当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染拡大に伴う影響の詳細については、「2 事業等のリスク」をご参照ください。
当連結会計年度における世界経済は、約2年に及ぶコロナ禍の中、各国において経済活動正常化に向けた諸施策が展開されましたが、第2四半期以降、半導体不足を始めとした部品供給不足の長期化、原材料の供給不足と価格高騰、輸送費の高騰、コンテナ不足等によるサプライチェーンの混乱、ウクライナ情勢の悪化等、様々な問題が顕在化し、当社グループの事業領域である自動車生産だけでなく家電等、市場の伸び悩みが見られました。
このような事業環境のもと当社グループは、電動化関連におけるパワートレイン分野の拡大と、インダストリアル市場が好調に推移し、為替が円安に推移したことも影響して、過去最高売上を更新しました。主力である車載市場の売上高は、半導体等部品供給不足影響等で欧米を中心に自動車の減産影響を大きく受けたものの、前期比で約17%増となりました。特にパワートレイン分野では売上高が前期比で約90%増加し、環境対応車向けの旺盛な需要や当社独自のパワートレイン機器向け耐振ソリューションサービスによる受注獲得を背景に増収の牽引役となりました。コンシューマー市場では、半導体等の部品不足の影響が一部あったものの、ゲーム機向けや在宅勤務増加によるOA機器向けの増加で増収となりました。インダストリアル市場は、中国でのFA関連機器の需要増加や5G通信基地局向けの新規搭載により、増収となりました。以上、売上高は、前期比20.1%増の438億6千3百万円となりました。
利益面では、売上高増加による固定費回収増、内製化強化等による原価低減を推進したものの、原材料並びに輸送費の価格高騰、サプライチェーン混乱による物流費増加等の悪化により、営業利益は前期比55.9%増の45億2千万円、経常利益は前期比62.9%増の48億3千8百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比82.7%増の39億1千3百万円となりました。
セグメントの業績を示すと次のとおりであります。
国内においては、コロナ禍からの回復に加えて、車載市場で環境対応車の需要増加によりパワートレイン分野が増加したことと、インダストリアル市場で5G基地局向けや中国でのFA関連機器向けで増加した結果、売上高は前期比28.1%増の108億3千3百万円となりました。また、営業利益は76.3%増の35億1千9百万円となりました。
アジア地域においては、コロナ禍からの回復に加えて、車載市場で環境対応車の需要増加によりパワートレイン分野が増加したことや、コンシューマー市場でテレビ機向けやOA機器向けが好調だったことと為替が円安に推移した結果、売上高は前期比24.3%増の203億8千4百万円となりました。また、営業利益は42.5%増の28億5千2百万円となりました。
欧州地域においては、車載市場で半導体不足の影響があったものの、前期のコロナ禍から回復したことと為替が円安に推移した結果、売上高は前期比7.7%増の71億7千9百万円となりました。また、営業利益は68.4%増の2億3千5百万円となりました。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末(2021年3月末)に比べ、92億1千1百万円増加し、731億5千3百万円となりました。流動資産は、受取手形、売掛金及び契約資産17億1千1百万円の増加、商品及び製品28億8千2百万円の増加、現金及び預金1億9千3百万円の減少等により52億2千7百万円増加し404億3千6百万円となりました。固定資産は、機械装置13億4千7百万円の増加、建設仮勘定5億4千2百万円の増加等により39億8千4百万円増加し327億1千6百万円となりました。
負債は、前連結会計年度末に比べ21億6千5百万円増加し、113億7千6百万円となりました。流動負債は、支払手形及び買掛金8億2千9百万円の増加、未払金6億5千4百万円の増加等により19億3千3百万円増加し98億8千9百万円となりました。固定負債は、2億3千2百万円増加し14億8千6百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益による増加39億1千3百万円、配当による減少11億8千3百万円、為替換算調整勘定の増加45億4千3百万円等により前連結会計年度に比べ、70億4千5百万円増加し、617億7千6百万円となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、営業活動により66億9千1百万円増加し、投資活動により62億4千8百万円、財務活動により16億1千1百万円、それぞれ減少した結果、前連結会計年度末に比べ1億9千3百万円減少し、140億6千6百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動では、税金等調整前当期純利益45億7千万円、減価償却費53億5千6百万円に伴う資金の増加から、棚卸資産の増加額26億7千4百万円、法人税等の支払額7億6百万円に伴う資金の減少を差し引き、資金の増加額は66億9千1百万円となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動では、有形固定資産及び無形固定資産の取得61億7千2百万円の支出により、資金の減少額は62億4千8百万円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動では、配当金の支払11億8千3百万円、自己株式の取得による支出3億1千6百万円等により、資金の減少額は16億1千1百万円となりました。
翌連結会計年度については、コネクタ生産設備等を中心に90億円の資本的支出を計画しており、その資金の調達源については、自己資金を想定しております。
当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は生産出荷高によっております。
当連結会計年度における受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1 販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、資産、負債及び収益、費用の報告金額に影響を与える会計上の見積りを行う必要があります。経営者は、これらの見積りや仮定について、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りや仮定と異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
(6) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、2021年5月に2024年3月期を最終年度とする中期経営計画を策定し、売上高、営業利益、営業利益率、親会社株主に帰属する当期純利益、総資産、自己資本比率、設備投資額、研究開発費、EPS、ROEについて目標を設定しております。なお、本中期経営計画に関しては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境及び中長期的な会社の経営戦略」にも記載しております。
中期経営計画(2022年3月期~2024年3月期)における指標
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