当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当社の当事業年度の売上高は3,964百万円(前期比16.5%減)となりました。(なお、当社では、当事業年度より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を適用したことにより、売上高は855百万円減少しております。)営業損失は268百万円(前期は営業損失261百万円)、営業外収益は受取配当金19百万円、受取賃貸料42百万円、助成金収入116百万円等により186百万円、営業外費用は支払利息50百万円、賃貸費用11百万円により61百万円を計上し、経常損益につきましては、下期は黒字計上したものの、通期における経常損失は142百万円(前期は経常損失140百万円)となりました。特別損失は固定資産除却損6百万円、減損損失37百万円により44百万円を計上し、その結果、当期純損失は188百万円(前期は当期純損失123百万円)となりました。
セグメント別の業績については、次のとおりであります。
なお、当事業年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前事業年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しております。
自動車用部品
当セグメントの売上高は、世界的な半導体供給不足に加え、東南アジアからの部品供給不足に伴う受注減を主な要因として、通期の売上高は3,565百万円(前期比19.3%減)となりました。(「収益認識会計基準等」を適用したことにより、売上高は855百万円減少しております。)
損益面につきましては、第3四半期は黒字計上したものの、通期におけるセグメント損失(経常損失)は158百万円(前期はセグメント損失(経常損失)169百万円)となりました。
自社製品
まず、当セグメントの内、昨年3月に立ち上げた駐輪事業におきましては、順調な業績で推移し、売上高238百万円、セグメント利益(経常利益)13百万円を計上いたしました。
また、当セグメント全体の売上高は、398百万円(前期比20.0%増)(内電子機器部門が160百万円(前期比46.0%減)、駐輪部門が238百万円(前期比567.2%増))となりました。電子機器部門が新型コロナウイルス感染症の影響で当社商品を取扱う代理店である商社の時短営業や代理店の店舗への人流減少等により、136百万円減少したものの、昨年3月に立ち上げた駐輪事業の受注増加が寄与し、駐輪部門は202百万円(前期は「その他」の区分)増加しました。一方損益面につきましては、電子機器部門の売上減少等の要因により、セグメント損失(経常損失)は14百万円(前期はセグメント損失(経常損失)2百万円)(内電子機器部門のセグメント損失(経常損失)27百万円、駐輪部門のセグメント利益(経常利益)13百万円)となりました。
賃貸不動産
賃貸不動産のセグメント利益(経常利益)は30百万円(前期比2.7%減)となりました。なお、収益及び費用は営業外に計上しております。
生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1. 金額は、販売価格によっております。
2.当事業年度の期首より「収益認識に関する会計基準」等を適用したため、自動車用部品の生産高が858,808千円減少しております。
② 受注実績
当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1. 自社製品については、見込生産のため上記には含まれておりません。
2.当事業年度の期首より「収益認識に関する会計基準」等を適用したため、受注高が868,115千円減少しております。
③ 販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1. 主な相手先の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
2.当事業年度の期首より「収益認識に関する会計基準」等を適用したため、自動車用部品の売上高が855,651千円減少しております。
(2) 財政状態の状況
・資産
当事業年度末における総資産は、前期末比315百万円減少し8,144百万円となりました。流動資産は現金及び預金が368百万円、その他のうち有償支給に係る資産が38百万円及び未収入金が31百万円増加し、受取手形が16百万円、売掛金が12百万円、電子記録債権が165百万円、棚卸資産が40百万円、未収還付法人税等が29百万円、その他のうち未収消費税等が61百万円減少したこと等により107百万円増加し2,937百万円となりました。
固定資産は建物が78百万円、機械及び装置が12百万円、工具、器具及び備品が61百万円、リース資産が160百万円、建設仮勘定が39百万円減少したこと等により有形固定資産が360百万円減少し4,433百万円となり、また、投資有価証券が59百万円減少したこと等から投資その他の資産は60百万円減少し770百万円となりました。その結果、固定資産全体では422百万円減少し5,207百万円となりました。
セグメント別の資産は、次のとおりであります。
自動車用部品
当セグメント資産は5,352百万円(前期比9.9%減)となりました。主な増加はその他のうち有償支給に係る資産が38百万円であり、主な減少は売上債権が236百万円、棚卸資産が20百万円、有形固定資産が304百万円、投資有価証券が58百万円であります。
自社製品
当セグメント資産は289百万円(前期比7.5%減)となりました。主な増加は売上債権が41百万円であり、主な減少は棚卸資産が20百万円、有形固定資産が49百万円であります。
賃貸不動産
当セグメント資産は488百万円(前期比1.1%減)となりました。
・負債
流動負債は支払手形が25百万円、1年内返済予定の長期借入金が10百万円、未払消費税等が61百万円増加し、買掛金が26百万円、リース債務が32百万円、未払金が84百万円、賞与引当金が15百万円減少したこと等から59百万円減少し2,742百万円となりました。
固定負債は長期借入金が112百万円増加し、リース債務が106百万円、繰延税金負債が19百万円減少したこと等から10百万円減少し3,006百万円となりました。
・純資産
純資産は利益剰余金が200百万円、その他有価証券評価差額金が44百万円減少したことから245百万円減少し、2,395百万円となりました。これにより自己資本比率は29.4%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末と比べ368百万円増加し、1,710百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動により得られた資金は、606百万円(前事業年度は191百万円)となりました。収入の主な内訳としては、減価償却費が440百万円、減損損失が37百万円、売上債権の減少額が195百万円、未収消費税等の減少額が61百万円、未払消費税等の増加額が61百万円であり、支出の主な内訳としては、税引前当期純損失が187百万円、賞与引当金の減少額が15百万円であります。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果、使用した資金は187百万円(前事業年度は420百万円)となりました。収入の主な内訳としては、貸付金の回収による収入が3百万円であり、支出の主な内訳としては、生産設備他の有形固定資産取得に173百万円であります。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果、使用した資金は51百万円(前事業年度は83百万円の増加)となりました。借入による収入が1,101百万円に対し、長期借入金の返済978百万円、リース債務の返済161百万円、配当金の支払12百万円が主な支出であります。
(当社の資本の財源及び資金の流動性について)
当社の運転資金需要のうち主なものは、自動車用部品及び自社製品の材料購入費・外注加工費のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、工場建設・製造設備・金型製作等に係る設備投資であります。
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資資金の調達につきましては、リース及び金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当事業年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は4,065百万円となっております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
退職給付債務の算定
当社は、確定給付制度を採用しております。確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、予想昇給率等の様々な計算基礎があります。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌事業年度以降の財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、当事業年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (退職給付関係) 2.確定給付制度 (4)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりであります。
情報通信機ラック等の評価
営業循環過程から外れた滞留品について、一定の期間を超える場合、規則的に帳簿価額を切り下げる方法によっております。滞留を判定する期間及び切り下げの割合は、将来の販売見込みに基づき決定しております。
なお、市況の悪化等により、想定を超える販売量の減少や販売価格の下落が生じた場合、滞留を判定する期間や切り下げ割合が、収益性の低下の事実を適切に反映しない可能性があります。
当事業年度末の情報通信機ラック等の評価に用いた主要な仮定は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り) 情報通信機ラック等の評価」に記載のとおりであります。
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