当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき、作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産、負債の報告数値及び報告期間における収益、費用の報告数値に影響を与える見積りを行わなければなりません。
経営陣は、営業債権、棚卸資産、投資、退職給付債務、繰延税金資産、税金費用及び財務活動等に関する見積り及び判断に対して評価を行っております。また、過去の実績や状況に応じて合理的だと考えられる見積り及び判断を行いますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
この連結財務諸表の作成に当たり、見積りが必要となる、営業債権、棚卸資産、投資、退職給付債務、税金費用及び財務活動等事項の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
流動資産は、前連結会計年度末比107百万円増加し7,784百万円となりました。主な要因は現金及び預金が122百万円、売上債権が67百万円、棚卸資産85百万円がそれぞれ増加し、流動資産その他に含まれる未収入金が155百万円減少したことによるものであります。
現金及び預金、売上債権の増加は売上高が増加したためであり、棚卸資産の増加は一部部材入手が困難な原材料に対処するため経営判断として増加させたためであります。未収入金の減少は、前連結会計年度末に計上された補助金が入金されたためであります。
固定資産は、前連結会計年度末比459百万円減少し4,947百万円となりました。主な要因は、リース資産(有形)116百万円、建物及び構築物、機械装置及び運搬具、その他に含まれる工具器具備品が減価償却等により104百万円、設備の完成により建設仮勘定が97百万円、リース資産(無形)が48百万円、繰延税金資産が42百万円、投資その他の資産その他に含まれる保険積立金が50百万円それぞれ減少したことによるものです。
流動負債は、前連結会計年度末比450百万円減少し4,244百万円となりました。主な要因は、短期有利子負債412百万円、支払債務が148百万円、未払費用が57百万円、未払金が49百万円それぞれ減少し、賞与引当金が84百万円、未払法人税等が70百万円、未払消費税等が65百万円増加したことによるものです。
有利子負債の減少はグループ内資金の効率的運用によるもので、支払債務は期末における原材料の仕入減少によるものであります。また、賞与引当金の増加は業績が好調の為計上したものであります。
固定負債は、前連結会計年度末比634百万円減少し3,807百万円となりました。主な要因は退職給付に係る負債が276百万円、長期借入金278百万円及びリース債務(固定)150百万円がそれぞれ減少し、繰延税金負債が76百万円増加したことによるものです。退職給付に係る負債の減少は構造改革による退職で人員が減少したためであります。
純資産合計は、前連結会計年度末比732百万円増加し4,679百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益を計上し、利益剰余金が599百万円、期末における円安により為替換算調整勘定が221百万円、株高によりその他有価証券評価差額金が30百万円それぞれ増加し、自己株式の買い取りにより純資産が153百万円減少したことによるものです。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は36.8%となりました。当社グループの場合、設備投資は必須でありますので、中長期的に適正な配当性向に留意しつつ純資産の充実に努めるべきであると判断しております。
当連結会計年度におけるわが国経済は、4~9月は新型コロナウイルス感染症の影響が続いたものの、各国において様々な工夫がなされ、経済活動も徐々に動き始め緩やかに推移いたしました。10~3月は総じて回復基調にあるもののワクチンの接種状況や変異株の影響に加え、原材料の高騰、電力料の高騰など景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
当社グループの属する電子部品業界におきましては、テレワーク急増によるパソコン需要の増加等はありましたが、車載部門では半導体不足による影響の拡大が今後の経済活動に影響を与える可能性があります。
このような情勢下、当社グループは営業活動を強化し通期としては中国を中心に需要が堅調に伸び、10~3月には車載用電装部品を中心に半導体供給不足や新型コロナウイルス感染症の影響により軟調に推移いたしましたが、売上高は 9,511百万円(前年同期比20.9%増)となりました。
利益面につきましては、売上高増と不採算製品の価格見直し及び生産子会社の生産活動が好調に推移しましたため、営業利益は795百万円(前年同期は48百万円)となりました。また、営業外収益には急激な円安により、為替差益を83百万円計上し、経常利益は885百万円(前期比338.5%増)となりました。法人税、住民税及び事業税を176百万円、法人税等調整額を91百万円それぞれ計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は630百万円(前年同期は161百万円の損失)となりました。
一部の不採算製品の価格見直しによる効果と中国市場が堅調に推移したことにより、売上高は4,431百万円(前期比29.4%増)となりました。売上高の増加などにより、セグメント利益(営業利益)は、1,026百万円(前期比98.1%増)となりました。今後も生産体制を維持しつつ、需要状況を注視してまいります。
新型コロナウイルス感染症の影響を受けつつも、年間を通して堅調に推移いたしましたが、一部半導体の供給不足による客先の生産調整により減少したものもあるなか、 売上高は4,777百万円(前期比13.4%増)となりました。当セグメントは減価償却費など固定費比率が高いものの、売上高の増加に伴い、セグメント利益(営業利益)は、357百万円(前期比631.5%増)となりました。
その他部門の売上は年間を通して堅調に推移し、 売上高は301百万円(前期比32.6%増)となりましたが、セグメント利益(営業利益)は60百万円(前期比39.3%減)となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 車載用電装部品は、半導体供給不足の影響で多くの自動車メーカーが減産したことによるものであります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ、121百万円増加し、3,195百万円となりました。
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは1,219百万円の資金の増加(前連結会計年度は558百万円の増加)となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益897百万円、減価償却費661百万円、補助金の受取額124百万円、賞与引当金の増加83百万円、役員賞与引当金増40百万円によるものであります。主な減少要因は、退職給付に係る負債の減少276百万円、仕入債務の減少226百万円、法人税等の支払額95百万円の減少によるものであります。
当連結会計年度における投資活動のキャッシュ・フローは161百万円の資金の減少(前連結会計年度は186百万円の減少)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出234百万円と投資有価証券の売却による収入39百万円、その他収入41百万円によるものであります。
当連結会計年度における財務活動のキャッシュ・フローは1,056百万円の資金の減少(前連結会計年度は1,210百万円の増加)となりました。主な増加要因は、長期借入による収入600百万円によるものであります。主な減少要因は、短期借入金の純増減額264百万円、長期借入金の返済1,036百万円、リース債務返済のための支出172百万円、自己株式の取得による支出153百万円によるものであります。
設備投資は今後も継続する予定でありますが、現在計画されている設備投資は、今後の利益計画、減価償却の範囲を大きく逸脱することのないものと考えております。ウクライナ侵攻による物価高騰や半導体不足の影響が当面続くと想定し、経営の安定を図るべく手元資金を厚くすることを目的とし、金融機関から資金の借入を行っており、資金の流動性を高く保っております。また、当面の間、増資等の予定はありません。
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