文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは「豊かな自然環境の保護・存続を使命とし、技術革新に努め、生産活動を通じて、広く社会に貢献する。」という経営理念の下、社会インフラ向けの情報通信機器及び関連サービスを提供する企業グループとして、社会の安定・発展に貢献し、企業価値の向上を目指すことで、持続的成長を遂げてまいります。
(2) 経営戦略等
当社グループは、大井電気㈱及びオオイテクノ㈱が主に情報通信機器製造販売事業を、日本フィールド・エンジニアリング㈱及び日本テクニカル・サービス㈱が主にネットワーク工事保守事業を営んでおります。各社の自立経営を基本としつつ、グループ間でのシナジーを発揮することで、グループ全体での事業規模・利益拡大を図ってまいります。
各セグメントの経営戦略は以下のとおりです。
(情報通信機器製造販売)
情報通信機器業界は、事業環境の変化が激しく、特に成長分野においては競争が激化する傾向にあることから、将来を見据えた研究開発・人材育成を着実に推進するとともに、コスト競争力の強化に取組むことで、中長期的な事業規模の拡大・利益成長を目指してまいります。
社会インフラ(電力、鉄道、官公庁、通信キャリア等)向けの情報通信機器については、シェアの拡大を図るとともに、第5世代移動通信システム(5G)の普及、インターネット利用拡大によるデータトラヒックの増大を背景としたOTN(*1)プラットフォーム機器を主力とした「光多重伝送システム事業」、IoT関連に利用されるLPWA(*2)事業等の昨今の通信インフラの多様化・効率化ニーズに対応した「IoTシステム事業」、主に地方自治体向けの「防災・減災ソリューション事業」の3事業を成長ドライバーとして事業規模の拡大を図りつつ、エネルギーマネジメントシステム関連事業等の社会的ニーズの高い新規事業に積極的に取組んでまいります。
*1 Optical Transport Network
*2 Low Power Wide Area
(ネットワーク工事保守)
ネットワーク工事保守事業につきましては、安全確保を大前提に、従来から実施している事業の着実な展開に加え、品質調査から設計・工事・保守までを一気通貫に行える技術・要員・体制の整備をさらに進め、携帯基地局工事を始めとする事業領域の拡大・利益成長に取組んでまいります。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、より一層のお客様への貢献を通じて中長期的な成長を目指して2022年度を最終年度とする3年間の中期計画を策定し、これの達成に向け事業活動を推進して参りました。しかしながら、策定後における新型コロナウイルス感染症の感染拡大や全世界規模の部材調達問題の影響等の事業環境の変化により、現時点における2022年度の業績予想と乖離が生じており、連結売上高については当初の中期計画を達成する見込みであるものの、連結営業利益については達成が困難な見込みとなっております。
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単位:百万円 |
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2022年度 |
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(中期計画最終年度) |
(予想) |
連結売上高 |
28,000 |
28,200 |
連結営業利益 |
1,100 |
640 |
(4) 経営環境
当社グループの属する情報通信機器業界は、第5世代移動通信システム(5G)に代表される新たな情報通信ニーズ、増大する通信トラヒックへの対応として通信インフラへの設備投資が拡大基調にあること、IoT技術の利用による未開拓分野への情報通信技術の適用拡大を背景に、情報通信機器市場のより一層の拡大が期待されています。加えて新型コロナウイルス感染症拡大に伴うテレワークの導入拡大、働き方改革の推進に必要な情報通信環境整備、DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展や巣ごもり需要の増加等が情報通信設備の需要を後押ししております。
一方で情報通信技術の発展に伴う技術の更なる高度化、情報通信機器のコモディティ化が進展しており、これに対応するためには技術力及び製品付加価値の継続的な向上が必須であります。また、新型コロナウイルス感染症拡大やその他複合的な要因から、世界的な半導体不足を始め部材調達において不透明な状況が発生しております。当社の製造計画に及ぼす影響のみならず、顧客の投資計画が流動的となる可能性についても注視する必要があると考えております。
当社グループといたしましては、こうした環境変化に対応して、安定的な収益基盤の構築を図り、成長分野に向け、引き続き以下の具体的施策の展開を推進してまいります。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 経営体質の強化
当社グループは、電力会社・官公庁等の事業の関係から下半期に売上計上が集中し、また、顧客の調達方針の変化等が業績に与える影響も大きいことから、収益規模変動に柔軟に対応できる経営体質を確保してまいります。具体的には、生産性向上活動の推進や事業性を吟味した設備投資、原価低減に資する生産・調達方式の検討・実践、そのために必要な資金調達手段の確保等に取組んでまいります。
② 企業価値向上に向けた取組み
コア技術や将来方向を見据えた人的資源の配置と人材育成に努めるとともに、コンプライアンス、環境等の社会的責任課題に対して、全体最適の観点から企業価値向上に取組んでまいります。
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