業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は持ち直しの動きがあるものの、国際情勢等の不透明感が強まるなか、供給面での制約や原材料価格の上昇、さらには金融資本市場の変動による下振れリスクの高まりなど、予断を許さない状況が続いております。

このような環境のなか、当社グループは家庭用ガス警報器関連、工業用定置式ガス検知警報器関連、業務用携帯型ガス検知器関連ならびに、住宅用火災警報器関連の開発、さらには独自のガスセンサ技術を活かした保安機器や省エネルギー機器の開発、コロナ対策関連機器や社会共創を目的とした環境対応機器の開発、各種通信技術を活かした長距離データ通信や各種情報(天気・災害・防災その他)をお知らせする機能を付加したIoT機器等の開発等を行ってまいりました。さらに、当社グループのネットワークを活かし世界中のガス事故ゼロを目指し、より一層、安全・安心で快適な環境づくりに貢献するため、高性能・高品質・高付加価値製品の開発に取り組むとともに、積極的な営業活動を展開して業績の向上に努めてまいりました。

その結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

a.財政状態

当連結会計年度末の財政状態について、総資産は、前連結会計年度末に比べ4,368百万円増加して50,181百万円(前期比9.5%増)となりました。

これは主に、棚卸資産の増加1,812百万円、投資有価証券の増加705百万円、受取手形及び売掛金の増加668百万円、現金及び預金の増加476百万円によるものであります。

負債は、前連結会計年度末に比べ726百万円増加して11,178百万円(前期比6.9%増)となりました。

これは主に、長期借入金の減少410百万円があったものの、未払法人税等の増加447百万円、電子記録債務の増加302百万円、賞与引当金の増加231百万円、支払手形及び買掛金の増加110百万円によるものであります。

純資産は、前連結会計年度末に比べ3,642百万円増加して39,002百万円(前期比10.3%増)となりました。

これは主に、その他有価証券評価差額金の減少372百万円があったものの、利益剰余金の増加3,333百万円、非支配株主持分の増加493百万円によるものであります。

この結果、自己資本比率は72.8%(前期末比0.0%減)となりました。

b.経営成績

当連結会計年度においても、首都圏や関西圏を中心とした緊急事態宣言、その後のまん延防止等重点措置の発令により、当社グループの事業活動は、お客様への訪問といった営業活動を中心にほぼ一年を通じて制限されることとなりました。さらに、下期以降は半導体をはじめとする原材料の供給面での制約、価格の上昇など、生産活動における制約が事業活動へ影響を及ぼしました。このような状況のなか、当社グループにおいては、海外市場における警報器ならびにガスセンサの需要が好調に推移し、海外向け売上高の増加に結び付きました。また、家庭用では国内で業界初となるCO反応式の住宅用火災(煙式)・CO警報器を販売、さらに当社の業務用主力製品の一つである吸引式の携帯用ガス検知器を大幅にリニューアルいたしました。

その結果、売上高は34,335百万円(前期比16.1%増)となりました。利益につきましては、経常利益は6,045百万円(前期比62.8%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は3,775百万円(前期比53.5%増)となりました。

当社グループの事業は、ガス警報器事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載の代わりに商品別概況を記載いたしております。

当社グループの商品別概況は、次のとおりであります。

家庭用ガス警報器関連

都市ガス用につきましては、 海外市場における警報器ならびにガスセンサの需要が好調に推移し、前期を上回りました。

LPガス用につきましては、システム型警報器の販売が順調に推移し、前期を上回りました。

その結果、家庭用ガス警報器関連の売上高は16,532百万円(前期比19.3%増)となりました。

工業用定置式ガス検知警報器関連

国内の電力、石油、化学ならびに国内外のエレクトロニクス業界向けのガス検知警報器の販売が好調に推移し、売上高は9,489百万円(前期比19.7%増)となりました。

業務用携帯型ガス検知器関連

国内の鉄鋼業界の販売が好調に推移し、売上高は5,797百万円(前期比6.4%増)となりました。

商品区分

売上高(千円)

構成比(%)

前期比(%)

家庭用ガス警報器関連

16,532,995

48.2

119.3

工業用定置式ガス検知警報器関連

9,489,599

27.6

119.7

業務用携帯型ガス検知器関連

5,797,768

16.9

106.4

その他

2,515,488

7.3

107.6

合    計

34,335,851

100.0

116.1

なお、当社グループは、「中期経営計画2022-2024」において営業利益率を12%以上にすることを目標としております。当連結会計年度における営業利益率は15.8%となりました。

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、投資活動及び財務活動において減少したものの、営業活動において増加し、前連結会計年度末に比べ392百万円増加して14,572百万円(前期比2.8%増)となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、3,303百万円(前期比11.6%減)となりました。

これは主に、棚卸資産の増加1,712百万円及び法人税等の支払額1,436百万円があったものの、税金等調整前当期純利益6,027百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果流出した資金は、2,198百万円(前期比225.6%増)となりました。

これは主に、投資有価証券の取得による支出1,208百万円及び有形固定資産の取得による支出837百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果流出した資金は、990百万円(前期比171.7%増)となりました。

これは主に、配当金の支払額433百万円及び長期借入金の返済による支出410百万円によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

当社グループの事業は、ガス警報器事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載の代わりに、商品別実績を記載しております。

a.  生産実績

当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。

商品区分

当連結会計年度

(自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

前年同期比(%)

家庭用ガス警報器関連(千円)

16,621,669

125.9

工業用定置式ガス検知警報器関連(千円)

5,809,054

101.1

業務用携帯型ガス検知器関連(千円)

3,725,406

103.2

その他(千円)

2,365,610

106.5

合計(千円)

28,521,741

115.1

(注)  金額は、販売価格によっております。

b.  受注実績

当社グループは見込生産を主体としているため、受注実績の記載を省略しております。

c.  販売実績

当連結会計年度における販売実績につきましては、「第2  事業の状況  3  経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要  ①財政状態及び経営成績の状況  b.経営成績」をご参照ください。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

①財政状態の分析

当連結会計年度の財政状態の分析につきましては、「第2  事業の状況  3  経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要  ①財政状態及び経営成績の状況  a.財政状態」をご参照ください。

②キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2  事業の状況  3  経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要  ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

③経営成績の分析

当連結会計年度の経営成績の分析につきましては、「第2  事業の状況  3  経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要  ①財政状態及び経営成績の状況  b.経営成績」をご参照ください。

④資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、試験研究費のほか、原材料費、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、生産設備、研究開発用機器などの設備投資によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

なお、当連結会計年度末における借入金の残高は1,252百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は14,572百万円となっております。

⑤重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたり採用している重要な会計方針については、「第5  経理の状況  1.連結財務諸表等  (1)連結財務諸表  連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しているとおりであります。

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