研究開発活動

5【研究開発活動】

 当連結会計年度における当社グループの研究開発活動は、社会起点の視座に立ち、環境問題などの社会課題の解決につながる技術開発に重点を置き、材料から製品までの一貫した開発体制による高付加価値製品の開発や、より高い品質レベルの追求、生産技術開発等による環境負荷の更なる低減、新規事業の創出に向けた基礎研究などに取り組みました。

 当連結会計年度の研究開発費の総額は4,156百万円であり、主な研究開発活動は次のとおりであります。

 

(コンデンサ)

 カーボンニュートラルの実現に向けた活動が各産業界で活発化する中、重点項目としてCO2排出削減に貢献する製品開発に取り組みました。

 電動化が進む自動車市場に向けましては、素子の封止方法に独自の構造を取り入れることで製品寿命を2倍に延ばした導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサ「HXUシリーズ」を開発いたしました。また、電気自動車やプラグインハイブリッド車のオンボードチャージャー(車載充電器)に最適な製品として、基板自立形アルミ電解コンデンサとしては業界で初めて車載用電子部品の耐振動規格に準拠した「KVAシリーズ」、「KVBシリーズ」、「LVAシリーズ」の3製品を開発いたしました。一方、リード形電気二重層キャパシタ「DLCAP」におきましては、定格電圧を2.7Vに引き上げ、さらに最大20%の小型化を実現した「DKGシリーズ」を開発いたしました。電動ドアロック解除やシフトバイワイヤ、電動パワーステアリングなどのバックアップ電源用として提案してまいります。

 工作機械や各種製造装置、産業用ロボットなどの産業機器市場に向けましては、機器のエネルギー効率を改善する汎用インバータやスイッチング電源の入力平滑用として、基板自立形アルミ電解コンデンサ「KHEシリーズ」のアップグレードを行いました。既存品から約20%の高容量化に成功したことで、機器の小型化に貢献いたします。

 さらに、ICT(情報通信技術)市場に向けましては、第5世代移動通信システム(5G)の普及に伴い設置が進む通信基地局や、通信量の増大と高速化が進むデータセンターなど、常時接続で24時間稼働する情報通信機器向け製品の開発を推進いたしました。高耐熱で長寿命かつ高容量なコンデンサが求められる5G通信基地局用としては、リード形アルミ電解コンデンサ「GXMシリーズ」を開発いたしました。従来品比で約1.7倍の長寿命化と61%の高容量化を達成しており、機器の高信頼性化や小型化に貢献いたします。

 また、電子部品用材料開発におきましては、基礎研究センターを中心に製品の性能向上や新たなデバイスの開発を実現する材料開発に継続して取り組みました。コンデンサ用材料の研究開発におきましては、アルミニウム電極箔、封口ゴム、電解質など、主要材料の更なる高性能化を進めました。特に、コア技術のアルミニウム電極箔の開発では、高耐電圧化、高容量化、品質の安定化、生産性向上のための技術開発等を積極的に推進いたしました。このほか、リチウムイオン電池の高性能化に資する電極材料の開発にも取り組みました。

 当連結会計年度における研究開発費の金額は3,831百万円であります。

 

(その他)

 車載機器や産業機器に使われるインダクタ(コイル)の小形軽量化、高インピーダンス化、独自技術による表面実装化などに取り組みました。

 また、ドライブレコーダーや産業機器等に使われるCMOSカメラモジュールでは、小型化や高性能化、高機能化などに引き続き取り組み、当連結会計年度におきましては3製品を上市いたしました。

 当連結会計年度における研究開発費の金額は324百万円であります。

 

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