文中の将来に関する事項は、当事業年度末日現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は臨床検査室全体をカバーする製品(C・A・C・L)※の開発から製造・販売・カスタマーサポートまでを一貫して手掛け、優れた多くの企業と連携をとりながら、医療の質の向上と医療コストの削減に寄与する製品・サービスを提供することで着実な事業の拡大に努めることを基本的な経営戦略としております。なお、主な経営戦略、対処すべき課題と取り組みにつきましては、次のとおりであります。
※ C・A・C・L;臨床検査室の運営に必要な製品分野「臨床検査試薬:Chemicals」、「検体検査装置:Analyzers」、「臨床検査情報システム:Computers」、「検体検査自動化システム:Lab-Logistics」の略称
当社は、2018年5月25日に創業40周年を迎えました。40周年を迎えるにあたり2018年12月期~2020年12月期の3カ年を対象とする中期経営計画(以下、「本中期経営計画」といいます。)を2018年2月に策定しております。
以下の経営環境分析及び対処すべき課題を踏まえて、数値目標、基本方針を掲げ、経営課題、重点施策に取り組んでまいります。
なお、本中期経営計画の詳細につきましては、2018年2月8日付「中期経営計画の策定に関するお知らせ」も併せてご覧下さい。
① 経営環境分析
-血液検査事業-
・販売環境変化に伴い、一部OEM先の販売が減少する可能性
・国内の電解質、グルコース等の検査市場は頭打ち
・海外市場(特に中国)は成長が著しい
-IT化・自動化支援事業-
・国内市場は規模、競合状況ともに大きな変化はなく、均衡状態にある。海外需要は高い
・1件あたりの受注額が大きい一方で、次回更新までの期間が5~10年と長い
・一度、製品が導入されると次回更新時も採用されやすい(比較的守りやすい)。その反面、当社に切り替える新
規顧客の獲得が比較的困難(攻めるのが難しい)
・近年、特に検体検査自動化システムの海外需要が高い
② 対処すべき課題
・特定のOEM先に販売が集中していることへの備え
・一部OEM先の販売減少を補い、新たな販売先の確保
・売上総利益の増加(自社製品の販売増加)
・製品の品質確保に要するコストの削減
・成長著しい中国市場での事業を早急に軌道に乗せること
・働き方改革と人材育成
③ 目標とする経営指標
-最終年度(2020年12月期)達成目標指標-
・売上高:120億円以上
・売上高経常利益率:10%以上
・海外直接売上高比率:10%以上
-売上、利益計画-
④ 基本方針
・自社製品販売の比率を高め、収益性向上を図る
・中国に向けた事業展開を強化し、海外売上高比率を高める
・開発と製造の連携を強化し、安定した高品質な製品の開発・生産体制を構築する
・働き方改革と人材育成を徹底する
⑤ 重点施策
-血液検査事業-
・一部OEM先の販売減に備え、新規OEM先の獲得と既存OEM先と安定的な商流を構築する
・原価低減のための技術開発を推進する
・江刺工場の新棟を活かし、高品質な生産体制を構築する
-IT化・自動化支援事業-
<臨床検査情報システム>
・拡充した新製品ラインナップで新規顧客へ提案する
・直販で新規顧客獲得のため、専任を配置する
・作業内製化により外部作業を減らし、生産性を高める
・追加ラインナップを投入し、競争力を上げ、拡販する
・中国市場において安定販売を図るため、パッケージ化販売のOEMビジネスを確立する
・中国事業の製品サポート体制を確立する
-血液検査事業、IT化・自動化支援事業共通-
・品質向上のため、開発・製造・サービスの連携を図る仕組みを作る
・自社製品販売に注力する
-働き方改革と人材育成-
・人材教育の仕組み、プログラムを集約・体系化し、社員教育の充実を図る
・キャリアパスの新制度を導入し、人材の適正配置を実施する
・地域限定正社員制度を導入し、生産性を高める
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