業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概況

 当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

 ① 財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ3億37百万円増加し、24億70百万円(前連結会計年度末比15.8%増)となりました。これは主に現金及び預金の増加2億22百万円(前連結会計年度末比34.8%増)、第4四半期の売上が好調だったことによる売上債権の増加1億47百万円(前連結会計年度末比15.4%増)等によるものであります。固定資産は、前連結会計年度末に比べ36百万円減少し、9億98百万円(前連結会計年度末比3.5%減)となりました。これは主にのれん償却等によるものであります。この結果、資産合計は前連結会計年度末に比べ3億1百万円増加し、34億68百万円(前連結会計年度末比9.5%増)となりました。

(負債)

当連結会計年度末における流動負債は前連結会計年度末に比べ2億10百万円増加し、18億40百万円(前連結会計年度末比12.9%増)となりました。これは主に計量包装機の生産に伴う仕入債務が増加したこと等によるものであります。固定負債は前連結会計年度末に比べ1億10百万円減少し、3億71百万円(前連結会計年度末比23.0%減)となりました。これは主に長期借入金が返済により1億28百万円減少したこと等によるものであります。この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ1億0百万円増加し、22億12百万円(前連結会計年度末比4.7%増)となりました。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計額は、前連結会計年度末に比べ2億1百万円増加し、12億56百万円(前連結会計年度末比19.1%増)となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことによるものであります。

 

 ② 経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の流行により企業活動の制限や個人消費の低迷など社会・経済活動の停滞を余儀なくされ、依然として厳しい状況となりました。ワクチン接種をはじめとする感染対策の効果や海外経済の回復により、景気の改善の兆候は見られ、感染者数の減少傾向も認められるものの、感染再拡大による景気の下振れリスクは残っており、景気の先行きは不透明な状況が続いております。

 

当社グループの主要取引先であるコメ流通業界におきましても、少子高齢化による人口減や食の多様化により国内のコメの消費量が毎年減少傾向にある中、新型コロナウイルス感染症の流行により、巣ごもり需要の増加などで家庭用向け精米販売は堅調に推移しましたが、外出自粛等による外食店の需要減などにより業務用向け販売が減少している状況が続いております。

 

また、物流業界においては、ネット購入の拡大などにより通販向け梱包資材等の販売は堅調に推移しましたが、卸業・製造業向けの梱包資材等の販売は、回復傾向が認められるものの、厳しい状況が続いております。

 

このような状況下において、当社グループは将来にわたる持続可能なビジネス機会と収益性を確保するために、中期経営方針として「既存事業の強化」、「新規事業・新規市場の基盤構築」、「成長戦略の推進」、「株式上場準備および組織基盤の整備」を掲げ、事業展開を進めてまいりました。

 

その結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高50億68百万円(前期比3.5%増)、売上総利益12億69百万円(同比2.1%増)となりました。販売費及び一般管理費は9億52百万円(同比2.7%減)となり、当連結会計年度の営業成果である営業利益は3億16百万円(同比19.7%増)、経常利益は3億24百万円(同比22.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2億5百万円(同比274.1%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

(包装関連事業)

包装関連事業の主要取引先であるコメ流通業界は、少子高齢化による人口減や食の多様化により国内のコメ消費量が毎年減少傾向にある中、新型コロナウイルス感染症の流行拡大による緊急事態宣言が行われ、巣ごもり需要の増加などで家庭用向け販売は堅調に推移しましたが、業務用向け販売は、一部で回復傾向がみられるものの、外出自粛や営業時間短縮等による外食店の需要減などにより販売が減少しました。その結果、売上高は43億22百万円(前期比3.4%増)となり、セグメント利益は3億9百万円(前期比0.6%増)となりました。

(物流梱包事業)

物流梱包事業につきましては、物流業界の市場規模は緩やかな拡大基調が予測され、省力化・自動化に伴う新たな需要が期待できる中、大手ネット通販業者等への販促強化、商品力強化のための新たな仕入れ先の開拓などに取り組み、売上と収益の増強を図っております。新型コロナウイルス感染症の影響を受けている製造業等で物流梱包関連商品の需要は減少しておりましたが一部に緩やかな回復傾向がみられ、消費者のネット購入拡大による需要は引き続き堅調に推移しております。その結果、売上高は7億46百万円(前期比3.8%増)となり、セグメント利益は6百万円(前連結会計年度は43百万円の損失)となりました。

 

 ③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2億22百万円増加し、8億63百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は4億24百万円(前年同期は使用した資金1億20百万円)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益3億24百万円(前年同期は1億63百万円)、及び売上債権の増加額1億47百万円、仕入債務の増加額2億70百万円等により運転資本が増加したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果得られた資金は1百万円(前年同期は使用した資金10百万円)となりました。これは主に有形固定資産の売却による収入3百万円等により資金が増加したことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は2億3百万円(前年同期は使用した資金2億33百万円)となりました。これは主に短期借入金の返済による支出94百万円、及び長期借入金の返済による支出1億28百万円等により資金が減少した

ことによるものであります。

 

 ④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年11月1日

至 2021年10月31日)

包装関連事業

金額(千円)

前年同期比(%)

4,348,827

106.0

 

 (注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

3.物流梱包事業の対象会社であるパックウェル㈱は、生産活動を行っておりません。そのため、記載は省略しております。

 

b.仕入実績

 当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年11月1日

至 2021年10月31日)

物流梱包事業

金額(千円)

前年同期比(%)

775,937

108.7

 

 (注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年11月1日

至 2021年10月31日)

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

包装関連事業

4,589,437

110.2

831,440

147.4

物流梱包事業

761,079

105.7

18,953

462.0

合計

5,350,516

109.5

850,393

149.7

 

 (注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.金額には消費税等は含まれておりません。

 

d.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年11月1日

至 2021年10月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

包装関連事業

4,322,062

103.4

物流梱包事業

746,228

103.8

合計

5,068,291

103.5

 

 (注)1.金額には消費税等は含まれておりません。

2.金額にはセグメント間の内部取引高等は含まれておりません。

3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が100分の10以上である相手先がないため記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①当連結会計年度の財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度末の財政状態は、流動資産24億70百万円、固定資産9億98百万円、総資産34億68百万円、流動負債18億40百万円、固定負債3億71百万円、負債合計22億12百万円、純資産12億56百万円となりました。

前連結会計年度末から当連結会計年度末にかけての主な財務比率につきましては、当座比率が97.8%から106.7%に上昇、流動比率が130.8%から134.2%に上昇、自己資本比率が33.3%から36.2%に上昇しており、順調に推移しているものと考えております。

また、リース債務を含めた有利子負債比率は前連結会計年度末から当連結会計年度末にかけて62.8%から39.3%に低下しており、上述の各比率と併せ、当社グループの財務の安定性に特段の問題はないものと考えており、今後も財務の健全性の維持、向上に努めてまいります。

 

②経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(売上高)

 当連結会計年度における売上高は、50億68百万円(前期比3.5%増)となりました。

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、現状、コメ流通業界が主要な取引先であることから、コメの消費量が考えられます。当連結会計年度におけるコメの消費量につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響から、巣ごもり需要等により家庭における消費量は増加したものの、外出自粛等により外食店の需要・消費量が大きく減少しました。その影響を当社グループも受け、業務用精米に係る製品・商品の売上が減少しました。一方、前連結会計年度から引き続き寡占化する卸業者や量販店グループといった重点顧客のニーズの掘り起こしに努めた結果、前連結会計年度を1億69百万円上回る売上となりました。

セグメントごとの状況及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

(包装関連事業)

上述のとおり、新型コロナウイルス感染症の影響から、家庭におけるコメ消費量は増加したものの、外食店の需要・消費量が大きく減少するという状況の下、業務用精米に係る製品・商品の売上は減少しましたが、既存事業の強化を掲げ、寡占化する卸業者や量販店グループといった重点顧客のニーズの掘り起こしに努めた結果、前期比3.4%増の43億22百万円(内、包装資材関連の売上高は27億42百万円、包装機械関連の売上高は15億79百万円であります。)の売上高となりました。

 

(物流梱包事業)

前連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症の影響による営業活動の制限等により新規顧客の獲得が伸び悩みましたが、当連結会計年度においては、営業活動の制限は残るものの、前連結会計年度に比して新規顧客の獲得に成功し、さらには、製造業等の一部に緩やかながら回復傾向が見られたことから、前期比3.8%増の7億46百万円の売上高となりました。

 

(売上原価、売上総利益)

当連結会計年度における売上原価は、37億99百万円(前期比3.9%増)となり、売上総利益は12億69百万円(前期比2.1%増)となりました。

 セグメントごとの状況及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

(包装関連事業)

包装関連事業における売上原価は前期比4.1%増の32億76百万円となりました。大口の販売先に対する売上の構成割合は前連結会計年度から特段の変化はありませんでした。印刷色数が多い等、原価率が低い商品の構成割合が低下したことから原価率は前連結会計年度の75.3%から75.8%に上昇しましたが、上記に記載した売上高の伸長がそれを打ち消し、売上総利益は前期比1.2%増の10億45百万円となりました。

 

(物流梱包事業)

物流梱包事業における売上原価は前期比2.7%増の5億22百万円となりました。原価率の高い商品の売上における構成比率が前連結会計年度より6ポイント低下したことで、原価率は前連結会計年度の70.8%から70.0%と0.8ポイント改善し、売上総利益は、前期比6.4%増の2億23百万円となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、9億52百万円(前期比2.7%減)となり、営業利益は3億16百万円(前期比19.7%増)となりました。

 セグメントごとの状況及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

(包装関連事業)

 新型コロナウイルス感染症の影響が長引く中、前連結会計年度から引き続き出張の抑制、多くの来場者が見込めない展示会への出展取りやめ等を実施し、販売費及び一般管理費は7億35百万円となりました。その結果、セグメント利益は3億9百万円となりました。

 

(物流梱包事業)

 前連結会計年度ほどではないものの新型コロナウイルス感染症の影響による営業活動の制限は引き続き残り、また、前連結会計年度においてのれんの減損損失1億2百万円を計上したため、のれんの償却額が33百万円(前連結会計年度の年間償却額57百万円)となり、販売費及び一般管理費は2億16百万円となりました。その結果、セグメント利益は、6百万円となりました。

 

(営業外収益、営業外費用、経常利益)

当連結会計年度における営業外収益は、11百万円(前期比170.7%増)となりました。これは主に、保険解約返戻金8百万円、固定資産売却益1百万円が生じたことによるものであります。また、営業外費用は3百万円(前期比1.9%減)となりました。これは主に、支払利息が2百万円生じたことによるものであります。

以上の結果、経常利益は3億24百万円(前期比22.4%増)となりました。

 

(特別利益、特別損失、法人税等、親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度における特別利益及び特別損失の発生はありませんでした。また、法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額含む)は1億19百万円となりました。

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は2億5百万円(前期比274.1%増)となり、1株当たり当期純利益は前連結会計年度の39円45銭から147円58銭と大きく増加しました。また、ROEにつきましても、目標としている15%を上回る17.8%となり、前連結会計年度の5.2%から12.6ポイント上昇いたしました。

 

③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2億22百万円増加し、8億63百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は4億24百万円(前年同期は1億20百万円の使用)となりました。これは主に減少要因として期末月の売上伸長による売上債権の増加額1億47百万円(前年同期は売上債権の増加額2億8百万円)があったものの、増加要因として税金等調整前当期純利益を3億24百万円(前年同期比1億61百万円増加)獲得できたこと、及び包装機械の生産計画に基づいた仕入債務の増加額2億70百万円(前年同期は仕入債務の減少額1億82百万円)を計上したこと等があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果得られた資金は1百万円(前年同期は10百万円の使用)となりました。これは、主に工具、器具及び備品の売却に伴う有形固定資産の売却による収入3百万円等により資金が増加したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は2億3百万円(前年同期比13.1%減)となりました。これは、主に借入金に関して、約定に基づく返済が短期借入金94百万円、長期借入金1億28百万円、合計で2億23百万円(前年同期比44百万円増加)だったのに対し、設備投資等新たな多額の資金需要が当連結会計年度には生じなかったことから新規の借入れは短期借入金の49百万円のみだったこと、及び当連結会計年度の配当金の支払い11百万円(前年同期比25百万円減少)を実施したこと等によるものであります。

 

④資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。

当社グループの資金需要といたしましては、通常の営業において必要となる運転資金、その中で賞与等時期特有の季節資金及び設備投資等の際に必要となる設備資金等があります。

運転資金については、内部留保を財源とすることを基本にしております。当社グループでは、通常、売上債権の回収期間が仕入債務の支払期間よりも短いため、利益が確保できれば、運転資金につき内部留保を財源とすることに問題はないものと考えております。

また、季節資金についても、原則として内部留保を財源としており、不足が生じると予測される場合に限り、短期借入金により調達する方針であります。

他方、設備資金等につきましては、現状、金融機関からの長期借入金により資金調達を行っております。現在、多額の資金調達の予定はありませんが、金融機関からの借入れのみでは、更なる成長のための資金調達源泉としては不十分であると考えており、今後は、新株式や社債の発行なども視野に入れ、資金調達の多様化の実現に努めてまいります。

 

⑤重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を踏まえた会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。

 

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