当社グループの研究開発は、開発推進本部および事業戦略本部で行っており、主に群馬県前橋市におけるプラットホームシステム部、ソフトウェア部及び東京都港区における情報技術研究所において幅広く展開しております。
大きな分担としては、情報セキュリティ技術の確立及びAI技術を利用したデータ分析に基づく予測や認識等を行うための研究開発を情報技術研究所が主体で推進し、IPビジネステレフォニーシステムへの展開、IP技術応用機器、無線LAN応用機器、PHS応用機器、特定小電力無線応用機器を使用したIoT/M2M技術および福祉機器等の事業運営に直結した技術開発を、前橋市のプラットホームシステム部、ソフトウェア部を中心に推進しております。
当連結会計年度に支出した研究開発費は
(1) 今後の重点開発項目
これまでにない付加価値を提供出来るよう、製品構想段階から営業部門と連携してお客様目線に立ち、スマート化をキーワードにした新たな製品開発を目指し、アプリケーション開発技術、IoT/ワイヤレス技術、情報セキュリティ技術、AI利用技術等に開発リソースを集中して推進しております。
(2) 企業通信システムの開発
主力製品であるビジネスホン「NYC-Siシリーズ」において、「ワイヤレス呼出ボタン装置/ディジタル埋込型インターホン」の無線接続センサー対応「ボイスメモ」等の機能強化を追加し、2021年11月に販売開始しました。
また、「各社介護支援システムとの連携」の機能強化を追加し、商品力の向上、業務の効率化のための開発を推進しております。
ホテル市場での更なる対応として、デザインに優れたR01電話機にワンタッチメモリボタン付き電話機及び受理専用電話機をラインナップに追加し、2021年9月に販売開始しました。
(3) IP関連機器の開発
ビジネスホンのIP外線インタフェースやSIP電話機を直接携帯電話網に接続できるモバイルネットワークアダプタに「マルチキャリア対応機能」、「複数回線対応機能」を追加し、2022年2月に販売開始しました。
また、カメラを内蔵し動画送信が可能なIPカメラドアホンIPCAMDH3を2022年2月に販売開始しました。
今後も、各種のキャリアに対応するIP電話機、IPネットワーク強化のための開発を継続推進してまいります。
(4) 福祉機器の開発
前橋工科大学と共同で行っている健康管理システムの研究、開発において、社会の課題でもある、健康寿命の延伸について検討を行っています。健康寿命は、介護が必要になる前のフレイル(ちょっとした衰え)に気が付き、その期間の過ごし方を見直し、改善することでその延伸も可能であると言われています。このようなことより、日々の体重の変化と活動状況からフレイルの兆候を発見できるシステムとして、前橋市が進めるCCRC(Continuing Care Retirement Community)事業において、その利用者に身体と認知の課題を気づかせ、更に、利用者に合わせた健康維持プログラムを提供することによるフレイル予防の効果について、前橋工科大学と共同で検証を行うことを計画しております。
また、健康管理システムを利用した在宅での健康管理として、AIO-71に搭載した専用アプリケーションが接続する健康管理機器の情報をクラウドでデータを蓄積し、見える化を可能とする健康管理アプリケーション「NYCヘルスアイ」を2021年6月に販売開始しました。
(5) IoT/M2M関連製品の開発
IoTシステムにおいて必須となるデータ収集を、ネットワークの周縁部(エッジ)の近くにサーバを分散させ、アプリケーション処理の低遅延化や通信トラフィックの最適化と簡易アプリも搭載可能なマイクロサーバとして携帯各社に対応したNYC-MICROSV-DSIMを2022年1月に販売開始しました。
今後も、IoTシステムの多種の用途に適した無線方式の検討を推進してまいります。
(6) 情報セキュリティ高度化に向けた研究開発
自社製品の付加価値向上のために、情報セキュリティ高度化の研究に取り組んでおります。
自社で試作開発しました不審メールの検知/通報システムの社内運用を通して、情報セキュリティ高度化に必要なメールの監視/分析技術の研究に取り組んでおります。また、IoTシステムの可用性向上などの情報セキュリティの高度化のために、IoTネットワークの監視/分析/制御技術の研究に取り組んでおります。
(7) AI利用による付加価値創出の研究開発
AI利用による自社製品の付加価値創出に向け、画像データの分析による人物の識別と行動把握に関する研究、並びにテキストデータの分析による検索、要約に関する研究を行っております。
画像データの分析では、お客様ニーズが高い危険領域への侵入検知の研究、自社工場を使って作業者の識別や行動把握による製造工程の効率化の研究に取り組んでおります。
また、テキストデータの分析では、カスタマーサポートセンターでの問い合わせ対応などサポート業務の支援を想定して、専門用語や独自の言い回しを含む入力文字列とマニュアル類の記述との類似度評価や、冗長性の高い発話記録の要約の研究に取り組んでおります。
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