当社グループは、創設以来「新しい時代の流れの中での新しい価値の創出」を基本理念として、新規分野への可能性を求めて開発に取り組んでおります。
業界における技術的進歩、発展にはめざましいものがあります。その中にあって、ユーザーニーズや技術動向を的確にとらえ素早く商品に反映させることが極めて重要であると認識しております。近年の動力電動化の流れを捉え、環境・安全・安心のキーテクノロジーとなる車載用パワーエレクトロニクス製品として、当社ブランドによる車載用充電器やDCDCコンバータを上市しています。また、国内カーメーカー向けに自社で開発した電動二輪車用車載充電器の量産も行っております。
今後もこの分野での技術開発を継続し、これまで培ってきたインバーター技術を生かし、充電器やDCDCコンバータに加え、モータ関連機器への開発に取り組んでまいります。
また、微細加工の技術を応用し、単回使用注射用針の製品等、医療分野における製品開発にも取り組みをしております。
なお、当社グループの研究開発は、基礎技術の研究及び自社の企画商品として開発する場合と、得意先から開発テーマをいただき、ODMとして開発する場合があります。
当連結会計年度における各セグメント別の主な成果は次のとおりであります。なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は
(1)車載電装品
車載電装品では、主にEV四輪向けとなる電気式膨張弁用制御基板の設計を完了し、量産を開始しております。また、EV二輪などに使われる可搬型バッテリー用充電器を新規に受注いたしました。本製品はインド工場で2023年から量産し、グローバルに展開される予定です。将来を見据え、太陽光発電用DCDCコンバータ及び燃料電池用DCDCコンバータを開発し、顧客へ試作品を納品いたしました。本製品はカーボンニュートラルを目指す技術として、太陽光発電、燃料電池よりエネルギーを効率良く取り出す技術となります。
また、自動車のサイバーセキュリティへの対応にむけて、国際規格であるISO21434に対応した製品開発のプロセス構築に着手し、量産受注にむけて取り組みを進めております。
なお、当連結会計年度の研究開発費の金額は、
(2)民生産業機器
民生機器関連では、新たに電動除雪機のコントロールユニットの設計開発を受注し、量産受注にむけて開発を行っております。また、産業機器関連では、顧客へのゲストエンジニア活動を通じて設計された、産業用機器向け制御コントローラの新モデルの量産を開始しました。
なお、当連結会計年度の研究開発費の金額は、
(3)ワイヤーハーネス
完成車の自動搬送を目的にしたAGVの開発に参画し、全ての電源・信号・CAN回路を効率よく繋ぐワイヤーハーネスや高圧電源ケーブル、高出力電源分配用の電源ボックスの開発を行いました。
また、ワイヤーハーネスに要求される「通電接続性能」に関して、接触抵抗を極限まで減らし通電ロスを無くす超音波接合工法を応用し、且つ今後枯渇が懸念され価格が高騰している銅に代わり、アルミニウムを導電部材として採用した新たな接続部品を開発しております。
この技術を発展応用させ、今後開発が加速するEVのリチウムイオンバッテリーの性能向上とコスト低減や、車両の軽量化、更には、新工法にマッチングする各種接続コネクタや、FUSE-BOXを並行開発し、今後益々高機能化・高回路化する自動車のワイヤーハーネスの信頼性向上の為、日夜技術革新を目指して活動してまいります。
また、新規車両の開発段階より顧客に入り込み製品開発を行っています。その一環としてハーネス要素部品の設計・評価と提案を推進し、内製部品の採用が決まっています。ゲストエンジニアを派遣し技術提案をおこなっていくことで、新たなハーネス受注へつなげています。
なお、当連結会計年度の研究開発費の金額は、
(4)その他
ワクチン注射などに有効なデッドスペース(薬液ムダ)が少ない注射針及びシリンジの開発を加速させており、来期中の販売開始を目指しています。本件に関しましては、経済産業省の補助金に採択されております。マイクロニードルやマイクロ分析デバイスなどにつきましても大手メーカーと製品化を目指して共同開発を推進しております。
また、量産中の超音波ホッチキスや超音波カッターで培った技術を応用して超音波振動を用いた清掃用ツールを開発しております。
なお、当連結会計年度の研究開発費の金額は、30百万円であります。
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