文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、人や企業が世の中に生み出す「価値」とそれに対して得られる「対価」の2つが等しい社会を
実現することを経営ビジョンとしております。そのために、中長期経営方針として成果報酬型コンサルティング及
びその他BtoBサービスの拡充を掲げております。
(2)経営環境等
当社グループの主要な事業領域であるコンサルティング市場におきましては、顧客企業における慢性的な人材不足や新型コロナウイルス感染症の影響による先行き不透明な経済情勢等もあり、引き続き潜在的なコスト削減ニーズは高いと考えております。他方で、当連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、小売業や飲食業等の顧客業種において事業運営上大きな混乱が生じた結果、これらの顧客業種からの当社売上高にも影響が生じました。具体的には、特に当連結会計年度の下半期において、これらの顧客業種において当初見込んでいた大型案件の延期や中止が顕在化しました。
このように、当社グループの受注はコロナ禍の影響を一定程度受けるため、当社グループを取り巻く経営環境は厳しい状況が続いております。コロナ禍収束までは予期せぬ事態が発生する可能性があるため、常に経済情勢や市場環境を注視し、必要な対応策を講じてまいります。
このような経営環境のもと、当社グループとしては営業パートナーの拡充及びリレーション強化、営業プロセスの見直し、営業人員の増員により、受注活動の推進に努めてまいりました。また、コスト削減においては、サービス提供をする費目の拡大や費目ごとのコスト削減率の維持向上等を図ることにより、収益拡大に取り組んでおります。
(3)優先的に対処すべき課題
① 市場対応力の強化
当社グループは、クライアントの様々な経営課題の解決に寄与することを目的に、成果をクライアントと共有する成果報酬型コンサルティングのサービス拡充を図ってまいります。前連結会計年度における㈱知識経営研究所の連結子会社化により、今後の成長分野である環境・リスク管理のコンサルティング・サービス拡充を行うなど、更なる事業領域の拡大を推進しております。また、既に提供しているコンサルティング・サービスにおいては、プロジェクト期間の短縮及びクオリティの向上を進め、クライアントへの満足度向上からリピート率(クロスセル)の向上へとつなげてまいります。
② 優秀な人材の採用と育成
当社グループの事業の中核である経営コンサルティング・サービスの策定とその実行支援を行うためには、高い能力を有する人材が必要になります。そのため、今後持続的な成長及び発展をしていくためには、常にメンバーの能力を高めるという質的向上と、高い能力を有する人材を獲得するという量的拡大の両方の施策が必要であります。質的向上については、充実した研修プログラムやコンテストを設けてビジネススキルの向上を図るとともに、多様性を重んじて個人の成長を最大限に引き出しております。量的拡大については、リクルーティングの方法としては、多様なリクルーティングチャネル及びリファーラルを活用していく方針であります。また、社内環境は、メンバーへのストック・オプション制度の導入の検討、多様な価値観を認め合える社風、安心して働きやすい環境・待遇の整備に努めてまいります。
③ 大企業への営業力
当社グループにはコンサルティング・サービスを通じて、これまで積み重ねてきた実績とパートナー陣の幅広い人的ネットワークがあり、プロジェクトの受注においても奏効しております。今後は企業として組織的に営業活動を行うべく、会社としての実績を着実に一つ一つ積み重ね、ブランディングを踏まえた広報活動を通して、企業としての信用を向上させることが必要と考えております。BtoBビジネスに必要な認知度向上のために随時セミナーや出版を行い、マスコミとも良好な関係を構築することで、当社グループの知名度の向上を図っていく方針であります。
④ 最先端テクノロジーへの対応
当社は、BSM領域におけるSaaSであるプロサインを開発しております。プロサインは、企業の間接材購買の最適化、効率化を実現するプラットフォームであり、コスト見える化分析から見積もり取得、発注・購買、請求・支払いまでの一連の購買プロセスを一気通貫でサポートするものです。当社は、プロサインを2022年6月から課金開始する計画ですが、課金社数の拡大やその後の継続率の維持のためには、顧客満足度を高める様々な先進的な機能を提供する必要があります。特に、AIを用いたデータ解析や請求書の読み取り等において、最先端テクノロジーを活用することを計画しており、社内エンジニアを中心にこれらのテクノロジーへの対応に関して最善を尽くしてまいります。
⑤ コーポレート・ガバナンス体制及び内部管理体制
当社が継続的な成長を続けるためには、コーポレート・ガバナンスの更なる強化と内部管理体制の強化が重要であると認識しております。コーポレート・ガバナンスに関しては、経営の効率性、健全性を確保すべく、監査役会の設置や内部監査の実施及び内部統制システムの整備によりその強化を図っております。また、内部管理体制については、管理部門の増員を実施しておりますが、適時開示の重要性が高まる中、適時開示の専任者の採用を図るなど、一層の体制強化が必要であると認識しております。
⑥ 財務報告に係る内部統制の強化について
当社グループの連結上の投資事業組合に係る収益・費用及び関連科目の会計処理等について、2021年10月期決算の作業過程において誤謬があることが判明いたしました。
当社は、財務報告に係る内部統制の重要性を認識しており、開示すべき重要な不備を是正するために下記を含む再発防止策を講じて、財務報告の信頼性を確保していく方針であります。
・経理部門の専門知識及び人材の強化
・連結決算、財務報告プロセスの連結仕訳に関する検証機能の強化
・リスク評価の実効性の向上
・適時、適切な人材配置や外部専門家の活用
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