研究開発活動

5【研究開発活動】

当社グループの研究開発体制は、おもに基礎研究および応用技術開発を担当する技術開発センターと、商品開発を担当する各事業部門およびグループ会社の設計・開発部門で構成しております。

企業ミッションである「エネルギーの変換効率を極限まで追求することにより、人類と社会に貢献する」のもと、技術開発センターでは当社グループの主要事業領域に新たな技術を移管していく取り組みを続けております。半導体デバイス分野においては、低損失技術の開発、高速・高温動作対応および複合部品化の実装技術開発を主要テーマとして取り組んでいます。パワーエレクトロニクス分野においては、主に高効率技術、高密度実装技術および低ノイズ化の研究開発を推進しています。さらに、新たな事業領域を広げていくためロボティクスなど新規分野への取組みも開始いたしました。これらの研究課題を解決し、当社のコア技術を活かしたシナジー効果により商品力強化を図るとともに、市場の要求や用途に適した新商品をタイムリーに開発してまいります。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は4,088百万円(売上高比4.4%)であり、各セグメントの主な成果および研究開発費は以下のとおりであります。

 

(デバイス事業)

当セグメントの研究開発活動として、ダイオード製品は新構造の要素技術開発を進め、ウェーハ大口径化など低コストの源流設計を継続して推進しています。

サイリスタ製品では、当社独自開発の構造で800V及び1600Vの開発を実施したほか、トライアックの800Vも開発を進めています。

MOS製品では、当社独自構造を採用した低ノイズなNch中耐圧MOSの開発を実施したほか、SiのMOSとしては超高耐圧となる1200Vの開発を進めています。また、当社初のPch低耐圧MOSの開発を完了し、製品のシリーズ化を推進しています。パッケージについては、小型化・大電流化・高品質化に対応する10×11㎜サイズで、SiCMOSの効率的動作には欠かせないケルビン端子を搭載する面実装パッケージ開発を完了しました。

パワーモジュール製品では、xEV向けのカスタムモジュールについて当社独自の技術や最適化された高性能内製チップを利用した開発を完了しました。くわえて大電流化や高周波化に対応したSiCやGaNチップを搭載したモジュール開発を実施し、特にSiCチップ搭載モジュールでは顧客と連携した開発を推進しています。

IC製品では、モビリティ向けを中心に当社の回路設計技術を活かし、微細な生産ラインは外部に委託することで、機能、品質、コスト面で競争力のあるIC開発を完了しました。

当事業に係る研究開発費は1,534百万円であります。

 

(電装事業)

当セグメントの研究開発活動として、二輪分野では、脱炭素への対応として内燃機関向け製品に対し環境規制OBDⅡへ対応する技術開発を行い、電動車向け製品にはドライバビリティ向上のため制御ソフトの開発にくわえ、構造面では対環境性、組立性、低価格に対応した端子台の開発を行いました。

四輪分野では、コアの部分を共通設計としたプラットフォーム電源の2kW品の開発を進め、放熱性、耐震性、絶縁性に優れたトランスファータイプのトランスを開発し、省人化や電源バリエーション拡大に寄与できる技術開発を推進しました。

汎用分野では、HILSを使用したインバータ制御技術開発を推進し、モデルベースデザインの導入に向けた検討を行いました。

更に全製品群へ活用可能な技術として、ねじ締結、レーザーはんだ付に関する要素開発に取り組み、各種データを取得することで製品設計への適用準備を行いました。

当事業に係る研究開発費は986百万円であります。

 

(その他)

当セグメントの研究開発活動として、情報・通信市場分野では、通信用ビル・移動体基地局向けの高効率・中容量48V電源装置のラインナップを拡充しました。そのほかに高効率・小容量48V電源ユニットの開発を行い、小容量48V電源装置の製品開発に着手しました。共通技術として小型・高効率化に向けた電源変換部の技術開発を継続推進しました。

当事業に係る研究開発費は245百万円であります。

 

(全社共通)

全社共通に係る研究開発費は1,321百万円であります。

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