課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

 当社は、「電気に生きる-電気と共に発展する社会と共生し、人々の暮らしに貢献する」という創業の経営理念を基に配電制御設備の製作一筋に歩み続け、業界トップクラスの専業メーカーとしてわが国産業界の発展に寄与して参りました。得意先各社様より寄せられております高い信頼は、当社が「品質と納期」を至上命題として、長い歴史の中で積み重ねてまいりました企業努力の結果であります。現在、創業の経営理念に付け加えて『顧客満足度120%達成』を経営目標とし、お客様のご要望にお答えすべく、設計部、営業所をエリア毎に統括する支社を全国に6箇所配置し、フレキシブルで迅速な対応を行うことを心がけております。特に営業、設計、板金、塗装、組立、メンテナンスサービスと一貫したサービスをきめ細やかにご提供することが出来る万全の体制で取組んでおり、「製品とサービスの融合」によって『盤業界のオンリーワン〈唯一の存在〉』を目指し積極的に取組んでいきたいと考えております。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略

 『電気に生きる』の創業理念のもとにお客様からの強い支持を獲得し、収益率を維持した上での市場シェアの拡大を図る方針です。加えて、採算面で良好であり、かつ景気に左右されにくい「リニューアル事業の強化」を図ってまいります。リニューアル事業は、老朽化・グレードアップのためのリフォーム・オフィスビル等のOA化に伴う消費電力の増加により需要が生まれるものであります。

 リニューアル事業は既存の経営資源を活用することができるため、新たな設備投資が不要であり、効率的な市場拡大を目指すことが可能であると考えております。

 そして、技術開発力の強化、品質の向上、サービス体制の拡充等によるさらなる経営基盤の充実強化を促進させ、「人間尊重」の考えに基づく社風作りで社会貢献できる企業を目指しております。

 

(3)目標とする経営指標

 当社は、株主の視点から見た収益性を重視する観点から株主資本利益率(ROE)を主要な経営指標として位置づけ、常にコスト削減意識を持ち収益改善に努めるとともに、資本効率の向上を目指し、企業経営に取組んでまいります。

 

(4)経営環境及び対処すべき課題

 当社を取り巻く事業環境は、製造業全般の設備投資や商業施設等建設投資の持ち直しにより需要回復に向けての動きが認められるようになりました。

 しかしながら、依然として新型コロナウイルス感染症が再拡大する懸念があり、これにウクライナ情勢の影響が加わることで、世界的なサプライチェーンの混乱に伴う半導体等の部品供給制約や原材料価格の高騰による生産活動への影響が長期化する等、先行き不透明な状況が続いております。

 

①部品供給制約への対応

 新型コロナウイルス感染症拡大を契機として発生した国際的なサプライチェーンの混乱により、当社においても電機電子部品や関連部材の入手が困難となり収束時期も不透明な状況です。

 当社では部品手配プロセス及びシステムの見直しにより早期発注を推進し、調達先との連携を強化すると同時に、代替部品及び代替調達先の確保に努め、製品の安定供給に向け取り組んでまいります。

②製品競争力の確保

 カスタム型配電制御設備大手専業メーカーとしての地位を維持するため、何より製品の品質維持・向上と納期の厳守に努め、リードタイム短縮を通じた製造原価改善により価格競争力を高める必要があります。

 当社は、顧客のカスタムニーズへの対応とリードタイム短縮を図るための製品の標準化・モジュール化とを両立させる取り組みなど、生産技術の革新を推進してまいります。

 

③営業基盤の確保

 当社が製品競争力を有する大規模再開発事業、データセンター等、引き続き活発な需要が見込まれる市場に加えて、今後成長が見込まれる分野である自然エネルギー、脱炭素分野に対するニーズを捉え、太陽光発電用受変電設備等、先端技術を取り入れたソリューションを展開してまいります。

 また、当社が長きにわたりトップメーカーとして納入してきた当社製品のリニューアル需要は取引優位性があり安定的な売上と収益への寄与が期待できます。

④自己株式の管理

 当事業年度末の自己株式の残高は1,862百万円(988,786株)であり、発行済株式総数の23.58%を所有しております。当該自己株式は、資本政策の柔軟性・機動性を確保するため取得しておりますが、自己株式の処分につきましては今後の対処すべき課題の一つと認識しております。

⑤ESG経営の追求

 来るべき脱炭素社会の実現に向け、省エネルギーに配慮した製品開発や環境負荷低減を念頭においた生産活動を通じ、環境への配慮を意識した企業活動を一層推進してまいります。

 また、ポストコロナ時代を見据え、生産性向上とワーク・ライフ・バランスに資する労働環境の整備やDXの推進等に努めるとともに、多様な人材がその能力を最大限に発揮できるダイバーシティの推進と経営人材の育成強化に取り組んでまいります。

 更には、ステークホルダーの皆様に信頼される企業であり続けるため、リスクマネジメントとコンプライアンスの徹底を通じてコーポレート・ガバナンスの実効性を一層強化してまいります。

 当社はこうしたESG経営を追求することにより持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。

 

 

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得