文中の将来に関する事項は、当社が当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1)経営の基本方針
当社は、「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること。」という経営理念の追求のため、「人間として何が正しいか」を判断基準とした企業哲学である「京セラフィロソフィ」と、独自の経営管理システムである「アメーバ経営」の実践を通して、持続的な売上拡大と高い収益性の実現を目指しています。
(2)目標とする経営指標
当社は、高成長・高収益企業の実現に向けて、売上高及び税引前利益の持続的な2桁成長を目指します。
(3)経営環境及び対処すべき課題等
当社は、グループ内に有する多様な経営資源の活用に加え、外部との連携を強化することで、高成長・高収益の実現を目指しています。5GやAIの普及により、様々な分野で技術革新が進むとともに、新型コロナウイルス感染症の拡大を契機にデジタル化が一層加速されました。このような中、顧客ニーズについても変化がみられ、IoTやAI等を活用した生産現場のスマート化や、脱炭素化等の環境課題を含む様々な社会課題の解決に貢献する技術やサービス等に対するニーズが高まっています。当社はこれらの変化を事業機会に着実に結び付け、売上高3兆円という新たな目標の達成に向けて、当連結会計年度に再編した組織体制のもと、既存事業の拡大及び新規事業の創出を図るとともに、ESG(環境・社会・ガバナンス)経営の推進に努めます。
a. 既存事業の拡大及び新規事業の創出
デジタル化等の進展により、中期的に5Gや半導体、ADAS関連市場では各種部品の需要が見込まれます。当社はこれらの市場での旺盛な部品需要にタイムリーに対応するため、引き続き国内外での新工場棟の建設等、積極的な設備投資を進め、既存事業の拡大に努めます。
また、研究開発体制の強化及び新製品・新技術開発の促進により、社会課題の解決に貢献する新規事業の創出に取り組んでいます。研究開発体制を材料、デバイス、ソリューション、生産技術の4分野に再編し、グループ内外の経営リソースの一層の活用による開発力の強化及びスピードアップ、並びに人材育成に努め、事業領域の拡大を図ります。
(注)KAVXはKyocera AVX Components Corporationの略称
b. ESG経営の推進
当社は、持続的な企業運営に向けて、環境や社会課題への対応、並びにコーポレート・ガバナンスの強化に努めています。
環境課題については、脱炭素社会の実現を目指し、自社拠点への太陽光発電システムの設置等、再生可能エネルギーの導入を進めるとともに、地域・社会全体での温室効果ガス排出量削減に向けて、自己託送やVPP(Virtual Power Plant、仮想発電所)等のインフラ構築及び普及の促進に取り組んでいます。
社会面では、経営理念である「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること。」の実現を目指し、社内におけるダイバーシティ&インクルージョンの推進や、より働きやすい職場環境や制度づくりに努めるとともに、サプライチェーンにおけるCSR活動の推進に取り組んでいます。
コーポレート・ガバナンスについては、取締役会の更なる多様性や実効性の向上に努めるとともに、天災等の有事の際の速やかな事業復旧・継続に関するBCP(Business Continuity Plan、事業継続計画)対応等、リスクマネジメントの推進を図っています。
(4)レポーティングセグメント別の対処すべき課題等
a. コアコンポーネント
ファインセラミックをはじめとするコア技術や生産能力、先端分野に対する技術開発力などの強みを活かし、
更なる成長を目指します。
<主な取り組み> 高付加価値製品の国内外での生産能力拡大
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ターゲット市場 |
主な製品 |
産業機械 |
半導体製造装置用ファインセラミック部品 |
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情報通信 |
セラミックパッケージ、有機パッケージ |
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車載 |
カメラモジュール |
b. 電子部品
異なる強みを有する京セラ㈱の電子部品事業とKyocera AVX Components Corporation(KAVX)との開発、製造、
販売面でのシナジーを追求し、業界でのシェアアップを図ります。
<主な取り組み> 両社の得意分野を活かし、競争力を強化 ・営業組織の統合、開発の棲み分け、 技術融合による新製品開発の推進 ・京セラ㈱の自動化ラインのKAVXへの導入 |
販売 |
京セラ㈱電子部品 |
KAVX |
主要市場 |
情報通信 |
車載 |
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重点地域 |
アジア |
欧州・米国 |
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販売ルート |
直接販売 |
代理店販売 |
c. ソリューション
既存ビジネスでの高品質、高付加価値の製品、サービスの進化に加え、保有している多様な資産や技術を活かし、
社会課題の解決に貢献する新たな事業の創出に取り組みます。
<主な取り組み> 事業間のシナジー追求による新たなソリューションの提供 ・情報機器とプリンティングデバイスとの技術融合によるデジタル捺染機の開発、 販売を通じ、捺染工程の排水、商品在庫の廃棄削減など、環境負荷低減に貢献 |
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