課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 ソニーのマネジメントが認識している経営課題とそれに対処するための取り組みは以下のとおりです。文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものです。

 

 2021年度の世界経済は、新型コロナウイルスの変異株による感染再拡大の影響はあったものの、世界各地で感染対策と経済活動の両立が図られるようになり、緩やかに回復しました。一方、足元では、2022年2月にロシアがウクライナに軍事侵攻したことに端を発する経済制裁や為替の急激な変動及び資源価格の上昇や、米国を中心とした物価高などにより、今後の世界経済の先行きを見通すことは困難な状況が続いています。

 ソニーは、グローバルに多様な事業を展開しており、これらの世界経済の状況の変化に加えて、世界的な半導体及びその他の部品の不足ならびに物流の混乱の継続も、ソニーの各分野の事業に影響を及ぼしています。

 ソニーは、これらの環境変化に迅速に対応し、各事業の収益構造の強化に取り組むとともに、長期視点の経営を重視し、グループ全体の企業価値向上のための取り組みを続けてきました。

 

 2022年5月18日に開催した2022年度経営方針説明会では、会長 兼 社長 CEO(最高経営責任者)の吉田憲一郎が、「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」というPurpose(存在意義)と「人に近づく」という経営の方向性のもと、長期視点での経営に取り組んでいること、そして、人・社会・地球への「責任」と「貢献」を重視していることに触れた上で、人を軸とした3つの事業領域で進めている投資と成長について説明しました。また、クリエイティビティとテクノロジーの力でエンタテインメントの進化を支える取り組みとして、「人の心を動かす」エンタテインメント3事業におけるコンテンツIP、Direct-to-Consumer(以下「DTC」)サービスのさらなる強化と、「メタバース」「モビリティ」を中心とした感動空間での新しいエンタテインメント体験の創出、そして、現実空間を捉えるセンシング技術と、捉えた世界から学ぶAIを中心としたテクノロジーについても説明しました。詳細は以下のとおりです。

 

Purposeと、人・社会・地球への「責任」と「貢献」

 ソニーはPurposeのもと、「感動」と、クリエイター、ユーザー、社員を含む「人」を軸とした経営に、長期視点で一貫して取り組んでいます。また、社会や地球環境に対する企業としての「責任」を果たし、技術や事業によって「貢献」するための取り組みも推進しており、「環境負荷ゼロ」に向けた取り組みにおいては、グループ全体でのカーボンニュートラル及び100%再エネ電力化の達成目標を、それぞれ10年前倒しします。

 

人を軸とした3つの事業領域での投資と成長

・ 「人の心を動かす」事業:G&NS事業、音楽事業、映画事業

・ 過去4年で、コンテンツIP、DTCサービスの強化を目的として1兆円を超える戦略投資を実施。

・ DTCサービスにおいては、パートナーとの関係を重視するとともに、エンタテインメントを動機としてソニーグループと直接つながる人を10億人に広げるという長期ビジョンを掲げている。

 

・ 「人と人を繋ぐ」事業:ET&S事業、I&SS事業

・ クリエイターが感動コンテンツを創り、ユーザーがそれを体験するためのテクノロジー、製品・サービスを提供。

・ I&SS事業では、イメージセンサー向けに過去4年で約1兆円の投資を実施し、トップシェアを維持。また、成長領域として車載やIoT向けのセンシングにも取り組む。

 

・ 「人を支える」事業:メディカル事業、金融事業

・ メディカル事業は、ソニーの光ディスク技術を応用した機器が、がんやウイルスなどの研究、細胞薬製造に貢献。

・ 金融事業では、生命保険、損害保険、銀行などの領域で800万人を超えるお客様に生活の利便性と安心を提供。

 

・ 企業価値向上に向けてEPS(1株当たり当社株主に帰属する当期純利益)の成長を経営の規範とし、今後もコンテンツIP、DTC、テクノロジーへの投資を実行するとともに、自己株式の取得も引き続き戦略投資の一部と位置づけ、機動的に実施していく予定。

 

 

「人の心を動かす」エンタテインメント3事業の取り組み - コンテンツIP、DTCサービス

 「人の心を動かす」G&NS、音楽、映画の各事業は、2012年度以降継続的に成長しており、2021年度には売上高の合計が初めて連結売上高の50%を超え、営業利益も連結全体の約3分の2となりました。

 

・ G&NS事業

・ コンテンツIPの創造でクリエイターに近づき、DTCサービスでユーザーに近づく取り組みを推進。

・ コンソール: 2022年度1,800万台の販売を予定しているプレイステーション®5(以下「PS5™」)を中心にさらに拡げていく。

・ ネットワークサービス: プレイステーション™ネットワーク(以下「PSN」)のネットワーク経由の売上高は累計で1兆8,000億円を超え、現在1億以上*のアカウントがサービスを利用。PSN強化のため、サブスクリプションサービス、プレイステーション®プラス(以下「PS Plus」)を大幅にリニューアルし、2022年6月中に展開予定。

・ 自社スタジオ: サードパーティスタジオとの関係を重視すると同時に、自社スタジオであるPlayStation Studiosにおいて、この1年間で多くの買収・出資を実行。

・ ライブサービス強化とマルチプラットフォーム展開に向けた大きな一歩として、Sony Interactive EntertainmentがBungie, Inc.(以下「Bungie」)の買収に関する確定契約を締結。

 

*2022年3月末時点。

 

・ 音楽事業

・ アーティストとソングライターにとって最も近い存在の企業であることをめざし、クリエイティブ側から彼らを支えることに注力。ストリーミングサービスの伸長により2014年から拡大を続ける音楽市場において、業界のリーダーとして継続的にヒットを生み出している。

・ インディーズレーベル: The Orchardを通じてインディーズレーベル所属アーティストをサポート。また、ブラジルの音楽レーベルであるSom Livreの買収、インドでの新レーベルの立ち上げなどにより、成長する新興市場でより多くのアーティストを世に送り出す取り組みを推進。

・ インディーズアーティスト: 音楽制作及び配給サービスを提供するAWALを通じ、レーベルに属さず活動する個々のアーティストを支えるサービスを強化。

・ 配信パートナーの拡大: ストリーミングサービスを営む配信パートナーに加え、多様なサービスパートナーと連携し、アーティストの活躍の場を拡大。

・ 国内では、「ソーシャル」でアーティストを発掘・拡散する取り組みを実施。

 

・ 映画事業

・ 音楽事業と同様に、クリエイターを支え、コンテンツIPを創出し、展開。

・ IP創出力の強化: テレビ番組制作に関して、ドラマ制作スタジオなど複数の買収を実行。

・ Sony Pictures Universe of Marvel Charactersの拡大: 映画製作においては劇場公開を重視する方針を維持。『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』は全米累計興行収入で歴代3位を記録。2022年4月にはMarvelのキャラクターである『モービウス』の映画を公開し、今後もSony Pictures Universe of Marvel Charactersの世界を拡げていく。

・ グループの多様性を活かしたIP展開: ゲームタイトルのIPを活用した映画やテレビ番組作品を制作。2022年2月に公開された映画『アンチャーテッド』に加え、今後も作品を展開予定。

・ Community of InterestにもとづくDTC: 劇場や配信パートナーとの連携を大切にする一方で、アニメファン向けのCrunchyrollや、インドの地域文化に根差したSonyLIVなど、Community of Interest(感動体験や関心を共有する人のコミュニティ)にもとづくDTCサービスを展開。また2021年末、SPEの子会社であるSony Pictures Networks India(以下「SPNI」)とZee Entertainment Enterprises Ltd.(以下「Zee」)の合併に関する確定契約を締結。本合併により、急成長するインドのメディア・エンタテインメント市場において、両社の強みを生かしデジタル配信サービスを強化していくことで、事業拡大とデジタル化をさらに加速していくことをめざす。

 

感動空間での新たなエンタテインメント体験の創出 - 二つの成長領域であるメタバースとモビリティ

 テクノロジーを通じてネットワーク空間が「ライブ」的に進化する中、成長が期待される「メタバース」領域において、多様な事業と、核になるゲーム技術を有するという独自の強みを活かし、新しいエンタテインメント体験を創出していきます。また、もう一つの成長領域である「モビリティ」においては、移動空間を新しいエンタテインメント空間に変え、モビリティの進化に貢献する取り組みを進めていきます。

・ メタバース/「ライブ」ネットワーク空間での取り組み

・ ゲーム領域におけるライブサービス、スポーツ領域におけるマンチェスター・シティ・フットボール・クラブとの協業、音楽領域におけるソニーミュージックのアーティストによる仮想空間でのライブなど、新しいライブエンタテインメント体験の創出のための取り組みを強化。

 

・ モビリティ空間での貢献

・ 「セーフティ」、「エンタテインメント」、「アダプタビリティ」の3つの領域でモビリティの進化に貢献。その一環として、本田技研工業株式会社との戦略的提携の協議を進め、2025年のEV(エレクトリック・ビークル)の販売開始をめざす。

 

エンタテインメントの進化を支えるテクノロジー – センシングとAI技術

 センシングとAI技術は、モビリティの安全を支えるADAS(Advanced Driver-Assistance Systems)で重要な役割を果たしており、また、ソニーが長年取り組んできた音と映像の領域では撮影における画像認識、ゲームや映画製作、3Dモデルの製作などにおいても活用されています。さらに、バーチャルプロダクション、スポーツ、VRなどの領域でも、現実世界を捉えるセンシング技術と、捉えた世界から学ぶAIの技術で、エンタテインメントの進化を支えます。

 

・ クリエイターに近づくテクノロジー

・ Crystal LEDを用いたバーチャルプロダクションや、最先端AIを活用してアスリートの動きをバーチャルに再現するHawk-Eye Innovations(以下「ホークアイ」)のトラッキングシステムなど。

 

・ ユーザーに近づくテクノロジー

・ 次世代VRシステムであるPlayStation®VR2、ゲームの世界での体験価値向上につながるAIエージェント、好奇心をもち人と寄り添いながらともに成長していくaiboなど。

 

第四次中期経営計画 数値目標とその進捗

<数値目標>

・ 当社は、2021年4月28日に2021年度から2023年度の3年間の中期経営計画(以下「第四次中期経営計画」)の数値目標を発表しました。

・ 経営を引き続き長期視点で行っていくため、経営指標には3年間累計の指標を用いることとし、3年間累計の調整後EBITDA*を最も重視する経営指標(グループKPI)としました。2021年度から2023年度までの3年間において、連結ベースで累計4兆3,000億円の調整後EBITDAを創出するという数値目標を設定しました。

・ 調整後EBITDAは、一時的な損益の影響を含まないことから、事業の持続的な収益力を表わすとともに、金融事業を含むグループ全体の投資とそのリターンの循環による中長期での事業拡大をマネジメントの観点から確認することができ、さらに企業価値評価との親和性も高い指標であることから、ソニーが重視する長期視点での経営に適した経営指標であると考えています。

・ 第四次中期経営計画におけるキャピタルアロケーションについては、その計画期間を超えた長期的な事業の成長に向けて、設備投資に1兆5,000億円、自己株式の取得を含む戦略投資に2兆円以上を配分する計画としました。配当については、従来どおり、長期、安定的に増額していく方針としました。このキャピタルアロケーションの原資として、2021年度から2023年度の3年間で累計3兆8,000億円以上のキャッシュを創出する見通しとしました。これには、金融分野を除くソニー連結ベースの営業活動によるキャッシュ・フロー3兆1,000億円以上、必要に応じて実行される事業や資産の売却及び厳格な財務規律の範囲内での借り入れによるキャッシュ・インフロー3,000億円以上、ならびに第三次中期経営計画期間(2018年度から2020年度の3年間)及びそれ以前からの繰り越し分4,000億円が含まれます。

 

<進捗>

・ 2021年度の調整後EBITDA実績は1兆5,979億円**となりました。重点投資領域であるG&NS、音楽、映画、I&SSの4分野が成長を牽引し、売上高は当初計画に比べ、より高い成長カーブ上にあり、営業利益についても第三次中期経営計画期間からは一段切り上がった水準となることを見込んでいます。

・ キャピタルアロケーションについては、I&SS分野において、より旺盛となるイメージセンサーの需要に対し成長機会を確実に捉えるため、設備投資を当初見通しから約2,000億円増額する一方、戦略投資は2兆円以上に据え置いています。

 

・ 戦略投資の進捗は、自己株式取得実績974億円(2022年4月28日現在)を含め、2022年5月10日時点までの実行済及び意思決定済案件の合計が約1兆600億円となっており、長期的な成長に向けた投資の実行は、着実に進んでいます。自己株式取得については、2,000億円を上限とした1年間(2022年5月11日~2023年5月10日)の取得枠を改めて設定し、引き続き戦略投資の一部と位置づけ、機動的に実施していく予定です。

 

*  調整後EBITDA(Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization)=当社株主に帰属する当期純利益+非支配持分に帰属する当期純利益+法人所得税+金融収益・金融費用に計上される支払利息(純額)-金融収益・金融費用に計上される資本性金融商品の再評価益(純額)+減価償却費・償却費(コンテンツ資産に含まれる繰延映画製作費及びテレビ放映権ならびに繰延保険契約費の償却費を除く)-当社が非経常的と判断する損益***

 

調整後EBITDAはIFRSに則った開示ではありませんが、ソニーはこの開示が投資家の皆様に有益な情報を提供すると考えています。調整後EBITDAはIFRSに則って開示されるソニーの経営成績及びキャッシュ・フローの状況を代替するものではなく、追加的なものとしてご参照ください。

 

** 2021年度のIFRSにもとづく当社株主に帰属する当期純利益と調整後EBITDAの調整については、以下の表をご参照ください。

 

 

2021年度

(億円)

当社株主に帰属する当期純利益

8,822

非支配持分に帰属する当期純利益

62

法人所得税

2,291

金融収益・金融費用に計上される支払利息(純額)

76

金融収益・金融費用に計上される資本性金融商品の再評価益(純額)

△662

減価償却費・償却費(コンテンツ資産に含まれる繰延映画製作費及びテレビ放映権ならびに繰延保険契約費の償却費を除く)

4,704

当社が非経常的と判断する損益***

△638

調整後EBITDA

15,979

 

*** 2021年度の当社が非経常的と判断する損益の詳細については、以下の表をご参照ください。

 

 

2021年度

(億円)

Game Show Network, LLCの一部の事業譲渡にともなう利益(映画分野)

700

ソニー生命の子会社における一時的な損失(金融分野)

△168

エムスリー㈱の関連会社が上場にともない新株発行を行ったことによるエムスリー㈱で計上された持分変動利益に係る持分法投資利益(その他分野)

51

一部の米国子会社における確定給付型年金制度終了にともなう清算益(主に全社(共通)及びセグメント間取引消去)

55

合計

638

 

 分野別の2021年度の実績ならびに分野別の事業環境及び事業戦略については、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」もあわせてご参照ください。

 

新型コロナウイルス感染拡大への対応方針

 新型コロナウイルス感染拡大に対しては、社員と社員の家族、そしてお客様をはじめとするステークホルダーの安全確保、感染拡大の防止を最優先に取り組んでいます。また、社会やお客様からの要請にできるだけ応えるとともに、事業への影響を最小限に抑えるべく、情報収集に努め、必要な対応を迅速に行っています。さらに、前述のとおり、新型コロナウイルス感染拡大により世界各地で影響を受けている人々に対する支援基金を立ち上げるなど、引き続きグローバルカンパニーとしての社会的責任を果たしていきます。(ソニーの新型コロナウイルス感染拡大に対する取り組みの詳細については、https://www.sony.com/ja/SonyInfo/covid_19_response/をご参照ください。)

 

環境中期目標「Green Management(グリーンマネジメント) 2025」

 ソニーは、気候変動、資源、化学物質、生物多様性の領域において、2050年までに自社の事業活動及び製品のライフサイクルを通して「環境負荷ゼロ」を達成することを長期的ビジョンとして掲げています。気候変動に関しては、世界的に気候変動リスクが顕在化・深刻化し、脱炭素化社会への移行に向けた対応が喫緊の課題となる中、環境負荷低減活動を加速し、気候変動領域における「環境負荷ゼロ」の達成目標年を2040年に前倒しすることを2022年5月に発表しました。「環境負荷ゼロ」達成のために、2025年度までに成し遂げなければならないことを達成目標年から逆算し、中期目標を定めています。

 当社は、2020年9月に、2021年度から2025年度までのグループ環境中期目標「Green Management(グリーンマネジメント) 2025」を策定しました。この中期目標では、以下の4点を重点項目とし、環境負荷を低減するための様々な施策を推進しています。

 

・ 製品のプラスチック使用量の削減、及び省エネルギー化

 近年深刻化している海洋プラスチック汚染問題などを踏まえ、エレクトロニクス領域においては、新たに設計する小型製品のプラスチック包装材を全廃します。また、その他の製品を含め製品1台あたりのプラスチック包装材使用量を10%*削減します。製品本体では、製品1台あたりの石油由来バージンプラスチック使用量の削減目標値を10%*とし、再生プラスチックの導入を加速します。製品のライフサイクルにおける温室効果ガス排出量の大半を占める製品使用時の削減施策として、製品1台あたりの年間消費電力量5%*削減をめざします。

 

* 数値は2018年度比の平均削減率です。

 

・ 再生可能エネルギーの利用拡大など、事業所での気候変動対策

 当社は国際NGO団体であるThe Climate GroupがCDPとのパートナーシップの下で運営するイニシアチブである「RE100」に加盟しており、自社の事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーにすることをめざしています。2022年5月に、RE100達成目標年をこれまでの2040年から2030年に前倒しすることを発表しました。これを踏まえ、全世界の事業所における総電力使用量に占める再生可能エネルギー由来電力の使用率目標も35%*以上に引き上げました。引き続き、事業所の所在する地域状況に合わせた導入を実施していきます。

 

*「Green Management 2025」では、RE100の規定に則り、事業所で使用する再生可能エネルギー由来電力使用量はパーセンテージで目標を設定しています。

 

・ 製造委託先を含むサプライチェーンへのエンゲージメント強化

 ソニーは、従前より原材料・部品サプライヤー及び製造委託先に協力を求めることで、サプライチェーンにおける環境負荷低減をめざしてきました。「Green Management 2025」では、さらに以下に関するサプライヤー及び製造委託先とのエンゲージメントを強化していきます。

・ 温室効果ガス排出量について、国際社会で求められている長期的な削減目標を意識した中長期目標の設定と進捗管理

・ 立地に依存する水枯渇リスクを考慮した水使用量削減目標の設定と進捗管理

・ ソニーが指定する物質の製造プロセスでの使用禁止と適正管理の継続

 

・ エンタテインメント領域を中心とした、持続可能性の課題に関する啓発活動の強化

 ソニーはこれまでグループ全体で、世界各国20億人以上に対して、主催するイベントやエンタテインメント分野の映画キャラクターなどを活用し、環境を含む、「持続可能な開発目標(SDGs)」に関する啓発活動を実施してきました。今後もこうした活動を推進し、ソニーのエンタテインメント・コンテンツなどを通して250万人以上に環境活動への参画を促すことをめざします。

 

 前回の環境中期目標であった「Green Management 2020」において設定された気候変動の目標は、日本企業で初となる「Science-Based Targets(SBT)」*に認定されています。「Green Management 2025」策定にあたり、さらに長期的な視野から検討し、達成を2035年度とした気候変動目標が、科学的な根拠にもとづいた「1.5℃目標」としてSBTに再度認定されました。「Green Management 2025」はその目標達成に向けたマイルストーンとなっています。

 

*気候変動による世界の平均気温の上昇を、産業革命前と比べ1.5度に抑えるという目標に向けて、科学的知見と整合した削減目標を企業が設定することを推進する国際イニシアチブ。

 

 また、当社はWWF(世界自然保護基金)が実施する温室効果ガス排出削減プログラムであるクライメート・セイバーズ・プログラムに引き続き参加します。気候変動に係る目標については、その難易度及び進捗状況について、WWF及び第三者認証機関による検証を受けています。

 

 「Green Management 2025」及び環境への取り組みの詳細は、ソニーのサステナビリティレポート(https://www.sony.com/ja/SonyInfo/csr_report/)をご参照ください。

 

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