業績

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における電子部品業界は、半導体不足や世界的なサプライチェーンの混乱により、自動車をはじめとする最終製品の減産につながるなど混乱が見られました。今後も新型コロナウイルス感染症対策のロックダウンに起因する生産調整や、ウクライナ情勢等による資源価格やエネルギー価格の上昇等による生産コストの高騰など不透明感は継続しております。

このような状況の中当社グループでは、受注面は自動車の減産や中国ロックダウンによるスマートフォンの減産の影響が年後半に見られました。販売面では、車載向け基板は顧客内のシェアが拡大していることに加え、電装化による需要拡大が継続しました。スマートフォン向け基板においても顧客内シェアが拡大し、これ以外の商品においても全般的に販売が増加しました。収益面では、各工場の高稼働が継続する中、全社的なコスト削減策や歩留まり改善等の施策により好調に推移しました。これに加え、為替が円安で推移したことにより当連結会計年度の売上高と利益は過去最高を更新しました。

以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高151,275百万円(前期比26.8%増)となり、営業利益13,255百万円(前期比99.1%増)、経常利益14,294百万円(前期比150.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益11,451百万円(前期比146.7%増)となりました。

 

また、財政状態につきましては、当連結会計年度末の資産合計は168,328百万円となり、前連結会計年度末に比べ26,288百万円増加しました。当連結会計年度末の負債合計は109,642百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,213百万円増加しました。当連結会計年度末の純資産合計は58,686百万円となり、前連結会計年度末に比べ18,075百万円増加しました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、10,450百万円となり、前連結会計年度に比べ1,671百万円減少しました。
 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

  営業活動の結果得られた資金は、13,975百万円で、前連結会計年度に比べ6,121百万円増加しました。増加の主な内訳は、税金等調整前当期純利益12,612百万円、減価償却費7,994百万円、仕入債務の増加1,567百万円であり、減少の主な内訳は、売上債権の増加3,617百万円、棚卸資産の増加5,384百万円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

  投資活動の結果使用した資金は、11,785百万円で、前連結会計年度に比べ2,295百万円支出が増加しました。支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出11,834百万円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

  財務活動の結果使用した資金は、4,730百万円で、前連結会計年度に比べ4,111百万円支出が増加しました。収入の主な内訳は、短期借入金の純増額6,195百万円であり、支出の主な内訳は、長期借入金の返済による支出8,304百万円、自己株式の取得による支出1,222百万円、配当金の支払額1,038百万円であります。

 

 

なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは、以下のとおりであります。

 

2020年3月

2021年3月

2022年3月

自己資本比率(%)

25.0

28.5

34.7

時価ベースの自己資本比率(%)

27.1

49.3

61.8

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

6.1

8.9

4.9

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

16.3

12.4

22.0

 

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

※  各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

※  株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しており、普通株式を対象としております。

※  営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いにつきましては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

当社グループの事業は、電子回路基板等の設計、製造販売及びこれらの付随業務の電子関連事業を主としております。

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

電子関連事業

154,999

29.1

合計

154,999

29.1

 

(注)  生産実績は、販売価格によっております。

 

b. 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

電子関連事業

159,186

27.5

32,975

32.3

合計

159,186

27.5

32,975

32.3

 

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

電子関連事業

151,142

26.9

その他

132

1.6

合計

151,275

26.8

 

(注) 1  「その他」区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、売電事業であります。

2  主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

Samsung Electronics Co., Ltd.

13,563

11.4

15,563

10.3

 

3  販売高には、当該顧客と同一の企業集団に属する顧客に対する販売高を含めております。

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営成績の分析

(売上高)

当社グループが属する電子部品業界においては、半導体不足等による顧客の生産調整の影響があったものの、自動車の電装化の進展による需要拡大が継続し、車載向け基板の販売が好調に推移したことなどから、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ32,018百万円増加し、151,275百万円(前期比26.8%増)となりました。

(売上総利益)

売上原価は、原材料価格の高騰の影響があったものの、売上高の増加に加え、全社的なコスト削減等を推進したことから22,147百万円増加し、123,880百万円(前期比21.8%増)となり、当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度に比べ9,870百万円増加し、27,394百万円(前期比56.3%増)となりました。また、売上総利益率は前連結会計年度に比べ3.4ポイント上昇し、18.1%となりました。

(営業利益)

販売費及び一般管理費は、研究開発費及び人件費の増加等により3,272百万円増加し、14,139百万円(前期比30.1%増)となり、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ6,597百万円増加し、13,255百万円(前期比99.1%増)となりました。また、営業利益率は前連結会計年度に比べ3.2ポイント上昇し、8.8%となりました。

(経常利益)

営業外収益は、為替差益の増加、助成金収入の減少等により1,294百万円増加し、2,090百万円となりました。営業外費用は、シンジケートローン手数料及び為替差損の減少等により704百万円減少し、1,050百万円となりました。その結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ8,597百万円増加し、14,294百万円(前期比150.9%増)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度において、特別利益は、投資有価証券売却益9百万円を計上したことなどにより、12百万円となりました。特別損失は、固定資産除売却損524百万円、事業構造改善費用226百万円、新型コロナウイルス感染症関連損失646百万円を計上したことなどにより、1,694百万円となりました。法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額は752百万円増加し1,175百万円、非支配株主に帰属する当期純損失は14百万円となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、11,451百万円(前期比146.7%増)となりました。 

 

財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末の資産は、168,328百万円となり、前連結会計年度末に比べ26,288百万円増加しました。流動資産において、現金及び預金が1,671百万円減少、受取手形及び売掛金が6,245百万円増加、棚卸資産が7,610百万円増加、固定資産において、有形固定資産が13,775百万円増加が主な要因であります。

(負債)

当連結会計年度末の負債は、109,642百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,213百万円増加しました。流動負債において、支払手形及び買掛金が3,853百万円増加、短期借入金が7,332百万円増加、1年内返済予定の長期借入金が2,342百万円減少、流動負債のその他が4,021百万円増加、固定負債において、長期借入金が5,959百万円減少が主な要因であります。

(純資産)

当連結会計年度末の純資産は、58,686百万円となり、前連結会計年度末に比べ18,075百万円増加しました。利益剰余金が10,413百万円増加、自己株式の取得等による1,441百万円減少、為替換算調整勘定が9,046百万円増加が主な要因であります。

 

 

経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、資本を効率的に活用して収益性を高める観点から、売上高営業利益率、自己資本利益率(ROE)を重要な指標と位置付けております。当連結会計年度における売上高営業利益率は8.8%(前期比3.2ポイント増)、自己資本利益率(ROE)は23.2%(前期比10.4ポイント増)となりました。引き続きこれらの指標について、改善できるよう取り組んでまいります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

資本の財源及び資金の流動性

(資金需要)

当社グループの運転資金需要の主なものは、製品製造のための原材料等の購入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。設備資金需要の主なものは、生産能力の適正化や製品の競争力維持のための生産設備等の取得であります。

(財務政策)

当社グループの運転資金につきましては、自己資金又は金融機関からの借入により資金調達を行うこととしております。国内外の生産設備取得等の投融資資金及び設備資金につきましては、金融機関からの長期の借入により資金調達を行う方針であります。調達時期、条件については、最も有利なものを選択するべく検討することとしております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。経営者は、この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

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