課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、創業理念「お客様への奉仕を通じて、社会の繁栄、世界の平和に貢献する」ことをミッションとし、豊かで平和な社会を実現するために不可欠な周波数の制御と選択、検出に関連する製品の専業メーカーとして、業界をリードする高信頼性商品を開発、製造、販売することにより、お客様に喜んでいただくことを経営の基本としております。

 

(2) 経営環境及び対処すべき課題

当社グループは、2020年度(2021年3月期)から2022年度(2023年3月期)までの中期経営計画(以下、「前中期経営計画」といいます。)のもと、当社単体を対象とした希望退職の実施、SAWフィルタ事業の一部譲渡、連結子会社の人員合理化等の構造改革を進め、固定費の圧縮及び収益力の強化による強固な経営体質の構築に努めてまいりました。これにより、2018年度(2019年3月期)より取り組んでまいりました一連の構造改革について完了の目途が立ったことに加えて、当社を取り巻く事業環境も前中期経営計画策定当時とは大きく変わり、車載、移動体通信向けを中心に、想定を上回るペースで業績は回復しました。この結果、前中期経営計画の経営目標を1年前倒しで達成する見通しとなりました。

今後は、高速通信規格「5G」需要の本格化や、自動車に搭載されるADAS(先進運転支援システム)機器の増加といった、当社が強みとする高精度・高信頼の水晶デバイスの需要が大きく増加すると見込んでおります。このような状況を踏まえて、当社は構造改革から成長フェーズへの移行を図るとともに、更なる企業価値向上を実現するため、前中期経営計画の期間を1年前倒しし、新中期経営計画を策定いたしました。

① 車載及び5G関連事業の盤石化

車載及び5G関連(移動体通信、産業機器)向けでの売上高の拡大及び高収益体質を維持・強化

・車載:高品質で信頼性の高い製品を供給し、高シェアを維持

・移動体通信:5Gスマホ用小型・高周波品(フォトリソグラフィー技術の活用)を強化

・産業機器:5G基地局向け小型OCXO(恒温槽付き水晶発振器)を強化

② 成長戦略実現に向けた積極的な投資戦略

車載・移動体通信向けの需給状況に鑑みた増産投資、先端製品開発(フォトリソグラフィー技術、小型・高周波領域等)投資、インフラ更新、システム基盤構築を実施

③ 資本効率性向上及び財務体質健全化に向けた財務戦略

・資本効率を意識した経営を実践すべく新たにROIC指標を導入

・在庫の最適化・適切な投資判断・実行により投下資本を効率化

・A種種類株式の2022年5月26日までの全額償還、借入金の着実な圧縮により財務体質を健全化

今後は、新中期経営計画の達成に邁進するとともに、2030年を見据え、中長期的に向かうべき方向性や新たに取り組むべき事業を明確にし、新生NDKとして持続的な成長に向けた大きな飛躍の期間としてまいります。具体的には、通信規格の高度化(5Gから6Gへ)、IoT社会の更なる拡大・進展に向けて、新たな市場への参入及び新たなビジネスモデル構築を目指します。また、2050年までのカーボンニュートラル実現に向けた取り組みを推進してまいります。

 

(3) 新中期経営計画における数値目標

新中期経営計画で掲げております数値目標は、計画最終年度となる2025年3月期に売上高580億円、営業利益率11%、ROIC10%、自己資本比率40%であります。

 

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