文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は「環境と人にやさしい技術への貢献」を企業理念に掲げ、研究開発から生産活動などの企業活動の全域にわたり地球環境の保全に取り組んでおります。
当社はこの企業理念のもと、各電子部品の開発・供給を通じてエレクトロニクス産業の発展に寄与することが、企業価値ひいては株主共同の利益の向上につながると考え、基本方針として推進してまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループにおきましては、企業価値の向上を図るため資産効率の改善に継続的に取り組んでおり、総資産利益率(ROA)及び自己資本利益率(ROE)を重要な指標として位置づけております。
(3)環境変化への柔軟な対応で中長期的な成長を支える経営戦略
当社グループが属する電子機器業界は、技術の進歩、参加企業のグローバルな事業展開等において、最も変化の早い業界の一つであります。
このような経営環境の中で、持続可能な企業として存続し、成長するためには、他に先んじたスピード感のあるグループ経営を行うことが最も重要であると認識しております。
スピード感のある経営とは、先を見据えた経営、常に他社の先を行く経営であり、当社グループにおきましては3ヵ年の中期経営計画を策定し、経営にあたっております。
2020年4月より、「あらゆる経営環境の変化に柔軟に対応できる企業体質への転換」を中期目標とする「第9次中期経営計画」をスタートいたしました。
グローバル化とデジタル変革が急速な勢いで進展している現在、企業として絶えざる変化に対応するための経営改革を確実に実行していくことが喫緊の課題となっております。
当社グループでは、取り巻く経営環境の変化やメガトレンドを当社の優位性として取り込むためには、いかなる経営変革が必要なのかを常に念頭に置き、長期目標である「持続的成長と中長期的な企業価値向上」を実現するために、第9次中期経営計画を策定いたしました。
「全社・全部門での生産性改革による利益創出」を基本戦略として、成長性と収益性の改善を進め、「第9次中期経営計画」を達成してまいります。
重点施策
1. 全社を挙げての安全・品質・法令の遵守とお客様第一主義の徹底
2. 挑戦意欲、情報感度の高い人財の育成と新たな企業文化の創造
3. 商品企画力強化による新商品投入と成長戦略の明確化
4. 品質最優先による顧客満足度の向上
5. 生産基地の再編と生産性改革による高コスト構造からの脱却
6. スピード経営を具現化するデジタル情報化の推進(DX推進)
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
今後の見通しにつきましては、各国でのワクチン接種の進展等により新型コロナウイルス感染症の影響が徐々に和らいでいくもとで、世界経済は先進国を中心に回復基調で推移することが期待されております。一方で、ロシアのウクライナ侵攻による資源価格の高止まりや新型コロナウイルスの新たな変異株による感染症の再拡大など、景気の下振れリスクも懸念されており、当社グループを取り巻く経営環境は、依然として予断を許さない状況が続くものと予想されます。
当社グループにおきましては、第9次中期経営計画の最終年度を迎えるにあたり、経営目標の達成に向けた各種重点施策を着実に実行してまいります。
引き続き成長が見込まれる車載市場・ⅠCT市場等の戦略市場に向けて高付加価値なアルミ電解コンデンサの拡販を進めると共に、電気二重層キャパシタを始めとする機能デバイスや固体デバイスにおいては潜在的な需要が見込まれる海外市場での売上拡大に向けた取り組みを強化してまいります。あわせて、2022年4月に発足した「新規事業推進室」を中心に、営業部門が収集した市場の潜在的なニーズとこれまでに蓄積した技術的な知見を組み合わせることで付加価値の高い新製品の企画・開発を一層加速してまいります。
構造改革では、スマートファクトリー化の次のステップとしてMES(製造実行システム)の導入を進めてまいります。製造工程で取得した情報を基に設備の稼働状態や生産計画を一元的に管理する仕組みを構築し、更なる生産性の向上を図ってまいります。
また、当社グループではサステナビリティへの取組みを更に深化させるため、2022年2月にサステナビリティ基本方針を策定し、同年3月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)による提言に賛同いたしました。今後は、企業理念である「環境と人にやさしい技術への貢献」のもと、気候変動への対応を始めとするさまざまな課題に取組み、持続可能な社会の実現と企業価値の向上に努めてまいります。
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