研究開発活動

5【研究開発活動】

 

当社グループにおける研究開発活動は、主に当社及び子会社のDGSHAPE株式会社で行っております。

当社グループは「イメージをカタチに」のビジョンのもと、デジタル技術の活用でプロセスを変革し、市場に関わる人々のビジネス創出に貢献できる製品や個人の想像力を実現するための製品を作るため、新しい価値の創造を目指した研究開発を推進しております。

当連結会計年度は、2021年度を初年度とする3ヶ年(2021年~2023年)の中期経営計画を策定し、「真に“創造・BEST・共感”のRDGに生まれ変わる」の基本方針のもと、「筋肉質な企業体質への変革」と「事業ポートフォリオの転換」を基本戦略に設定し、当社の強みを活かしながら「既存事業」は効率化により収益性を維持するとともに、「新興国」「新領域」に注力しました。また、「DP(デジタルプリンティング)事業」、「DGSHAPE(ディージーシェイプ)事業」の2事業を定め、デジタル制御技術をベースに多様な価値の実現と独自性を支える技術開発を推進しました。

なお、当社及び連結子会社の事業は、コンピュータ周辺機器の製造販売であり、区別すべき事業セグメントが存在しないため単一セグメントとなっており、セグメント情報に関連付けては記載しておりません。

 

プリンターでは、新たなオンデマンド印刷市場の開拓を目指すため当社独自の価値を付した製品開発に加え、UV硬化型インクジェット技術を用いた、特殊印刷、工業用途、オリジナルグッズ向けの製品開発や当社の強みを活かした地域パートナーとの協業による特定用途向けのカスタマイズ提案やさまざまな材料、形状に対する印刷技術の研究開発に取り組みました。また、ハードウェア性能のみならず、インク技術、カラーマネジメント技術を総合的に高めていくことで、顧客へのソリューション提案を目指し、製品開発に注力しました。

 

3月には、UV-LEDプリンターVersaUV(バーサユーブイ)LEC2シリーズのラインナップ強化として「LEC2-640/330」を発売しました。64インチモデルを新たに追加したことで、大型広告看板やインテリアのデコレーションから、食品、飲料などのパッケージ製作業務におけるデザイン校正まで用途の幅を広げました。4月には、プリンターの稼働状態や使用状況などの情報を当社と顧客の双方で共有することで安定した稼働状況を実現し、仕事の効率性を高めるコネクテッドサービス「Roland DG Connect(ローランドディージー・コネクト)」を開始しました。7月には、UV-LEDプリンターVersaUV LEC2シリーズで使用するUV硬化型EUV5インクの新色となる「オレンジ、レッド」の2種類のインクと、B1サイズのコートボール紙に対応したオプションの拡張テーブルユニット「ET-64」を発売しました。新色となるインクは、既存のCMYKインクに加えることでハードとインクのポテンシャルを最大限に引き出すTrue RichColor印刷設定と組み合わせにより、見る人の心を捉える、圧倒的な存在感を持ったグラフィック表現が行えるようになりました。また、新しいオプションの拡張テーブルユニットは、LEC2-640と組み合わせて使用することでB1サイズまでの紙器パッケージ用本紙を搬送できます。食品、薬品、化粧品などの小さなものから、酒瓶や家電製品、玩具など大きなものまで、さまざまなサイズの紙器パッケージの試作やモックアップ製作ができるようになりました。

8月には、サイン市場向けの大型カッティングマシンCAMM-1(キャムワン)の後継機として、「GR2-640/540」発売しました。10月には、デスクトップサイズのインクジェットプリンターVersaSTUDIO(バーサスタジオ)BNシリーズの新製品「BN-20A」を発売しました。ビジネスプリンターとしての高い基本性能と使いやすさはそのままに、インクタイプをCMYKの4色に絞ることで、お求めやすい価格を実現いたしました。

工作機器では、製造業や彫刻業、教育機関等の3Dものづくり市場を基盤に、デジタル化の進展が見込めるデンタル市場の成長を加速させると共に、IoT技術等も取り入れ、新たな価値提案を創出することで、事業の拡大を図ってまいります。

注力市場であるデンタル市場の成長に向けてデンタル加工機DWXシリーズや、デンチャー、カスタムアバットメントなどを製作するための各種オプション製品は、グローバルで高い需要が期待され大きな注目を集めております。コネクテッドサービスDWINDEX2ソリューションにおいては、世界中で稼働するデンタル加工機がDGSHAPE Cloudへ5,500台以上接続されました。12月には歯科医療従事者向けに稼働マネジメントIoTソフトウエアDWINDEX2のウェビナーを開催しました。歯科技工所にご参加いただき、弊社によるデモンストレーションの他、DWINDEX2を実際に使用いただいているご担当者様にインタビューを行い、どのようにデータを活用しているのかご紹介いただきました。お客様のビジネスの効率化・ダウンタイム低減など、歯科技工所から歯科医院までさまざまなニーズに対応し他社にない付加価値を提供してまいります。

 

なお、当社グループの開発部門人員は、2021年12月31日現在172名であり、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の金額は3,106百万円であります。

 

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