文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営方針・経営戦略等
①経営方針
当社は、「製品を通じて社会に貢献するとともにお客様の満足と信頼が得られる製品づくり」を使命とし、この使命達成のため、「誠意、熱意、創意」を社是に掲げ「努力一筋、全社一丸、品質一心」をモットーに、市場・顧客ニーズに応え、品質を重視し、経営効率を向上させ企業の存続と発展に必要な利益を確保することにより、社会に貢献することを経営理念としております。
これを実現するためには、安定した配当を実施できる強固な体質の企業にすることが重要であり、企業活動を律する枠組みであるコーポレート・ガバナンスを一層強化し、株主はもとより、お客様、お取引先、従業員、地域社会等のステークホルダーとの良好な関係を築き、企業倫理とコンプライアンス遵守を徹底するとともに、地球の環境問題にも積極的に取組み、企業価値の向上に努めてまいります。
②目標とする経営指標
当面の経営指標としては、経営の効率化・収益力の強化を図ることにより営業利益率5%以上を確保し、安定した配当が実施できる経営体質を構築してまいります。
③経営戦略
a自動車部品部門
目標とする経営指標を達成するために主要取引先からの量産品のティア1受注の増加を目指して開発・設計部門の拡充に向けて注力し、売上高の増強及び、収益力の強化の実現に向けて対応してまいります。
具体的には、当社の強みである自動車用外装部品の樹脂成形並びに、樹脂塗装部品を中心とした受注拡大を目指し、今後は限られた経営資源を樹脂成形並びに、塗装部門へ傾注して、複数台所有する中・大型樹脂成形機により製造するバンパー、サイドスポイラー、ガーニッシュ類を中心とした外装品の受注拡大を目指してまいります。
又、主要取引先との更なる関係強化を図ると共に、近隣大手自動車メーカー等からの樹脂部品新規受注拡大に向けて積極的に営業展開を図ってまいります。
更に課題となる自動車の軽量化に向けた技術・新材料の研究開発並びに、特殊塗装に向けた新技法の研究開発に向けて投資を拡大してまいります。
b自社製品部門
電子機器事業ではJIS/EIA規格に準拠した各種システムラックや、制御ボックス、防水・防塵ボックス等多彩な機能を持ったエレクトリックケース類を開発・設計・生産し、地方公共団体・一般企業等多種多様なお客様に、通信・映像関係等様々な用途に使われております。
今後は、営業体制の強化により売上拡大を図ると共に、原価管理の徹底や生産性の向上により、収益性を高めてまいります。
更に2021年3月に日鉄日新ビジネスサービス株式会社より事業譲受した駐輪事業では、40年の歴史と駐輪ラック60万台の設置実績を持つ駐輪設備ブランド「シンワ型駐輪システム」を引継ぎ、駐輪ラック等の自転車駐車場設備の企画開発から、設計、製造、販売・設置、メンテナンスまで社内で一貫して行い、自社製品部門の収益性の強化を図ると同時に、放置自転車問題の解消やCO2削減等、人と環境に優しい社会に貢献してまいります。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
わが国経済は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が緩和される中で、持ち直しの動きがみられるものの、当社の売上高の大半を占める自動車部品業界においては、自動車メーカーのグローバル化による生産拠点の海外展開や部品の共通化・系列崩壊による競争激化に加え、世界的な半導体供給不足や東南アジアからの部品供給不足に伴う自動車減産の影響に加え、ウクライナ情勢等による原材料価格の上昇等も懸念され、先行き不透明な状況が続いております。
このような経営環境及び状況を踏まえ対処すべき事項は、いかなる環境変化の中においても安定した利益が上げられる収益構造を構築することにあります。そのため自動車部品事業においては、新規受注を拡大するための積極的かつ戦略的な営業活動を展開すること及び人員配置の更なる適正化、徹底した生産性追求・主要経費の予算管理の実践により収益構造の改革を図ることが重要な課題となります。併せて、信頼性のある品質の確保及び2021年4月に特許申請したアニールレス技術等の開発技術力の強化も欠かせない課題となります。
また、自社製品部門においては、電子機器事業では、継続的な受注につながる取引先の新規開拓や既存先の取引拡大に注力する等、引続き営業体制の強化により売上の増強を図ると共に、原価管理の強化や生産性の向上により事業構造を再構築し収益性を高めることが重要な課題となります。更に2021年3月1日に事業譲受した駐輪事業においては、初年度から黒字計上致しましたが、今後も駐輪製品の企画開発から設計、製造、販売・設置、メンテナンスまで社内で一貫して担う体制を活かし、より収益性の高いビジネスモデルとすることが重要となります。
工場設備の資産管理においては、従前、火災及び雪害により多額の損失が生じたことを踏まえ、設備点検の強化による災害への十分な備えを施すこと及び労働災害防止に向けた安全ルールの遵守・安全作業の徹底を図ることが重要となります。
また、現下の雇用環境に鑑み人財の確保及び「低価格・高品質製品」の創出と「業界トップレベルのセールス」を実践できる人財の育成も課題となります。
更には、内部統制システムを適切に整備・運用し強固なガバナンス体制を構築すると共に、品質及び環境保全マネジメントシステムの運用展開を強化し、企業価値の向上とステークホルダーからの信頼性の確保に努めてまいります。
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