(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループにおきましては、「つながりを常によろこびに(Delight in Every Connection)」というミッションのもと、カスタマーサポートサービス「ソーシャルアプリサポート」及び24時間365日体制の投稿モニタリングサービス「インターネットモニタリング」の2つのサービスを主軸に、カスタマーリレーション事業を引き続き展開しております。
当社グループでは、環境変化に機動的に対応すべく、効率性や採算性を考慮した社内体制の整備を継続し、新規顧客の獲得及び既存顧客との関係強化に努めてまいりました。新型コロナウイルス感染症がもたらした新しい生活様式によって、動画配信サービスや電子決済サービスなどの利用者数が増大しているなか、既存クライアントの成長にあわせた案件の規模拡大に備えるべく、特定分野に特化したグループ会社による拠点の新設及び既存拠点の拡張を行い、売上拡大を目指した取り組みを実施いたしました。また、スタートアップ企業や新規事業向けにカスタマーサクセス体制構築を支援するサービス「CSブートキャンプ」の提供を開始し、新規案件の獲得に繋げることができました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は999,642千円となり、前連結会計年度末に比べ14,909千円増加いたしました。これは主に売掛金の増加28,277千円、現金及び預金の減少15,387千円によります。固定資産は164,209千円となり、前連結会計年度末に比べ24,002千円増加いたしました。これは主に本社の改装及び国内子会社であるアディッシュプラス株式会社の日南BASE開設に伴う、建物及び構築物の増加22,795千円、工具、器具及び備品の増加6,104千円によります。
この結果、総資産は1,163,851千円となり、前連結会計年度末に比べ38,911千円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は483,344千円となり、前連結会計年度末に比べ28,257千円増加いたしました。これは主に未払費用の増加63,124千円、1年以内返済予定の長期借入金の減少49,330千円によります。固定負債は35,312千円となり、前連結会計年度末に比べ48,419千円減少いたしました。これは主に長期借入金の減少32,334千円によります。
この結果、負債合計は518,656千円となり、前連結会計年度末に比べ20,161千円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は645,194千円となり、前連結会計年度末に比べ59,073千円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上48,799千円によります。
この結果、自己資本比率は55.4%(前連結会計年度末は52.1%)となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の業績は、売上高2,992,674千円(前年同期比9.9%増)、営業利益51,839千円(前年同期比592.8%増)となりました。また、雇用調整助成金による助成金収入16,867千円を計上した結果、経常利益70,603千円(前年同期比1,313.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益48,799千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失4,117千円)となりました。
なお、当社グループはカスタマーリレーション事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載は省略しております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ15,387千円減少し、当連結会計年度末には634,184千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は112,515千円(前年同期比293.6%増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上70,096千円、売上債権の増加27,959千円、未払費用の増加63,093千円によります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は55,827千円(前年同期比124.5%増)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出42,131千円によります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は72,457千円(前期は296,804千円の獲得)となりました。これは主に長期借入金の返済81,664千円によります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため記載を省略しております。
c.販売実績
当社グループの事業は、カスタマーリレーション事業の単一セグメントであり、前連結会計年度及び当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。
セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) |
||
金額(千円) |
前年同期比 (%) |
金額(千円) |
前年同期比 (%) |
|
カスタマーリレーション事業 |
2,723,203 |
108.8 |
2,992,674 |
109.9 |
(注)最近2連結会計年度及び当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
は次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
楽天株式会社 |
279,629 |
10.3 |
352,744 |
11.8 |
ストライプジャパン株式会社 |
- |
- |
352,610 |
11.8 |
(注)1.前連結会計年度のストライプジャパン株式会社に対する販売実績は、総販売実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。
a.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ269,470千円増加し2,992,674千円(前年同期比9.9%増)となりました。これは主に新規顧客獲得による業務拡大によるものであります。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べ188,354千円増加し1,095,610千円(前年同期比20.8%増)となりました。また、売上総利益率は、組織変更による業務効率化を図ったことにより、前連結会計年度に比べ3.3ポイント増加し、36.6%となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、当連結会計年度の当初計画に基づく従業員給与の昇給、期末賞与の計上及び組織変更による間接部門の人員増加により、前連結会計年度に比べ143,998千円増加し、1,043,771千円(前年同期比16.0%増)となりました。
この結果、当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度に比べ44,356千円増加し、51,839千円(前年同期比592.8%増)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、雇用調整助成金の受給により、前連結会計年度に比べ10,444千円増加し、27,923千円(前年同期比59.8%増)となりました。
営業外費用は、前連結会計年度に計上した新規上場に伴う株式交付費が当連結会計年度においては新株予約権の行使によるもののみとなったことにより、前連結会計年度に比べ10,805千円減少し、9,159千円(前年同期比54.1%減)となりました。
この結果、当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度に比べ65,606千円増加し、70,603千円(前年同期比1,313.0%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、税金等調整前当期純利益70,096千円、法人税、住民税及び事業税19,227千円及び法人税等調整額2,069千円の計上により、前連結会計年度に比べ52,917千円増加し、48,799千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失4,117千円)となりました。
b.財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、1,163,851千円となり、前連結会計年度末に比べ38,911千円増加しました。これは主に売上高の増加に伴う売掛金の増加28,277千円、本社6階及び8階の改装と連結子会社であるアディッシュプラス株式会社の日南BASE開設に伴う有形固定資産の増加28,900千円によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、518,656千円となり、前連結会計年度末に比べ20,161千円減少しました。これは主に長期借入金の返済による減少81,664千円、期末賞与計上による未払費用の増加63,124千円によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、645,194千円となり、前連結会計年度末に比べ59,073千円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上48,799千円によるものであります。この結果、自己資本比率は55.4%(前連結会計年度末は52.1%)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概況 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、運転資金需要の主なものは、サービス提供に伴う労務費及び人件費、外注費、地代家賃などの営業費用であります。運転資金につきましては、自己資金、金融機関からの借入により充当することとしております。
当社グループの資金の流動性につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概況 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおり、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は634,184千円となっており、新型コロナウイルス感染症の影響で多くの企業において資金繰りが懸念されるなか十分な流動性を確保していると考えております。
なお、重要な資本的支出の予定につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。
③ 重要な会計方針及び見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載されているとおりであります。
④ 経営者の問題意識と今後の方針
経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、事業環境、事業内容、組織体制、法的規制など、様々なものが挙げられます。詳細につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりと認識しており、これらのリスクについては解消に努めていく所存であります。
⑥ 当社グループの経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について
当社グループは、企業価値の増大を図っていくために、「売上高」、「経常利益」を重要な経営指標としております。当連結会計年度における売上高は、2,992,674千円(前年同期比9.9%増)、新型コロナウイルス感染症拡大による案件開始時期の延期などの影響があったものの、新規案件獲得や組織変更による業務効率化を図ったことにより、経常利益は70,603千円(前年同期比1,313.0%増)となりました。引き続きこれらの改善に向け取り組んでまいります。
お知らせ