業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の概要

  当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

   ① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における世界及び日本経済は、新型コロナウイルス感染症拡大によって停滞していた経済活動が、ワクチン接種の効果などにより徐々に回復に向かいました。一方で、ロックダウンや感染防止対策による社会経済活動の制限の繰り返しに加え、半導体の世界的な需給ひっ迫、原材料価格の高騰の影響などから、景気の先行きは引き続き不透明な状況で推移しました。

当社グループが属する情報通信機器業界におきましては、コロナ禍で定着したリモート接続や昨今求められるデジタル変革への対応でネットワークの快適化や強靭化への需要が高まっています。とりわけ、ワイヤレス通信やITインフラ運用管理を簡素化する仮想化/クラウド化技術などが注目を集める一方、頻繁に発生するサイバー攻撃に備えたサイバーセキュリティ対策が社会の重要課題となっています。

このような状況の下、当社グループはデジタル化社会を支える重要なインフラを担う会社として、市場動向に基づく最新技術の製品化とサービスの開発/事業化を進め、サイバーセキュリティ対策やITインフラの管理・運用に優れたソリューション、高付加価値サービスの拡販を強化してまいりました。営業・販促面では、オンラインによる各種セミナーを実施し、再開し始めたオフラインでのイベント出展などを通して新規顧客開拓に努め、積極的かつ効果的なプロモーション活動を展開してまいりました。さらに、営業・サービス体制の強化を図るため、主に日本で人員増強を図りつつ海外で適材適所の人材配置に取り組むなど経営の効率化を進めました。

当連結会計年度の業績は、「GIGAスクール構想」関連の受注増加などによって期初から好調に推移した日本での売上が大幅に増加し、また、経済活動が正常化へと向かい始めた海外での売上が増加した結果、 売上高は332億65百万円前連結会計年度比13.2%増)と、大幅な増収となりました。

利益面では、採用コストを含む人件費や研究開発費の上昇などから販売費及び一般管理費が増加しましたが、増収効果により、営業利益は14億2百万円前連結会計年度比124.7%増)、経常利益は9億69百万円前連結会計年度比141.8%増)、また、親会社株主に帰属する当期純利益は13億70百万円前連結会計年度比637.2%増)と、増益となりました。

 

当連結会計年度における当社グループの所在地別セグメント売上高の概要は以下のとおりです。

■日本

日本では、引き続き営業・サービス体制を強化してまいりました。コロナ禍でのプロモーション活動として定着してきたWebセミナーを拡充しつつ、再開し始めた展示会など各種イベントへの出展を通して新規顧客獲得に努めてまいりました。そのような中、前連結会計年度に続き当連結会計年度は期初から「GIGAスクール構想」に絡む売上が大きく伸長しました。製品別では、主力製品であるxシリーズ・スイッチ製品群及び無線LAN製品に加え、サービス売上が伸長しました。 この結果、日本での売上高は220億84百万円前連結会計年度比7.0%増)となりました。

■米州

米州では、先送りとなっていた設備投資回復の兆しが表れ始めました。そのような中、パートナー企業との連携強化に努めた結果、販売代理店向けの出荷が増加しました。また、在日米軍基地における居住者向けの定額制インターネットサービスの売上が増加しました。製品別では、xシリーズ・スイッチ製品群及びネットワークインターフェースカードの出荷が増加しました。 この結果、米州全体での売上高は46億95百万円前連結会計年度比18.9%増)となりました。

 

■EMEA(ヨーロッパ、中東及びアフリカ)

EMEAでは、社会経済活動が徐々に正常化に向かう動きが見られ、IT設備投資の再開で各方面からの引き合いが増加し、特に欧州の先進国で売上が増加しました。製品別では、xシリーズ・スイッチ製品群やメディアコンバータなどの出荷が増加しました。 この結果、EMEA全体での売上高は44億87百万円前連結会計年度比35.8%増)となりました。

■アジア・オセアニア

アジア・オセアニアでは、ソリューション営業を強化するため配置転換などにより営業・マーケティング活動を補強し、新規顧客開拓に取り組んでまいりました。そのような中、ロックダウンの影響は依然として残るものの、設備投資の持ち直しなどにより受注が回復してまいりました。製品別では、xシリーズ・スイッチ製品群の売上が好調となりました。 この結果、アジア・オセアニア全体での売上高は19億97百万円前連結会計年度比35.0%増)となりました。

 

当連結会計年度末の資産合計は288億83百万円となり、前連結会計年度末に比べ31億12百万円の増加となりました。流動資産は185億32百万円となり、前連結会計年度末に比べ20億2百万円の増加となりました。これは主に受取手形及び売掛金が6億24百万円減少した一方で、原材料及び貯蔵品が10億59百万円、現金及び預金が6億57百万円、商品及び製品が4億61百万円増加したことによるものです。また、固定資産は103億50百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億10百万円の増加となりました。これは主に繰延税金資産が8億40百万円増加したことによるものです。

当連結会計年度末の負債合計は226億81百万円となり、前連結会計年度末に比べ12億48百万円の増加となりました。流動負債は164億60百万円となり、前連結会計年度末に比べ17億24百万円の増加となりました。これは主に短期借入金が11億27百万円減少した一方で、前受収益が10億14百万円、支払手形及び買掛金が9億87百万円、1年内返済予定の長期借入金が3億5百万円、未払費用が2億72百万円増加したことによるものです。また、固定負債は62億20百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億75百万円の減少となりました。これは主に長期借入金が3億円、リース債務が1億92百万円減少したことによるものです。

当連結会計年度末の純資産合計は62億1百万円となり、前連結会計年度末に比べ18億64百万円の増加となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益13億70百万円の計上による利益剰余金が増加し、為替換算調整勘定が5億4百万円増加したことによるものです。

 以上の結果、自己資本比率は21.2%となり、前連結会計年度末より4.7ポイントの上昇となりました。

 

   ② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ6億57百万円増加となる47億17百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は、以下のとおりであります。

<営業活動によるキャッシュ・フロー>

当連結会計年度の営業活動による収入は25億39百万円となり、前連結会計年度に比べ16億26百万円の収入増加となりました。これは主に、たな卸資産が11億2百万円増加した一方で、売上債権が11億40百万円減少、仕入債務が7億82百万円、税金等調整前当期純利益が6億円増加したことによるものです。

<投資活動によるキャッシュ・フロー>

当連結会計年度の投資活動による支出は4億23百万円となり、前連結会計年度に比べ1億19百万円の支出減少となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が1億68百万円減少したことによるものです。

<財務活動によるキャッシュ・フロー>

当連結会計年度の財務活動による支出は16億24百万円となり、前連結会計年度に比べ24億7百万円の支出増加となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出が8億91百万円減少した一方で、セール・アンド・リースバックによる収入が21億97百万円、短期借入金の純増減額が15億34百万円減少したことによるものです。

 

   ③ 生産、受注及び販売の実績

  a. 生産実績

  当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

2021年12月31日)

前年同期比(%)

日本(千円)

米州(千円)

EMEA(注)1(千円)

アジア・オセアニア(千円)

6,541,289

100.3

合計(千円)

6,541,289

100.3

 

(注) 1  ヨーロッパ、中東及びアフリカ。

        2  金額は、製造原価によっております。

        3  金額には、消費税等は含まれておりません。

 

  当連結会計年度における商品仕入高、委託生産に伴う仕入高及び生産に伴う原材料・部品の仕入高の実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2021年1月1日

至  2021年12月31日)

前年同期比(%)

日本(千円)

3,396,271

103.7

米州(千円)

534,328

110.4

EMEA(注)1(千円)

418,356

210.8

アジア・オセアニア(千円)

7,752,568

129.0

合計(千円)

12,101,526

121.4

 

(注) 1  ヨーロッパ、中東及びアフリカ。

        2  金額は、仕入価額によっております。

        3  金額には、消費税等は含まれておりません。

 

   b. 受注実績

  当社グループの取扱品目は原則として全てが標準製品でありますので、個別受注生産は行わず、見込み生産を行っております。

 

  c. 販売実績

  当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

2021年12月31日)

前年同期比(%)

日本(千円)

22,084,313

107.0

米州(千円)

4,695,701

118.9

EMEA(注)1(千円)

4,487,972

135.8

アジア・オセアニア(千円)

1,997,437

135.0

合計(千円)

33,265,424

113.2

 

(注) 1  ヨーロッパ、中東及びアフリカ。

        2  セグメント間の取引については相殺消去しております。

3  主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  2020年1月1日

至  2020年12月31日)

当連結会計年度

(自  2021年1月1日

至  2021年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

ダイワボウ情報システム株式会社

7,483,678

25.5

7,315,158

22.0

 

        4  金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

  経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

   ① 連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

  当連結会計年度の業績は、売上高は332億65百万円前連結会計年度比13.2%増)、営業利益は14億2百万円前連結会計年度比124.7%増)、経常利益は9億69百万円前連結会計年度比141.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、13億70百万円前連結会計年度比637.2%増)と、大幅な増収増益となりました。

<売上高>

  売上高は、「GIGAスクール構想」関連の受注増加などによって期初から好調に推移した日本での売上が大幅に増加し、また、経済活動が正常化へと向かい始めた海外での売上が増加した結果、前連結会計年度(293億81百万円)から38億84百万円増加し、332億65百万円と、大幅な増収となりました。

  地域別では、日本では、引き続き営業・サービス体制を強化してまいりました。また、コロナ禍でのプロモーション活動として定着してきたWebセミナーを拡充しつつ、再開し始めた展示会など各種イベントへの出展を通して新規顧客獲得に努めてまいりました。そのような中、前連結会計年度に続き当連結会計年度は期初から「GIGAスクール構想」に絡む売上が大きく伸長しました。製品別では、主力製品であるxシリーズ・スイッチ製品群及び無線LAN製品に加え、サービス売上が伸長しました。この結果、日本での売上高は220億84百万円前連結会計年度比7.0%増)となりました。

  米州では、先送りとなっていた設備投資回復の兆しが表れ始めました。そのような中、パートナー企業との連携強化に努めた結果、販売代理店向けの出荷が増加しました。また、在日米軍基地における居住者向けの定額制インターネットサービスの売上が増加しました。製品別では、xシリーズ・スイッチ製品群及びネットワークインターフェースカードの出荷が増加しました。この結果、米州全体での売上高は46億95百万円前連結会計年度比18.9%増)となりました。

  EMEAでは、社会経済活動が徐々に正常化に向かう動きが見られ、IT設備投資の再開で各方面からの引き合いが増加し、特に欧州の先進国で売上が増加しました。製品別では、xシリーズ・スイッチ製品群やメディアコンバータなどの出荷が増加しました。この結果、EMEA全体での売上高は44億87百万円前連結会計年度比35.8%増)となりました。

アジア・オセアニアでは、ソリューション営業を強化するため配置転換などにより営業・マーケティング活動を補強し、新規顧客開拓に取り組んでまいりました。そのような中、ロックダウンの影響は依然として残るものの、設備投資の持ち直しなどにより受注が回復してまいりました。製品別では、xシリーズ・スイッチ製品群の売上が好調となりました。この結果、アジア・オセアニア全体での売上高は19億97百万円前連結会計年度比35.0%増)となりました。

    <売上総利益>

  当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度(179億18百万円)から27億11百万円増加し、206億29百万円となりました。これは、売上総利益率は引き続き高い水準を維持し、増収に伴い売上総利益が増加したことによるものです。

<営業利益>

  当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度(6億24百万円)から7億78百万円増加し、14億2百万円となりました。これは、主に採用コストを含む人件費や研究開発費の上昇などから販売費及び一般管理費が増加したものの、増収により十分な利益を確保したことによるものです。

 

経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 目標とする経営指標」に記載のとおりであります。

 

   ② 資本の財源及び資金の流動性

  当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品の原材料の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。

  当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの借入を基本としており、設備投資資金の調達につきましては自己資金及び一部は金融機関からの長期借入を行う等、資金調達の多様性を図っております。

  なお、当連結会計年度末現在における重要な資本的支出の予定はありません。

  当連結会計年度末における有利子負債の残高は88億8百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は47億17百万円となっております。

 

   ③ 重要な会計方針及び見積り

  当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。海外の連結子会社は、各国の会計処理基準に準拠しております。連結財務諸表の作成にあたっては、連結会計年度末における資産、負債及び偶発債務並びに連結会計年度における収益、費用に影響を与える見積りを行っておりますが、実際の結果と異なる場合があります。有形固定資産は取得原価により計上し、見積り耐用年数に基づき減価償却を行っております。自社利用ソフトウェアについては見込利用期間に基づき償却を行っております。投資有価証券については時価又は実質価額が著しく下落した場合には、回復する見込があると認められる場合を除き減損処理をしております。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる事項」に記載しております。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

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