当企業グループは、「独創的な技術を核に、新しい価値を創造し、活力とゆとりある社会の発展に貢献します。」を企業理念に掲げ、「つなげる技術の、その先へ。」をビジョン(目指す姿)として、当企業グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に努めております。
また、当企業グループは、当企業グループの不適切な会計処理等の問題に関して、2020年10月7日付「特別調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」で公表いたしました特別調査委員会の調査報告書記載の再発防止策の提言を踏まえ、2020年11月16日付「再発防止策の策定について」、同年12月4日付で「改善報告書」をそれぞれ公表し、改善措置を実行し、2021年6月18日付で株式会社東京証券取引所に「改善状況報告書」を提出するに至り、2021年6月29日付の「財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備に関するお知らせ」のとおり、2021年3月期において、開示すべき重要な不備があり内部統制は有効でない旨を公表しておりました。2022年3月期において、すべての再発防止策の実行が完了し、開示すべき重要な不備は是正され、当社の財務報告に係る内部統制は有効であると判断いたしました。
このような状況の中で、2021年度から2023年度の3か年を計画期間とした中期経営計画(サクサは変わる。)を策定し、「事業を変える」「財務を変える」「ガバナンスを変える」の3つの戦略に掲げ、ステークホルダーの信頼回復と企業価値向上を図ってまいります。
(1) 事業戦略(事業を変える。)
①基盤事業の収益維持
基盤事業は、長年当企業グループの「ものづくり」と収益を支えてきた事業であり、今後、事業や製品の選択と捨象を進め、コスト削減と効率化により市場シェアの拡大と収益を維持してまいります。
a. ボタン電話装置事業戦略
業界内における生き残りをかけて製品価格競争力と使い勝手の良さにより市場シェアを維持拡大してまいります。
b. アミューズメント事業戦略
アミューズメント事業は、カードリーダーユニット、トランスの製造、基板実装や受託開発等で構成されます。今後は、市場環境変化に合わせた事業の再編および合理化を推進してまいります。
②成長事業の収益拡大
成長事業は、積極投資を進めることで、収益を拡大してまいります。
a. セキュリティアプライアンス関連機器(UTMやストレージ機器)のプロダクト事業戦略
中堅・中小企業をメインターゲットと定め、日本市場に要求される高品質で堅牢なハードウェアと充実したサポートにより、競合製品との差別化を図ってまいります。当企業グループがボタン電話装置事業を通じて得意とする中堅・中小企業への徹底した集中戦略により、中堅・中小企業市場のシェアを拡大してまいります。
b. ソリューション事業戦略
株式会社システム・ケイが展開する、映像、AI、IoT技術を活用したソリューション事業を、M&Aやアライアンスを含む積極投資により拡大し、当企業グループの成長エンジンにしてまいります。Webマーケティングの拡充・強化、システム研究開発、セールスエンジニア等の人材への投資を積極的に行い、顧客ニーズの集積と提案営業活動により収益を拡大してまいります。また、同社に蓄積されたノウハウを基に、マルチベンダーの強みと技術力を活かし、お客様のニーズにマッチングした商材を適切に提供する新たなECシステムを構築してまいります。
③SAXA-DXサービスプラットフォーム
お客様のデジタル変革を支援するために「SAXA-DXサービスプラットフォーム」をインフラとして提供開始し、2023年までに完成を目指してまいります。新型コロナウイルスの世界的な流行により、企業を取り巻く事業環境は急激に変化し、新たな事業環境にあわせた事業変革・デジタル変革はあらゆる業界において最優先の取組み事項となっております。しかしながら、当企業グループのボタン電話装置事業のメインターゲットである中堅・中小企業では、「IT人材不足」「働き方改革」「売上向上」の課題があります。このような環境において新たに3つのデジタル革新「次世代情報セキュリティ対策」「次世代ワークスタイル支援」「次世代コミュニケーション活用」により、お客様の課題解決、DXを支援してまいります。
[次世代情報セキュリティ対策]
企業を狙うサーバー攻撃の脅威が多様化・巧妙化し、従来のネットワーク境界防御では情報漏えいの脅威を防ぎきれなくなっております。この攻撃に対する防御、PCやサーバーの故障やウイルス感染による企業存続リスク回避を、十分な知識を持つIT担当者が不在でも解決することができます。
[次世代ワークスタイル支援]
生産年齢人口の減少で人手不足が深刻な問題になるなか、人材の確保や維持のためには、多様で柔軟な働き方、ワークライフバランスを重視できる職場環境の提供が求められています。このような環境において、お客様の資産(IT機器のコンディションや従業員の心身)の状況、業務内容の可視化から、新たな気づき、課題を発見し、生産性の高い新しいワークスタイルの実現を支援してまいります。
[次世代コミュニケーション活用]
社内外会議や商談ではITを活用したコミュニケーションが進んでおりますが、対面ならば可能な目配せや、表情、しぐさなどのコミュニケーションに必要な情報が、リモートワーク環境で不足しがちになりますので、それらをデジタル技術で補完し、生産性を向上させる組織コミュニケーション環境を提供してまいります。
(2) 財務戦略(財務を変える。)
保有資産を有効活用することで、資本効率の向上に資するとともに、それによって得られる資金を事業の成長投資に振り向けてまいります。
①政策保有株式の縮減
政策保有株式は原則売却を進めてまいります。
②保有不動産の活用
保有する不動産の有効活用を進めてまいります。
a. 神奈川県相模原市に保有する不動産の収益化
b. 栃木県那須塩原市他、保有する不動産の流動化
③財務レバレッジを効かせる
財務レバレッジを効かせて、成長投資や自己資本の適正化を進めてまいります。
(3) ガバナンス戦略(ガバナンスを変える。)
①コーポレートガバナンス改革
企業価値を低下させた不正防止に向けた仕組みを早期に構築し、実効性を伴って定着させて、コーポレートガバナンスを再構築することにより、ステークホルダーへの信頼を回復してまいります。
a. ガバナンス体制の再構築
b. グループ経営体制の強化
c. グループ内部統制室の設置
d. 内部監査の強化、監査体制の強化、監査室と監査役および会計監査人との連携強化
e. 内部通報制度の改訂
f. 人事ローテーションの実施
g. 企業風土改革
h. 会計知識教育
i. 財務報告に係る内部報告制度の全社的な内部統制および決算・財務報告プロセスおよび業務プロセスの改善
②グループ企業の再編
a. プロダクト事業とソリューション事業の両利き経営
サクサ株式会社の子会社であった株式会社システム・ケイを、2021年10月にサクサホールディングス株式会社の子会社とし、ソリューション事業を展開する中核会社に位置付けるとともに、M&Aやアライアンス、グループ内のリソースシフトにより事業拡大を図ってまいります。また、これまで事業中核会社であったサクサ株式会社は、プロダクト事業を展開する中核会社とし、株式会社システム・ケイとのツートップ体制といたしました。
b. プロダクト事業の再編
プロダクト事業の中核会社であるサクサ株式会社のもと、開発機能(サクサシステムエンジニアリング株式会社)・生産機能(サクサテクノ株式会社)・保守、アフターサービス機能(サクサビジネスシステム株式会社)のバリューチェーンを再構築し、それぞれの機能を強化してまいります。
c. 生産機能の集約
防災関連機器、アミューズメント市場向けトランス、各種ブザー等を製造販売するサクサプレシジョン株式会社は、サクサテクノ株式会社に統合いたしました。これによりグループ内で分割されていた生産機能を集約して生産一貫体制を確立するとともに、間接部門を統合することによりコストを削減してまいります。
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