文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)経営方針
当社グループは、「『働く』を豊かにする。」をミッションとして掲げており、デジタルマーケティング分野に特化して、グローバルな市場で事業展開を進めるGoogleやFacebookなどデジタルプラットフォーマーと呼ばれる企業が提供しているインターネット広告媒体やID認証等を活用した広告運用サービスやツールを提供することで顧客ビジネスの業務効率の改善をサポートしております。
(2)経営戦略等
当社グループは、2021年9月に純粋持株会社に移行し、合計8社の事業子会社が存在し、インターネットにおける運用型広告代理事業を中心とするプロフェッショナルサービス事業、データフィード管理ツールやソーシャルログインシステム・ユーザーへのメッセージ配信ツール等を提供するSaaS事業、並びに主にShopifyをプラットフォームとしてブランディング設計やサイト構築に加えShopifyアプリ等を提供するDX事業の3つの事業セグメントを事業領域として活動しております。これらの各セグメントで提供するサービスを顧客である事業者に対して一体で提供し、顧客の成長を支援することにより、グループシナジーを最大限に図っていくことを主要な戦略としております。
プロフェッショナルサービス事業において大手企業を中心とした先進的な顧客のニーズにテイラーメイドで対応することで当社グループとしてのノウハウを蓄積し、当該知見をSaaS事業の各サービスの機能に適宜組み込んでいくことで幅広い顧客に対して高品質なサービスの提供が可能となっている一方で、データフィードにおいてはプロフェッショナルサービス事業の広告運用においてSaaS事業のサービスを利用するなど、両事業セグメントは相互補完関係にあります。
また、DX事業では、主にEC事業者を対象としてShopifyによるサイト構築の支援に加え、Shopifyアプリなどの開発・提供を行っており、SaaS事業で提供するサービスとの親和性も高いものとなっております。
2021年5月期より新たな事業セグメントとしてDX事業を設立し、EC事業者の販売促進・業務効率化支援に注力しており、案件規模に応じて、主にエンタプライズを対象としてブランディングやサイト構築から広告運用によるマーケティング支援を行うほか、潜在的顧客企業数の多いSMBを対象としてApp Unity参画企業との協業やShopifyアプリの提供によるEC支援を行ってまいります。
この方針の下、2020年10月に㈱リワイアを子会社として設立した後、2021年5月には国内環境に適合したShopifyアプリを提供する企業アライアンス「App Unity」を設立しました。さらに2022年5月期においては、2021年8月に共同事業としてShopifyアプリ「定期購買」を提供している㈱ハックルベリーと資本提携契約を締結し、2021年10月にECビジネスのバックヤード業務を支援するツールを展開するシッピーノ㈱を連結子会社化(2022年4月にテープス㈱をシッピーノ㈱から新設分割により設立)し、2021年11月にShopifyアプリやオフショア開発拠点としてベトナム共和国にて「FEEDFORCE VIETNAM COMPANY LIMITED」を設立、2021年12月にEC事業者のブランディングからサイト構築を支援する㈱フラクタを連結子会社化しており、積極かつ集中的な投資を行いDX事業の規模拡大を行いました。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は2026年5月期までに、ROE20%を維持しつつ、売上高5,000百万円、営業利益2,000百万円を達成することを中期の目標としておりましたが、企業グループの拡大に伴い、当該目標を1年以上前倒しでの達成を目指しております。この目標達成に向けて2023年5月期の業績予想を、売上高3,681百万円としております。
また、当社の経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、今後の顧客基盤の拡大を前提としているため、当社グループの各サービスにおける利用案件数を主要な指標として評価しております。現時点におけるこれらの指標は以下のとおりであり、各事業セグメントにおける多くのサービスにおいて利用案件数の増加が継続しております。
(サービス利用案件数推移)
|
2018年5月 |
2019年5月 |
2020年5月 |
2021年5月 |
2022年5月 |
プロフェッショナルサービス事業 |
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Anagrams |
- |
- |
96 |
115 |
116 |
Feedmatic |
23 |
45 |
48 |
45 |
49 |
DF PLUS |
82 |
85 |
76 |
79 |
72 |
その他 |
7 |
6 |
5 |
3 |
- |
SaaS事業 |
|
|
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|
EC Booster |
57 |
313 |
344 |
303 |
283 |
dfplus.io |
48 |
98 |
139 |
175 |
235 |
ソーシャルPLUS |
188 |
237 |
272 |
309 |
361 |
DX事業 |
|
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|
FRACTA |
- |
- |
- |
- |
53 |
Shippinno |
- |
- |
- |
- |
495 |
Teps |
- |
- |
- |
- |
123 |
Shopifyアプリ |
- |
- |
- |
- |
532 |
(4)経営環境
2021年のインターネット広告費は、動画配信サイトやSNSサイトのアクセス増加や多様化に伴い2.7兆円と前年比で21.4%増加(株式会社電通「2021年 日本の広告費」2022年2月)しており、当社グループの主力広告サービスである運用型広告の市場規模も順調に拡大しています。
その一方で、デジタル広告の出稿にはデジタルプラットフォーマーの規約やフォーマットに合わせて適宜調整するといった一定の労力を要しているのが実情であるため、国内の生産年齢人口について今後減少が見込まれる状況では、デジタル広告出稿などのマーケティング活動に割ける人的リソースの余裕も少なくなっていくものと見込まれます。また、特にSMBではこうした広告出稿等デジタルマーケティングに関する知識や経験を有した人材も不足しており、十分な対応が執られていないものと認識しております。
こうした経営環境から、デジタル広告出稿のアウトソーシングや自動化へのニーズは日々高まっており、当社の提供するプロフェッショナルサービス事業及びSaaS事業の各サービスへの需要も順調に拡大しているものと認識しております。また、企業のDXの流れも一層高まっており、2021年5月期に新セグメントとして立ち上げたDX事業への需要も大きなものと考えております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 新規ビジネスの創出と顧客基盤の拡大
当社グループは、創業以来、デジタルマーケティング領域において様々な新規サービスを開発し、新たな収益機会を創造してまいりました。今後も競争優位性を確保し、長期的に成長し続ける組織であるためには、既存サービスの新規機能追加に加え、広告主である企業や広告媒体となるデジタルプラットフォーマー、更にはその先にいるエンドユーザーのニーズの変化を的確に捉え、新たなビジネスやサービスを創出することが極めて重要であると考えております。具体的には、デジタルプラットフォーマーが事業者向けに提供するサービスを中小規模事業者であっても、自社で保有するデータを活用して簡易かつ効果的に利用できるサービスの開発に注力していく方針であります。当社グループでは、デジタルプラットフォーマーをはじめとした様々な分野のパートナーと連携し顧客基盤の強化を図るとともに、デジタルマーケティング分野におけるDXを促進する新規ビジネスの創出に努めることで、将来の収益の柱を育てるべく尽力してまいります。
② グループ会社とのシナジーの最大化と市場の拡大
当社グループは、当社及び当社の連結子会社8社で構成されており、各社がデジタルマーケティング・Eコマース領域において、強みを活かした各種サービスを提供しております。今後は、運用型広告において「リスティング広告」、「ディスプレイ・動画広告」や「データフィード広告」など総合的なソリューションをワンストップで提供することに加え、Shopify構築支援やアプリ開発をグループ全体で取り組むことにより、シナジーの最大化と市場の拡大を目指してまいります。
③ 人材の確保と育成
当社グループが今後更なる事業を拡大していくためには、優秀な人材の確保と育成が必要不可欠であると考えております。特に、幅広い分野に精通した優秀なエンジニアの採用は、他社との獲得競争が激しさを増す昨今の状況に鑑みると、継続的な課題と認識しております。これらの課題に対処するために、当社グループは、知名度の向上、研修制度の強化、待遇及び福利厚生の充実を図り、優秀な人材が長期にわたってやりがいを感じて働くことができる職場環境の整備を進めるとともに、採用活動の柔軟化により適時な人材の確保と育成に努めてまいります。
④ 認知度の向上
当社グループは、これまで提供サービスの広告宣伝には注力しておらず、機能優位性とデジタルプラットフォーマーとの連携に拠る営業活動を通じて新しいマーケットの創出に取り組んできました。その結果、現在、幅広い業種、企業に当社グループサービスを導入頂き、継続的な取引による確固たる顧客基盤の構築を実現することができていると考えております。しかしながら、既存サービスの更なる拡大及び競合企業との差別化を図るためには、当社グループ及び当社サービスの認知度を向上させ、新規案件を獲得していくことが重要な課題であると認識しております。当社グループとしましては、費用対効果を慎重に検討の上、広告宣伝による販売促進活動に取り組み、認知度の向上を図ってまいります。
⑤ 内部管理体制の強化
当社グループが今後更なる業容拡大、継続的に成長するためには、リスク管理体制の強化と、確固たる内部管理体制構築を通じた業務の標準化及び効率化の徹底が重要であると考えております。当社グループとしましては、更なる内部管理体制の強化によって、より一層のコーポレート・ガバナンス機能の充実を図り、経営の公正性・透明性の確保及び企業価値の最大化に努めてまいります。
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