課題

1【経営方針、経営環境および対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営の基本方針

当社は、中長期的な成長が見込まれるエレクトロニクス産業にあって、半導体の進化を支え、半導体の優れた機能を人々の生活へと繋ぐテクノロジーをもとに、世界中の人々の暮らしを彩るものづくりに取り組むとともに、お客様のニーズを起点とする優れた製品を開発・製造・販売することによって、「限りなき発展」を目指しています。

また、このような「技術力」、「発展性」とともに、「国際性」、「温かさ」を企業理念として掲げ、世界各国のお客様と取引を行い、各地に拠点を展開するグローバル企業として国際社会での共存共栄を念頭に置き、多様な人材の能力を結集し、社員一人ひとりの成長を実現できる環境づくりに努め、「人と地球環境への温かさ」を考えた経営姿勢で事業を推進することにより、社会の健全な発展に寄与し、輝かしい未来の創造に貢献することを目指しています。

 

(2) 中長期的な経営戦略

第5世代移動通信システム(5G)の普及等を背景とするビッグデータ、AIなどの活用の広がりが、経済や社会の仕組みに変化をもたらし、これまでとは次元の異なるイノベーションを生み出す可能性を秘めており、半導体は、その可能性を実現するキーテクノロジーとして革新を続けていくことが期待されています。また、自動運転、EV(電気自動車)等の技術開発が加速する自動車、急速な拡大が想定されるIoT関連市場や人々の健康を支える医療分野など、半導体は、今後も市場を拡大することが見込まれています。加えて、脱炭素社会の実現に向けた取り組みが加速するなかで、省エネルギー化・省電力化をもたらすテクノロジーの進化を支えるキーデバイスとして、半導体のニーズはさらに高度化・多様化することが想定されます。

一方で、高機能化・高速化等の技術革新および絶えず変化する市場ニーズに対し、迅速かつ柔軟に対応し得る開発・生産体制を構築することを要するなど、世界規模での競争が、さらに一段と激化することが予想されます。

このような産業にあって、当社グループは、インターコネクトテクノロジーをベースに、高い競争力を持つ製品の開発とものづくりの革新に努め、お客様にとって、機能・性能、コスト、品質すべてにおいて価値の高い製品・サービスをご提供することにより、お客様の成功を支え、自らの発展・成長を目指してまいります。また、キャッシュ・フローを重視し、常に利益を創出できる強固な経営基盤の確立に努め、かつコーポレート・ガバナンスの充実をはかるとともに、以下の項目に重点をおいた経営戦略を展開してまいります。

① 成長分野への重点的展開

今後、市場拡大の一方で、高性能化・高機能化のニーズを背景にテクノロジーの高度化が見込まれる半導体産業にあって、お客様のニーズを的確にとらえ、それを実現する開発力・製造力の充実・革新に努めるとともに、創業以来培ってきたコアテクノロジーをもとに、高い成長が見込まれる分野に重点的に経営資源を投下し、強い競争力を有する製品の開発・量産化を推進することにより、さらなる成長を目指してまいります。

② 強固な生産体制の構築

市場環境の変化が激しく、熾烈な競争が繰り返される半導体産業にあって、市場の変化に速やかに対応する強固な生産体制を構築することが企業存続・発展の条件ととらえ、全社において、製造プロセスの革新と最適化を強力に推進いたします。また、開発・設計から生産に至るすべての段階において品質を造り込み、優れた製品を安定的に供給することができる体制を確立することにより、収益基盤の一層の強化をはかってまいります。

③ SHINKO Wayの推進

社会における新光電気グループの存在意義、大切にすべき価値観、および社員が実践すべき行動指針、守るべき行動規範を示した「SHINKO Way」の実践を通じ、株主の皆様のご期待に応え、お客様、お取引先、地域社会の皆様や社員をはじめとするステークホルダーの方々との調和をはかるとともに、多様なサステナビリティ課題に対する活動の推進を通じて、持続可能な社会の実現に貢献することを目指します。なかでも、地球環境における喫緊の課題である気候変動への対応を最重要な課題と位置づけ、グループ全体における取り組みを強化してまいります。

 

(3) 対処すべき課題

今後の経済環境は、欧米各国を中心にコロナ禍における行動制限の緩和がさらに進展し、経済活動の再開が加速することが見込まれる一方で、急激な需要増加に伴うサプライチェーンの混乱やインフレ圧力の上昇に加え、ロシア・ウクライナ紛争等による世界経済への影響が懸念され、予断を許さない状況が継続することが想定されます。日本におきましても、経済活動の正常化が進み、景気は回復基調で推移することが見込まれるものの、エネルギー、原材料価格の高騰等が企業収益を圧迫することなども想定され、世界経済の先行き懸念もあいまって、不透明な状況が続くものと思われます。

半導体業界におきましては、AI、IoTのさらなる活用や5Gの普及等による社会・経済のデジタル化の進展を背景に、今後、半導体は幅広い分野において用途を広げ、市場は中長期的に拡大することが見込まれる一方で、一層の高機能化・高速化のニーズがさらに高まることが想定されます。加えて、世界的に脱炭素社会の実現に向けた取り組みが加速するなか、デジタル化と省エネルギー・低消費電力を両立するテクノロジーの進化を支えるキーデバイスとして半導体の重要性が高まるなど、高度化・多様化する市場のニーズや需要増加に対し、迅速かつ柔軟に対応し得る開発・生産体制を構築することを要するなど、世界規模での競争が一段と激化することが見込まれます。

このような環境下にあって、当社グループは、引き続き高い成長が見込まれる市場向けに重点的に経営資源を投下し、今後の発展を目指してまいります。半導体の高機能化・高速化と省電力化に対応し、旺盛な需要が続くフリップチップタイプパッケージについては、高丘工場(長野県中野市)等において展開してまいりました大型設備投資による新ラインなどにより増産をはかってまいります。さらに、昨年決定いたしました長野県千曲市における新工場開設ならびに更北工場(長野市)・若穂工場(同)における設備増強からなる過去最大規模の設備投資を着実に実行し、一層の生産体制強化に取り組んでまいります。また、今後、中長期的な需要伸長が見込まれる半導体製造装置向けのセラミック静電チャックについては、既存工場での増産に加え、昨年着工し、2023年度稼働予定の高丘工場新棟の整備により、量産体制拡充をはかってまいります。このほか、半導体メモリーの高速化・大容量化に対応するプラスチックBGA基板の生産能力増強に努めるなど、今後の市場動向を的確に捉え、半導体の高性能化に寄与する当社製品のさらなる売上拡大を目指してまいります。

加えて、これまで培ってまいりました多様な半導体実装技術をもとに、高い競争力を持つ製品の開発・商品化に取り組むとともに、優れた製品を安定的に供給することができる生産体制の確立に努めてまいります。

当社グループは、引き続き成長が見込まれる半導体市場にあって、常にお客様のニーズを起点とし、機能・性能、コスト、品質すべてにおいてお客様にとって価値の高い製品・サービスを提供することにより、「限りなき発展」を果たしてまいる所存であります。

なお、当社グループにおきましては、新型コロナウイルス感染症への対応にあたり、各国政府等の方針に基づき感染拡大防止に努め、お客様、お取引先、地域の皆様や社員等の健康と安全確保を最優先の上、お客様への製品提供をはじめ事業の継続に努めることを基本方針として、対処してまいります。

 

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