当社グループの研究開発活動は、当社のモビリティ&テレマティクスサービス分野、パブリックサービス分野、メディアサービス分野の各事業分野、及びその他分野に含まれるDXビジネス開発部によって行われています。当連結会計年度における主たる事業分野の研究開発活動は以下のとおりです。
当社グループの当連結会計年度における基礎技術の研究開発に係る費用は16億円、量産設計に係る費用は142億円、総額は
*モビリティ&テレマティクスサービス分野
ナビゲーションの商品化では、高音質ハイレゾ音源の再生を可能とし高画質と高速レスポンスを生み出す「彩速テクノロジー」を有した国内商品群の「彩速ナビ」において、デジタルルームミラー型ドライブレコーダーとの接続を可能とし、「安心・安全」をサポートするためのスマート連携を強化しました。また、「彩速ナビ」の開発で培ってきた技術・機能を生かし、好評を得ている機能「ここです案内」を継承し、ナビゲーションの操作がはじめての方でも使いやすい商品を目指したポータブルナビゲーションを開発し、商品群を充実させました。
海外商品群においても広視野角のHDパネル、「Apple CarPlay」や「Android Auto™」への対応、「Wireless Mirroring for Android」を採用した商品の範囲を広げ、高精細な映像とスマートフォン連携を強化した商品群を拡充しました。また、多岐にわたる車両への搭載を考慮し、奥行きの短いショートボディを実現した商品群を充実させました。
ドライブレコーダーの商品化では、デジタルルームミラーを搭載したドライブレコーダー「ミラレコ」を開発しました。「ミラレコ」は、カメラをリアウィンドウに設置するため、従来のルームミラーと比較して、搭載荷物や車体などにより生じる車両後方の死角が少なく、視界が広がります。この車両後方の映像を「ミラレコ」の大画面IPS液晶画面でリアルタイムに確認可能な「バーチャルルームミラー機能」により、ドライバーの安全性を向上しました。また、360°ドライブレコーダーでは、画像再生時の1画面/2画面/4画面/パノラマの表示切り替えなど、多彩な表示の映像確認機能を充実させました。
その他商品群としては、飲酒・残酒運転の未然防止目的用途の「アルコール検知器」において、2022年4月の道路交通法施行規則の改正に対応し、事業者による測定結果の記録・管理を容易にするために、スマートフォンとBluetooth®連携が可能な「通信型アルコール検知器」を開発しました。また、With/Afterコロナ時代に向けて、室内/車内環境などの生活空間を清潔に保ちたいというニーズに対応し「光触媒除菌消臭機」を開発しました。
当連結会計年度の主な研究開発活動及び製品開発の成果は、以下のとおりです。
(1)国内用品車両メーカー向けに、客先要求仕様に対応したナビゲーション、ディスプレイオーディオ、カーオーディオ、ドライブレコーダー、リアカメラなどの車載製品を開発しました。
(2)海外用品車両メーカー向けに、客先要求仕様に対応したディスプレイオーディオ、カーオーディオの車載製品を開発しました。
(3)市販国内商品向けに、高画質と高速レスポンスを改善した「彩速ナビ」や、「彩速ナビ」で培ったナビゲーション性能・映像技術を継承したポータブルナビゲーションを開発、商品化しました。
(4)デジタルルームミラー型を含むドライブレコーダーを開発・商品化しました。
(5)市販海外商品向けに、高精細HDパネルを採用し、「Apple CarPlay」「Android Auto™」「Wireless Mirroring for Android」の接続に対応し、スマートフォン連携を強化したナビゲーション、ディスプレイオーディオの商品群を拡充しました。
(6)損害保険会社向けに、360度撮影、車外持出し、防水機能に対応したドライブレコーダーを開発しました。
保険会社との動画連携などに対応し、防水/耐震の対応をしたバイク用ドライブレコーダーを、中古バイク・バイク用品販売会社、損害保険会社と共同開発しました。
(7)国内・海外市販商品向けに、音声認識「Amazon Alexa」に対応したカーオーディオを開発、商品化しました。
(8)耐防塵・防水性能 IP66/IP67に対応したコンパクトデジタルアンプを含む車載向けのアンプ、スピーカーを開発、商品化しました。
(9)日本製の高感度・高精度なアルコール検知センサーを採用し、検査や測定結果の記録・管理が容易なスマートフォンとBluetooth®に連携できる「通信型アルコール検知器」を開発しました。
(10)空気中に漂う目に見えない多種多様なウイルスや菌、ニオイを吸収、浄化されたきれいな空気をマイナスイオンと共に放出する光触媒除菌消臭機「Coconair(ココネア)」を開発、商品化しました。
当分野に係る研究開発費の金額は、
*パブリックサービス分野
無線システム事業では、独自の業務用デジタル無線規格「NXDN™」に対応した「NEXEDGE®」無線システム・端末や業界標準の業務用デジタル無線規格「DMR」に対応した無線システム・端末を開発、商品化しています。
業務用システム事業では、国内業務用システム事業のソリューション商材・システムの強化を行い、ヘルスケア事業では、医用画像診断ソリューションや検査・各種診断システムなどの開発を行いました。
当連結会計年度の主な研究開発活動及び成果は、以下のとおりです。
(1)業界トップクラスの薄型設計のコンパクトボディに、高耐久性能及び防塵・防水性能を搭載し、業界初「SIAA抗菌認証」を取得したデジタル簡易無線機(登録局、免許局)計6モデルを商品化しました。また、Bluetooth®搭載のワイヤレスヘッドセットを専用オプションとして開発、商品化しました。
(2)AI音声認識エンジンを用い、議会・会議などで発言者の音声を自動的に文字変換し、リアルタイムに表示する音声認識表示ソフトウエア「TZ-TRACER」を開発、商品化しました。
(3)屋外、沿岸地域への設置を想定したISO14993準拠の錆に強い重耐塩スピーカーを開発、商品化しました。
(4)国内の統合監視システム向けにH.264の約1/2のデータ量で同等画質が得られるH.265圧縮方式に対応し、大規模施設にも対応可能な統合監視ソフトウエア、ネットワークビデオレコーダー、HDネットワークカメラを開発、ラインアップを強化しました。
(5)30型のワイドな画面領域かつ300万画素モニター2台分に相当する600万画素の解像度の実現により、複数の異なる医療画像データを一元的に管理・閲覧し、快適に表示、操作できるマルチモダリティ対応ワイドカラーモニター「CL-S600」を開発、商品化しました。高輝度(1,300cd/㎡)かつ高コントラスト化(2,000:1)を実現したことにより視認性が向上し、大量の医用画像を読影する作業の効率化や負担軽減、さらに作業スペースの有効活用にも貢献しました。
(6)オーストラリアのLa Trobe University及びTelethon Kids Instituteと共同で進めていた視線計測装置「Gazefinder(ゲイズファインダー)」によるASD(自閉スペクトラム症)評価に関するオーストラリアでの治験が完了し、その有効性と安全性について十分な結果が得られたことから、視線計測技術を応用したASD評価機器として、オーストラリア医療製品管理局へ医療機器承認申請を実施しました。
当分野に係る研究開発費の金額は、
*メディアサービス分野
メディアサービス分野は、BtoB・BtoC双方において、拡大するIPネットワークとの接続性に優れた商品、サービスの開発を行いました。また、With/Afterコロナ時代に向けた開発や、災害・緊急時向け防災用途にも使用できる商品やソリューションの開発を行いました。
当連結会計年度の主な研究開発活動及び成果は、以下のとおりです。
(1)近年の高画質映像配信の需要増加を受けて、高画質で安定した映像配信の低コスト・省人化運用の中核となる、PTZ(パン・チルト・ズーム)リモートカメラの新ラインアップとして、4K 出力に対応する「KY-PZ400N」とHD出力に対応する「KY-PZ200N」及び「KY-PZ200」の計3モデルを開発、商品化しました。
(2)世界初の8K60p入力対応、新開発「8K/e-shiftX」の搭載、当社独自のレーザー光源技術による高輝度と長寿命の両立、HDR10+規格対応により、更なる高画質化を実現した「DLA-V90R/V80R/V70R」及び、4K120p対応の「DLA-V50」の計4モデルのホームシアター用プロジェクターを開発、商品化しました。
(3) 当社独自の音質向上技術である“木”の振動板と、ハイレゾ相当の高音質が楽しめる独自のデジタル高音質化技術「K2テクノロジー」を初めて搭載した完全ワイヤレスヘッドセットを開発、商品化しました。
(4)当社がこれまで培ってきたイヤホン技術のノウハウを駆使し、違和感のない装着感とスタイル、遮音性能の両立を実現したイヤホンスタイルのイヤープラグ(耳栓)を開発、商品化しました。
(5)需要が高まっているゲーミングヘッドセット市場向けに、長時間の装着を可能にする軽量設計と快適な装着感、2.4GHz無線による低遅延のワイヤレス接続を実現したヘッドセットを開発、商品化しました。
(6)成長市場であるアウトドア用途や、災害・緊急時向けの防災ソリューション用途として、性能と持ち運びやすさを両立し、大容量バッテリーを搭載した多目的万能型用途のポータブル電源とポータブルソーラーパネルを商品化しました。
(7)当社中期経営計画「VISION2023」で掲げているIoTプラットフォームサービス事業への展開に向けた活動の一つとして、リモートでの即時性のある双方向コミュニケーションを実現する映像・音声の低遅延IP伝送システムをヤマハ株式会社と共同開発し、芸術系オンラインレッスンでの実用化を目指して実証実験を行いました。今後は、実証実験で得た知見をもとに、Withコロナ時代における新しいリモート体験価値の創造やメタバース・VRとの融合を図った技術開発を推進していきます。
当分野に係る研究開発費の金額は、
*その他
「DXビジネス開発部」では、当社が手掛ける事業分野の枠にとらわれない新たな収益基盤の創出、ビジネスクリエーション活動を行っています。
当連結会計年度の主な研究開発活動及び成果は、以下のとおりです。
(1)サーバーやクラウド側で映像・画像のAI処理を行う従来型のカメラとは異なり、エッジ(カメラ)側にAI処理とアプリケーションを搭載して処理スピードの向上と情報漏洩リスク低減を図ることで、多様なAIベンダーや関連ソリューション企業との連携を可能にするカメラソリューションを開発しました。
(2)浴室内死亡事故の増加抑制という強い社会的要望に応えるため、溺水検知機能を備えた非常発報システム「浴室あんしん安全システム」の開発を、住宅・住宅設備メーカーや警備会社、介護業界などと協業で進めています。
その他の分野に係る研究開発費の金額は、2億円です。
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