業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

①財政状態及び経営成績の状況

 当事業年度における当社を取り巻く状況は、長期化した新型コロナウイルス感染症の影響を受けつつも、製造業全般の設備投資や商業施設等建設投資の持ち直しにより需要回復に向けての動きが認められました。しかしながら、ウクライナ情勢の影響が加わることで、世界的なサプライチェーンの混乱に伴う半導体等の部品供給制約や原材料価格の高騰による生産活動への影響が長期化する等、先行き不透明な状況が続いています。

 このような状況下で、当社は感染拡大防止策を適切に実施しながらも全力を傾注し営業活動・コスト削減に取り組んでまいりましたが、厳しい受注環境に加え原材料価格高騰や半導体不足の影響などにより売上高は18,306百万円(前期比1.7%減)となりました。

 利益につきましては、徹底したコスト削減を実施したものの減収及び原材料等価格高騰の影響などにより、営業利益は908百万円(前期比39.2%減)、経常利益は996百万円(前期比32.4%減)、当期純利益は646百万円(前期比32.8%減)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、営業活動によるキャッシュ・フローで988百万円の資金の減少、投資活動によるキャッシュ・フローで1,321百万円の資金の減少及び財務活動によるキャッシュ・フローで141百万円の資金の減少となりました。この結果、前事業年度末比2,452百万円(26.8%)減少し、6,681百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは988百万円の資金の減少となりました。これは税引前当期純利益の計上985百万円及び減価償却費の計上486百万円など資金の増加があったものの、法人税等の支払額758百万円及び未払又は未収消費税等の増減額569百万円の資金の減少があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度における投資活動による資金の減少は1,321百万円となりました。これは山形工場における新塗装工場建設などに伴う有形固定資産の取得による支出1,360百万円などの資金の減少があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度における財務活動による資金の減少は141百万円となりました。これは長期借入れによる収入350百万円による資金の増加があったものの、長期借入金の返済による支出299百万円及び配当金の支払額255百万円など資金の減少があったことによるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当事業年度における生産実績は次のとおりであります。

区分

生産高(千円)

前期比(%)

配電制御設備

18,489,663

100.6

18,489,663

100.6

 

b.受注実績

当事業年度における受注実績は次のとおりであります。

区分

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

配電制御設備

21,254,238

101.4

17,078,328

120.9

21,254,238

101.4

17,078,328

120.9

 

c.販売実績

当事業年度における販売実績は次のとおりであります。

区分

販売高(千円)

前期比(%)

配電制御設備

18,306,256

98.3

18,306,256

98.3

 (注)1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、以下のとおりであります。

前事業年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

販売先

金額(千円)

割合(%)

販売先

金額(千円)

割合(%)

 ㈱きんでん

3,230,799

17.3

 ㈱きんでん

3,184,507

17.4

 関工商事㈱

1,909,083

10.3

 関工商事㈱

1,984,388

10.8

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

文中における将来に関する事項は、当事業年度末(2022年3月31日)現在において判断したものであります。

①重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当りまして、経営陣による会計方針の選択・適用と、資産、負債の評価などの会計上の判断・見積りが含まれております。

②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

1)財政状態

(流動資産)

 売上債権の増加により電子記録債権が578百万円、売掛金が177百万円それぞれ増加したものの、新塗装工場建設などにより現金及び預金が2,452百万円減少いたしました。これらの結果、流動資産合計は前事業年度末比936百万円(6.1%)減少し、14,348百万円となりました。

(固定資産)

 無形固定資産が30百万円減少したものの、山形工場の新塗装工場建設・稼働開始等により有形固定資産が934百万円増加いたしました。これらの結果、固定資産合計は前事業年度末比674百万円(12.2%)増加し、6,214百万円となりました。

(流動負債)

 仕入債務の増加により買掛金が264百万円増加したものの、未払法人税等が455百万円減少したことなどにより、流動負債合計は前事業年度末比599百万円(12.8%)減少し、4,092百万円となりました。

(固定負債)

 長期借入金が58百万円増加いたしましたが、役員退職慰労引当金が114百万円減少したことなどにより、固定負債合計は前事業年度末比66百万円(5.3%)減少し、1,189百万円となりました。

(純資産)

 前事業年度の期末配当128百万円及び当事業年度の中間配当128百万円があったものの、当期純利益646百万円の計上により利益剰余金が390百万円増加したことに加え、その他有価証券評価差額金が13百万円増加いたしました。これらの結果、純資産合計は前事業年度末比403百万円(2.7%)増加し、15,280百万円となりました。

 

2)経営成績

(営業損益)

 当社は顧客満足度120%を目標に技術開発の強化、品質の向上、サービス体制の拡充等による経営基盤の充実強化に努めましたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による企業収益の悪化に伴う民間設備投資の減少や厳しい受注環境により、売上高は前事業年度に比べて1.7%減収の18,306百万円となりました。

 売上原価は前事業年度の12,967百万円から3.3%増加し13,398百万円となりました。

 販売費及び一般管理費については、前事業年度の4,160百万円から162百万円減少し、3,998百万円となりました。売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は21.8%となっております。

 以上の結果、営業利益は前事業年度の1,495百万円に対し39.2%減益の908百万円となりました。

 

(営業外損益)

 営業外収益・費用は前事業年度の21百万円の費用(純額)から87百万円の収益(純額)となりました。増加の主な要因は、山形工場新塗装工場が完成・稼働したことに伴い、山形県の「企業立地促進補助金」及び南陽市の「企業立地奨励金」の交付が確定したことなどによるものであります。

 この結果、経常利益は前事業年度の1,473百万円に対し32.4%減益の996百万円となりました。

 

(特別損益)

 特別損失は固定資産除却損11百万円を計上し、この結果、税引前当期純利益は前事業年度の1,465百万円に対し32.8%減益の985百万円となりました。

 

(当期純利益)

 法人税、住民税及び事業税が前期より減少し、税金費用338百万円計上いたしました。この結果、当期純利益は前事業年度の962百万円に対し32.8%減益の646百万円となりました。

 

 

3)キャッシュ・フローの状況

 当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

4)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、株主の視点から見た収益性を重視する観点から株主資本利益率(ROE)を主要な経営指標として位置づけ、常にコスト削減意識を持ち収益改善に努めるとともに、資本効率の向上を目指し、企業経営に取組んでおります。

 目標とする具体的な数値は設定しておりませんが、当事業年度のROEは4.3%となっております。今後につきましても当該指標の向上に努めてまいります。

 

5)資本の財源及び資金の流動性

 当社の運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための材料及び部品の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。営業費用の主なものは、人件費であります。

 当社は現在、運転資金及び設備投資資金につきましては内部資金または借入により資金調達することとしております。

 借入による資金調達に関しましては、安定的な長期借入金で調達することを原則としております。

 当社は健全な財務状態、営業活動を基盤としたキャッシュ・フローを生み出す能力により、当社の成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達することが可能と考えております。

 また、当社は資本政策の柔軟性・機動性を確保するため自己株式を取得しております。

 なお、自己株式の取得の状況は「第4 提出会社の状況、2 自己株式の取得等の状況」に記載のとおりであります。

 

6)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

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