研究開発活動

5【研究開発活動】

当社グループ(当社および連結子会社)における研究開発費は、1,893百万円となりました。当社グループは、企業哲学である「本質之直視」を研究開発活動に展開し、物事を原理まで突き詰めることを常に意識しながら、各事業センターならびに国内外の子会社が一体となり研究開発を推進しています。研究開発体制について、コア技術開発センターにおいては、新事業の創出と既存事業の拡大・強化を目的に据え、当社コア技術・製品の強みを更に発展させる研究開発を主な活動とし、各事業センターにおいては所管事業に関する新製品の開発を中心に、相互に連携をとりながら、研究開発活動を行っています。メカトロ製品開発センターにつきましては、これまでに開発した製品の事業化を加速するため、開発機能を各事業部門へ移管しました。また、グループ全体の技術力向上と高付加価値製品の開発に寄与する知的財産の蓄積を図るとともに、大学・外部研究機関との共同研究にも積極的に取り組んでいます。

 

(1) 電子デバイス関連

電子デバイス関連については、有機ELディスプレイ、静電容量式タッチセンサーおよびそのモジュール、アクチュエーター・UAV機器・各種のラジコン、二次電池用部材などの製品をいち早く市場に投入すべく研究開発を行っています。

有機ELディスプレイについては、高輝度化した車載ディスプレイ製品、およびカラーフィルム製品の市場投入を開始いたしました。また市場のカラー化要求が高まる中で、車載用途向けに開発した技術の応用によりカラーディスプレイの高輝度化を実現し標準品ラインナップに加えました。ディスプレイ以外への用途展開を進めている有機ELプリントヘッドにつきましては、業務用途向け製品の市場投入を開始いたします。

LCD表示モジュールについては、多言語・可変フォント・簡易動画機能などを搭載したコマンド式TFT-LCDモジュールの標準ラインナップに加え、USB接続でPCの拡張画面として利用可能な産業用USBディスプレイを開発し、市場投入しました。多種の汎用インターフェースを搭載した産業用途向け製品開発を行っており、さらにお客様の多様なニーズに応えられるよう製品開発を進めています。

静電容量式タッチセンサーについては、進化を続ける未来志向の車載インテリアデザインに対応した製品、また車載のみならず、産機、建機、農機向けに、当社カスタム制御ICの機能アップを図り、屋外用途に適したアプリケーション等を提案することで、お客様の多様なニーズに応えていきます。

また、家電、美容、医療機器用、および車載向けに、マルチデザインプレートという特殊印刷を施したタッチキーを開発し、これらセンサーとディスプレイ、カバーを複合化した商品を市場へ投入していく予定です。

新製品として、タブリードの開発を開始しました。二次電池の高容量化や高い安全性のニーズに応えるため、材料および製品開発を進めていきます。

サーボ関連については、耐久性を向上させたIP67(防水・防塵規格)、CANインターフェースに対応した製品を開発し、ドローン用途を中心に市場投入しました。さらに産業用途での拡大を図るためにラインナップを拡充しています。また主に協働ロボット用に向けて、モータとその制御に必要な周辺機器を一つに収めたオールインワンモータモジュール「Roboservo」をリリースしました。ドローン関連については、産業用に向けて優れた耐風性を強みとした大型機と中型機の標準プラットフォームを応用し、点検・監視・物流・災害対応など各種用途へのニーズに対応しています。

産業用ラジコン機器については、用途拡大を目指し建機・農業・物流・放送・インフラ市場などに向け、免許不要な周波数帯を利用したテレコンなどを市場投入しました。またIoT市場へ展開するため、独自無線と汎用無線を組み合わせた製品を市場投入しました。

産業向けのエンジン製品については、ドローン用レンジエクステンダー(1kW出力)を用いて、測量などで必要な長時間飛行の実証実験を積み重ねると共に、2kW出力などラインナップの強化、長時間飛行での利便性を更に向上させる操作の自動化を進めています。また、低ノイズ・低振動・低燃費・高高度対応のニーズに適した無人航空機用エンジンを開発し、観測・物流・空撮などを主体とするお客様との実証実験・販売を進めています。

ホビー用ラジコン製品については、ハイエンドモデルを更に進化させ、操縦フィーリング・カスタマイズ機能と重量バランスの最適化によって、今までにない走りの新境地を実感させるとともに操縦者への負担を軽減したカー用次世代プロポを開発し市場投入しました。周辺機器では、2系統の受信機とバッテリーを効率良く切り換えることで飛行時の安全性を高める補助装置、大型機から中型機までの動力用モータを制御する3種のESC(Electronic Speed Controller)、オリジナルデザインの模型飛行機3モデルなどの新製品を開発し市場投入しました。また、ホビー向けのエンジン製品については、競技模型車用エンジンの改良・改善を進めると共に、OEM受注を推進する事でシェアNo.1を維持していきます。

以上を含め、当事業における研究開発費は、1,720百万円となりました。

 (2) 生産器材

生産器材については、金型および設備・治工具向け基礎器材をはじめ量産現場におけるシステム開発や成形・生産合理化機器および新製品の用途・顧客開拓を進めました。

金型および設備・治工具向け基礎器材では、お客様の器材調達合理化の仕組みであるフタバオーダーサイトに新たな機能として、関係会社である株式会社カブクが展開する簡易設計・調達サービスである「Plate Builder」を搭載しました。このシステム搭載により、お客様は切削加工品の設計・見積もり・発注を、オンラインで完結することが可能となりました。また、プレート生産の合理化の為、自動丸鋸切断ラインおよび自動フライス加工ラインの開発を進めました。

成形・生産合理化機器では、ホットランナシステムにおいて、耐摩耗性・耐腐食性の向上を図り高機能樹脂への対応を進めました。金型内計測システム(モールドマーシャリングシステム)においては、小形成形品への計測ニーズに対応すべく、新たにΦ1小径表面温度センサの開発を進めると共に、複合計測ニーズ向けでは、センサラインナップの拡大により更なる見える化を提供する予定です。

さらに、プレス成形分野においては、二次電池用電極材切断金型や包材絞り金型を二次電池部材メーカー様に納入する他、社内設備・金型を活用し、全固体電池向けの試作ニーズにも対応を進めています。

新製品分野では、工作機械IoTモニタリングシステムにおいてお客様の要望に対応したソフトウェアを新規に追加し、工作機械の稼働状況を視覚的に捉え、生産実績の分析作業をより簡易化出来るソフトを開発しました。CFRP製切削加工用厚板プレート「フェルカーボ」は、切削加工の工法開発を行い、加工生産性の向上で原価低減を進めました。

以上を含め、当事業における研究開発費は、172百万円となりました。

 

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