課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社は、経営理念を以下のとおり定め、お客様にご満足いただける新たな価値を提供していきます。

① お客様にご満足いただける新たな価値を創造し続けます。
日東工業グループは、お客様にとっての価値を理解し、満足いただける製品やサービスを提供していきます。 
われわれは価値創造を継続的に行うことにより、お客様との信頼関係を築き、強化していくことを大切にします。

② 人間尊重の精神に基づいた企業活動を進めます。
従業員一人ひとりの個性を尊重し、能力を生かし、育てることにより、新しい価値を創造する組織への更なる進化を図ります。
公正公平な人事評価と適材適所の人材配置により、従業員が職務を通じて自己実現を果せる会社であることを誓います。

③ 高い倫理観、道徳観に根ざしたコンプライアンス経営を実践します。
日東工業グループは、社会規範に則った公明正大な経営を常に行います。
誠実な行動と日々のたゆまぬ努力の積み重ねによって、安全・安心な、より高い品質の製品・サービスを提供します。

④ 美しい地球を次世代へつなぐことに貢献します。
電気と情報を主な事業領域とする日東工業グループは、企業市民として環境保護に努めていきます。
また同時に、再生可能エネルギーの活用を促進する技術等を通じ、持続可能性を高めることに貢献する価値を創造します。

⑤ 株主価値を高める経営を常に行います。
過去の成功を守ることや目先の利益を追うことを優先し、未来への投資を後回しにするようなことはしません。
株主価値を最大化する中長期的な成長と持続的な利益の創出を経営目標として、変わらず良い会社であり続けるために改善・改革を日々積み重ねます。

 

(2) 当社グループの経営環境

①  経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

2023年度を最終年度とする「2023中期経営計画」では、定量目標として連結売上高1,500億円、連結営業利益130億円、ROE7.0%以上を設定していましたが、最終期である2024年3月期のROE目標を8.5%以上に引き上げました。

 

 


 

②  中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題

当社グループは2021年度より、以下の長期ビジョンのもと「2023中期経営計画」を推進し、経済的価値と社会的価値を両立させ、企業価値の向上に取り組んでいます。

 

<長期ビジョン>

 


 

<2023中期経営計画>

「2023中期経営計画」に「基本方針を支える基盤」として資本効率経営を追加しました。

 


 

「2023中期経営計画」の取り組みは以下のとおりです。

 

(イ) 電気・情報インフラ関連 製造・工事・サービス事業(日東工業㈱、㈱新愛知電機製作所、南海電設㈱、㈱大洋電機製作所、㈱ECADソリューションズ、Gathergates Group Pte Ltd、NITTO KOGYO BM (THAILAND)CO.,LTD、ELETTO(THAILAND)CO.,LTD、日東工業(中国)有限公司)

 (a) コア事業競争力の追求

[配電盤事業戦略]

配電盤事業では、労働人口減少による人手不足や設備の老朽化による電気事故の発生など、配電盤業界の抱える課題に取り組むことで、業界の発展に貢献します。

2021年度は、省施工化や製品の省資源、長寿命化をコンセプトとした新規製品を市場に投入しました。

今後も、お客様の使いやすさを追求した製品開発や既存製品の改良、当社グループのアフターサービス機能の強化を行い、ユーザーが気付いていない隠れた価値を創出することで、お客様に信頼される存在となることを目指します。

 

[キャビネット事業戦略]

キャビネット事業では、市場の変化とニーズを敏感に捉え、新製品や新たな価値を投入することで社会インフラの構築に貢献します。

2021年度は、Web上で図面作成から発注までをワンストップで対応する「キャビスタ」の機能強化に向けて取り組みを開始しました。CADデータ連携などシステムを絶えず進化させることでさらなる顧客利便性の向上を図っていきます。

今後も、様々な案件の受注を通して技術力を高めるとともに、2024年4月に稼働予定の瀬戸工場ではDXの推進により独自の生産システムを構築し、事業基盤を進化させていきます。

 

[情報通信関連事業戦略]

情報通信関連事業では、情報通信インフラに関わる幅広い製品群と長年にわたり培ってきた高い技術力で、超スマート社会(Society5.0)の実現に貢献します。

2021年度は「5G」を中心に今後成長が見込まれる情報通信インフラ関連市場において、マーケティング活動を展開し、新製品開発につながる情報収集に努めました。

今後も、同市場向け製品の主力工場である栃木野木工場の生産能力拡充やWeb販売支援ツール機能の強化などにより、拡大する需要に対応できる体制を構築します。

 

 (b) グローバル化

[海外事業戦略]

海外事業では、海外拠点に強固な事業体制を構築し、優良な製品とサービスで社会インフラ構築に貢献します。

2021年度は、タイの現地合弁会社NITTO KOGYO BM(THAILAND)CO.,LTDの新工場が本格稼働しました。また、海外ローカル企業向けの営業活動を強化したほか、現地のニーズに対応した新製品を投入しました。

今後も、安定した事業運営と利益を生み出せる体制作り、事業の選択と集中・不採算事業の縮小などにより強固な事業体制の構築に努めます。さらに、販売手法・販売体制・物流網の構築や生産体制の整備などによる海外事業の拡大を目指します。

 

 (c) 新規ビジネスの展開

[事業領域拡大戦略]

事業領域拡大では、新しい技術や視点の製品・サービスを提供することにより、脱炭素社会、安全で強靭な社会、ニューノーマルな社会の実現に貢献します。

2021年度は、EV充電インフラ事業において、新製品の開発・投入や他企業との業務提携など、様々な施策を行いました。また、ニューノーマル時代の働き方に対応した製品として、多様化するお客様のニーズに対応した現地組立てタイプと2人用タイプの「プライベートボックス」を発売しました。

今後も、脱炭素社会等の実現に向けて、適切なニーズを捉えた製品開発および提案力の強化に努めます。

 

 (ロ) 電気・情報インフラ関連 流通事業(サンテレホン㈱およびその子会社)

電気・情報インフラ関連 流通事業では、超スマート社会(Society5.0)の実現に向け、市場のニーズに的確に対応するなど、情報通信関連のリーディングカンパニーとして次世代ICTインフラ構築の中核を担うソリューションパートナーを目指します。

2021年度は、プラットフォームであるECサイト「GOYOU」の浸透活動を推進しました。

今後も、ソリューション力を強化することで、DX、5G、カーボンニュートラルなどの分野における課題解決に貢献していきます。

 

 (ハ) 電子部品関連 製造事業(北川工業㈱およびその子会社)

電子部品関連 製造事業では、コア技術を深耕・進化させグローバルにソリューションを展開することで売上拡大を目指します。

2021年度は、EVに搭載されるモーターを実負荷状態でEMC試験が可能なEV-Chamberを導入し、対応力を強化しました。

今後も、電動化社会の実現に向けたニーズをキャッチアップし、EMC対策支援を強化していきます。

 

 (ニ) グループ経営基盤

当社グループのDXを推進するため、クラウド基盤・次世代ネットワーク技術を活用したグループICTインフラ基盤を構築します。

2021年度は、グループ全体のセキュリティレベル統一や高可用性基盤の構築による広域災害対策の強化などによりグループ全体の事業継続性を確保することを目的に、組織体制の検討を行い、2022年4月にDX統括部を新設しました。

今後も、グループ各社との迅速で安全な情報連携のほか、人財プラットフォーム構築によるタレントマネジメントに取り組みます。

 

当社グループはこうした施策により、地球の未来に「信頼と安心」を届ける企業グループとして、より多くのお客様のニーズにお応えし、企業価値の向上に努めていきます。

 

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