課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

<経営理念>

 当社グループの経営理念は、「『人に優しい新技術』」をモットーに、常に使う人の身になっての商品づくりに努め、お取引先の皆様とのビジネスを通じて社会に貢献していきます」であります。

 

<基本方針>

 当社グループは、変化する社会環境の中でイノベーションを起こし続け、皆さまに信頼される企業を目指すことを基本方針としております。

 

<行動指針>

 当社グループは、行動指針として挑戦(C)、スピード(S)、誠実(S)、元気(G)を掲げ、行動指針に基づく「CSSG」経営を実践し、個々の成長、企業の成長のみならず、お客様の身に寄り添える企業を目指してまいります。

 

(2)経営戦略等

① 既存事業の強化

 包装・梱包資材、包装・梱包機械に関わる問題を解決するためのサービスをワンストップで提供し、相互連携により収益を複合化・最大化を図ること(シナジーの更なる創出・拡大)を目指しております。

 

<包装関連事業>

・資材部門においては、流通の変化に対応すべく寡占化する卸売業者や量販店グループ、外食産業など重点顧客のニーズを積極的に掘り起こし、コスト競争力や商品力の強化、提案型・解決型営業の推進、社内体制の強化による対応スピードの向上や安定供給体制の構築等を通じ、お客様の利益に貢献する商品や、問題を解決するためのサービスを提供することで顧客満足度の向上と収益の増強を図ります。

・機械部門においては、多様化する消費者ニーズ・顧客ニーズに対応するため開発・製造部門を強化し、米穀用自動計量包装機のメーカーとして売上と収益の増強を図ります。また、既にアジアを中心として販売チャネルのある国内商社を活用して海外向けに包装機械の販売を行っておりますが、今後はさらに海外向けの売上比率の拡大を目指し、現地ニーズに適した機械の開発を行うとともに、販売体制の強化を図ります。なお、2021年10月期につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、包装機械の輸出が難しい状況であったことから、主に部品等により約250千円の売上高となりましたが、2022年10月期では例年並みの売上が見込めるものと判断しております。例年並みの海外向けの売上高の参考値としましては、2018年10月期から2020年10月期の3期平均売上高構成比率2.2%(3期平均売上高は105百万円)となっております。

・西日本市場では、既に設置している関西出張所に従業員が1名常駐しており、2022年10月期に1名増員することで2名体制とすることを予定しており、増員を足掛かりとして今後はさらに販売体制の強化を行い、西日本の重点顧客に対し積極攻勢をかけることにより、売上・収益の拡大を目指します。

② 新規事業・新市場の基盤構築

<包装関連事業>

・当社が得意とするチューブロール式(長くつながった筒状の包装資材を巻き取ったもの)の包装形態を用いた機械と資材による新しい需要の創造活動を行い、食品、ペット関連等の米穀市場以外の新市場での販売を促進し、売上を定着させます。

・農産物市場、施設園芸市場等におけるニーズを拾い、資材・設備等の取扱い商材を拡充・開発することで新規事業分野における売上・収益の獲得を目指します。

<物流梱包事業>

・海外の優れた物流梱包機械並びに資材の発掘を行い、国内市場での新しい需要の掘り起こしを継続して行ってまいります。

 

③ 成長戦略の推進

<両事業共通>

当社グループでは、成長戦略として主に既存事業の強化、新規事業・新市場の基盤構築を推進しており、具体的には以下の取り組みを進めてまいります。

 

・既存事業の強化、新規事業・新市場の基盤構築を推進するための設備投資や製品開発を積極的に展開し、売上と収益の拡大を図ります。

・積極的な成長戦略の展開を支える強固な財務基盤の確立のため、株式公開による資金調達手段の多様化を図ります。

・資本政策の一環である安定株主との包括的な業務提携等を進め、既存事業の強化と新規事業・新市場の基盤構築に活かしてまいります。

 

④ 組織基盤の整備

<両事業共通>

・採用手法の多様化と教育機会の充実、事業及び成長戦略に適した人材配置、刷新した評価・報酬システムの定着など人的資源の強化・拡充を積極的にすすめ、行動指針で掲げている挑戦、スピード、誠実、元気を体現する人材を育てることで、人材面での競争優位性を確立します。

・基幹システムの改善と作業のルール化及び業務の標準化を推進し、生産性の向上とリスク管理の強化を図ります。

・社会的信用向上のため、コーポレート・ガバナンス体制の維持・強化を図ってまいります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 株主価値及び資本効率を高める経営が重要と考えていることから、主たる経営指標として自己資本利益率(ROE)を重視し、収益性・効率性の高い経営に努めてまいります。

 

(4)経営環境

 わが国では、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が一定者数に普及したこと等により感染者数が減少し、緊急事態宣言が解除されたことで経済は緩やかに回復していくことが期待されますが、依然として先行き不透明な経済環境が続くものと見込んでおり、当社グループの事業に対しても一定程度の影響は避けられないものと考えております。

 当社グループの売上高全体に占める米関連(米穀業界)の売上高構成比率は、2021年10月期において約79%(当社単体で約94%)と高い比率となっております。

 そのため、米穀業界における環境について記載いたしますと、農林水産省が2021年7月に公表している「米をめぐる関係資料」によると主食用米の全国ベースの需要量は一貫して減少傾向にあり、最近では人口減少等を背景に年間10万トン程度に減少幅が拡大しております。主食用米の需要量の推移としましては、2009年7月から2010年6月までの1年間においては814万トンでしたが、2019年7月から2020年6月までの1年間においては714万トンまで減少しており、今後も需要の減少は避けられないものと見込まれます。

当社グループが運営する事業の市場の状況につきましては、米穀業界の卸再編などによる顧客の統廃合や、消費者ニーズの多様化による需要の変化など予断を許さないものと考えていることから、顧客基盤の強化や競合他社との競争優位性を高めること等は課題として認識しております。

当社グループとしましては、このような環境の変化に対応していくために「成長戦略」を策定し、その実現に取り組んでまいりました。その中で、包装関連事業の山葉印刷株式会社や物流梱包事業としてパックウェル株式会社を子会社とするなど、既存事業での商品強化と新市場開拓の足がかりのための商品開発に取組んでおります。

 また、既存事業の強化に取り組みながら、さらなる「成長戦略の実現」を目指しており、社内体制の強化を図ると共に、現業部門に係る基幹システムの改良と業務改善に伴う事業の効率化を実現することなどが当社グループとして更なる発展をするカギと考えております。

 このような状況のもと、業務改善に伴う事業の効率化を推進すると共に戦略的な業務提携等の実施により、新しい商品・サービスを生み出し、営業・販売体制の拡充に努めてまいります。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題につきましては、以下のことに対処してまいります。

 

① 顧客基盤の強化

当社グループは米穀業界における包装関連事業が売上の大半を占めておりますが、その顧客たる米穀業界の卸再編などによる統廃合が進んでいることから、引き続き顧客動向に注視しつつ、顧客のニーズに対して適切なサービスの提供等を行うことにより既存事業における顧客との関係性の強化に努めるとともに、米穀業界以外の顧客を開拓すること等により、顧客基盤の強化に努めてまいります。

② 新規事業・新市場分野の強化

 当社の得意なチューブロール式の包装形態による、機械と包材の需要の創造活動を行い、食品や肥料、さらにはペット関連等の米穀市場以外の新市場への働きかけを強め、そこでの売上の定着に努めてまいります。

 

③ 他社との競争優位性の強化

包装資材部門では、コスト競争力や商品力の強化、対応スピードの向上や安定供給体制を構築すること等により、他社との競争優位性を高めてまいります。

包装機械部門では、開発・製造部門の強化を行い、操作性・安定性・高速性等の多様化する消費者ニーズ・顧客ニーズに対応すること等により、他社との競争優位性を高めてまいります。

 

④ 資金調達の多様化

現状の資金調達は、内部留保と金融機関からの借入れに限定されており、更なる成長のための資金調達源泉としては不十分であると考えております。今後は、新株式や社債の発行なども視野に入れ、資金調達の多様化の実現に努めてまいります。

 

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得