課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 企業は社会的な存在であります。当社は社会に受け入れられる高品質の製品と最高のサービスを提供し、顧客の満足を得ることに全力を尽くしてまいります。同時に事業を通じて持続可能な社会の実現に貢献してまいります。また、地域社会の一員として教育文化等地域社会の発展に役立つ活動を積極的に支援してまいります。これらを実現するために、先進の研究開発と新分野の確立に挑戦する研究開発型企業を目指し、自主的な成長発展を図ってまいります。

 また、適正な利益を確保し、会社の成長発展の原資とするとともに、株主、社員そして社会へ還元したいと考えております。

 

(2)目標とする経営指標

 「売上高経常利益率20%」、「海外売上高比率50%」を目標として設定し、新製品投入による新市場の開拓及び海外市場の開拓を通じ売上高を拡大し、経営効率を上げることにより、これらの目標の達成を目指してまいりました。これらの目標は当連結会計年度において達成いたしました。

 次期からこれらの目標を見直します。「売上高経常利益率20%」の目標は継続し、海外売上高比率の目標値を50%から70%以上に引き上げます。また、「自己資本当期純利益率(ROE)10%以上」を新たに目標として設定いたします。海外市場が当社グループの成長の牽引役であることから、海外売上高比率の目標指標を引き上げました。また、自己資本当期純利益率(ROE)の構成要素のうち、売上高当期純利益率と総資産回転率の改善に向けた取り組みを各部門の事業計画と連動させることで、自己資本当期純利益率(ROE)の継続的な改善を進めてまいります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

 研究開発面におきましては、顧客に密着し顧客の要望をいち早くつかみ、他社にないオンリーワンの製品を提供することを目指してまいります。また、将来の需要を見越して研究開発を進め、新しい価値を顧客に提案することにより新分野の確立を目指してまいります。

 販売面におきましては、グローバル化の方針のもと、中国、韓国、台湾、東南アジア、インドを中心にアジア地域を最重要ターゲット市場として開拓するとともに、米国市場及び欧州市場の開拓も積極的に進め輸出を強化してまいります。

 生産面におきましては、品質の向上及びコストダウンを進め、国際市場において活躍できる製品づくりを目指してまいります。また、競合他社に対する優位性の一つとして、短納期化を進めてまいります。

 また、当社はコーポレート・ガバナンスを経営戦略の重要な柱の一つと考えており、コーポレート・ガバナンスを企業価値向上のための経営体制の確立と認識しております。コンプライアンスを最重要視し、経営の効率化に取り組み、適正な利益を確保すると同時に、経営情報の積極的な開示により経営の透明性を高め、株主(投資家)、顧客、社員等全てのステークホルダーに対して、その社会的な責任を果たしてまいります。

 

(4)経営環境及び対処すべき課題

 世界経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が予想されることから、今後も先行き不透明な状況が続くと見込んでおります。一方で、脱炭素化の世界的な流れはさらに加速することが予測されます。特に自動車の電動化が加速すると同時に、パワーコンディショナーの開発、様々な機器の省力化、航空機の電動化なども進み、電源の高性能化が求められるようになると予測しております。自動車、電子部品、バッテリーといった市場においては、設備投資環境が堅調に推移すると見込んでおります。このような市場変化を捉え、新たな顧客価値を創造し、独自のセンシング技術をより高めるとともに、培ってまいりました計測技術を組み合わせ、高付加価値製品を提供してまいります。

 また、海外販売会社を中心にHIOKIブランドの浸透を図り売上高を伸長させるとともに、世界中のお客様に安心して当社製品をお使いいただくためのグローバルアフターサービス体制の構築に引き続き取り組んでまいります。さらに、目標とする経営指標の一つである海外売上高比率の目標値を50%から70%以上に引き上げるとともに、特定の地域に依存しない均衡の取れた売上高構成を目指してまいります。

 当連結会計年度は、受注高及び売上高が大きく伸長し、急激な生産の増大に対処してまいりました。それに加え、市場における半導体部品調達の長納期化が依然として継続し、生産のリードタイムが長期化しております。この結果、当連結会計年度の受注残高は48億円となっております。今後は外部環境の変化に対応し、一層効率の良い生産体制を構築してまいります。

 また、当連結会計年度に策定いたしましたサステナビリティ基本方針に基づき、当社グループ一体となって活動を推進すると同時に、デジタルトランスフォーメーションに向けた取り組みも進めてまいります。

 当社は、目標とする経営指標として新たに「自己資本当期純利益率(ROE)10%以上」を加えております。今後、保有する資本を有効に経営に投下し、売上高当期純利益率と総資産回転率を一層高めてまいります。

 また、当社は、2022年2月3日開催の取締役会において、利益配当の基本方針を変更することを決議いたしました。これまで安定的利益還元のベースを1株当たり年間20円としてまいりましたが、これを連結純資産配当率(DOE)2%以上にいたします。連結純資産配当率(DOE)2%以上(次期は1株当たり年間45円)を安定的利益還元のベースとした上で、連結配当性向40%を目途として、業績向上による一層の利益還元を実施してまいりたいと考えております。

 前連結会計年度に策定いたしました2030年までの長期経営方針「ビジョン2030」の施策を通じ社会に貢献すると同時に、継続的に成長発展できる体制を構築してまいります。

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