24.2%減)となりました。

主な内訳は、現金及び預金が1,041,354千円(同34.1%減)、営業未収入金が400,963千円(同3.0%減)、のれんが118,363千円(同72.6%増)、前払費用が90,596千円(同51.7%増)、敷金及び保証金が88,593千円(同32.8%減)、投資有価証券が60,730千円(同45.2%減)、繰延税金資産が55,845千円(同10.9%減)であります。

 

(負債)

当連結会計年度末の負債合計は1,049,518千円(前期末比17.5%減)となりました。

主な内訳は、未払人件費を含めた未払費用が427,639千円(同13.4%減)、短期借入金が341,662千円(同70.8%増)、未払消費税等が124,293千円(同50.0%増)、未払法人税等が83,621千円(同78.8%減)であります。

 

(純資産)

当連結会計年度末の純資産合計は876,695千円(前期末比31.0%減)となりました。

主な内訳は、資本金が326,090千円(同2.1%増)、資本剰余金が316,090千円(同2.2%増)、利益剰余金が234,514千円(同63.4%減)であります。

 

b. 経営成績

(売上高)

当連結会計年度の売上高につきましては、営業代行事業における新規取引先の開拓、メディア事業における新規メディアサイトの展開及びM&Aの実施等により4,824,642千円と前期と比べ777,279千円(19.2%増)の増収となりました。

 

(販売費及び一般管理費)

販売費及び一般管理費につきましては、人件費関連費用として、給料及び手当を2,445,675千円(前期比14.8%減)、賞与及び賞与引当金繰入額を166,152千円(同57.7%増)、法定福利費を402,478千円(同8.2%減)、アプリの開発に係る研究開発費を275,705千円(同5.1%増)計上したこと等から、販売費及び一般管理費の合計は4,835,969千円(同8.3%減)となり、この結果、営業損失は172,731千円(前期は営業損失1,273,041千円)となりました。

 

(営業外収益及び営業外費用)

営業外収益につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による雇用調整助成金107,753千円を計上したこと等から合計で116,932千円(前期比93.5%減)となり、営業外費用につきましては合計で4,614千円(同4.6%増)となりました。この結果、経常損失は60,413千円(前期は経常利益515,595千円)となりました。

 

(特別利益及び特別損失)

投資有価証券評価損50,000千円を特別損失に計上したことにより、税金等調整前当期純損失は110,413千円(前期は税金等調整前当期純利益487,243千円)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

法人税等合計を260,639千円(前期比31.1%減)計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は371,053千円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益108,739千円)となりました。

 

 

c. キャッシュ・フローの状況

「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性に関する情報

a. キャッシュ・フロー

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

b. 資金需要

当社グループの事業活動における運転資金需要は、主に営業代行事業及びメディア事業に関わる人件費、採用費及び募集費、広告費等があります。また、投資活動における資金需要は、主に営業代行事業における支店開設に伴う内装工事および工具、器具及び備品の取得、メディア事業におけるソフトウエアの取得であります。

c. 財務政策

当社グループの事業拡大に必要な運転資金及び投資資金を安定的に確保するため、資金運用については短期的な預金等に限定し、必要資金については概ね自己資金で賄うことを原則とし、その他多額の資金を要する投資等に関しては、主に銀行等金融機関からの借入により調達する方針であります。長期借入金等の長期資金の調達については、事業計画に基づいた資金需要等を考慮の上、調達規模及び調達手段を適宜判断していく方針であります。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループは、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、事業運営体制、法的規制等様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。

 

⑤ 戦略的現状と見通し

経営戦略の現状と見通しについては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおり、メディア事業を今後の事業の柱とすべく、営業代行事業で培った営業ノウハウを活用し、当該事業の拡大を行ってまいります。

また、今後も価値の高いサービスを積極的に展開し、一層の事業領域の拡大を図ってまいります。

 

⑥ 経営者の問題意識と今後の方針について

当社グループが今後の業容を拡大し、より良いサービスを継続的に展開していくためには、経営者は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。それらの課題に対応するために、経営者は常に外部環境の構造やその変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を確認し、その間の課題を認識すると同時に最適な解決策を実施していく方針であります。

 

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