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リスクの内容
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リスクに対する対応策
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⑥
人財の確保に係るリスクについて
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当社グループは、事業を維持し持続的な成長を実現するためには、全ての事業において、必要な時期に適切な人財を確保することが重要と考えております。
しかしながら、優秀な人財が社外に流出した場合や人財の採用・教育が予定通り進まなかった場合、当社グループの事業活動に支障をきたし、これにより当社グループの業績に悪影響が及ぶおそれがあります。
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当社グループでは、人財育成を経営の重要課題の一つとして位置づけております。従業員教育に注力する他、より働き易い環境、従業員一人一人の能力を更に伸ばせる職場環境を提供するため、在宅勤務制度やフレックスタイム制度、時差勤務制度等を導入し、ワークライフバランスの充実に取り組んでおります。また、従業員の専門性をより適正に評価することのできる人事制度も導入いたしました。
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⑦
電力取引関連事業について
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需要と供給を常時マッチングさせることが求められる電力取引の性格上、同市場の価格は他の市場取引に比し、大きな値動きをすることがあります。特に市場の流動性が縮小する時には、価格が著しく変動するリスク等も存在します。
また、当事業においては、事業の拡大に伴い与信供与する取引先が増加しており、足元では電力価格の高騰により主な取引先である新電力会社の事業環境が悪化していることから、万が一与信先が破綻した場合は、少なからずその影響を受ける可能性があります。
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電力取引関連事業においては、発電事業者等他の電力業者から電力を調達し、小売電気事業者等に対し電力を販売する電力取引を拡大しておりますが、電力調達量が販売量を上回るまたは下回ることで電力量に過不足が生まれることがあり、そのまま期限が到来した場合は電力価格の変動を直に受けるため損失が発生するリスクがあります。なお、価格変動リスクは、当社グループが1992年の創業以来続けてきているディーリング事業で培ってきたリスク管理ノウハウを十分に活用してコントロールしております。
また、与信リスクについては、取引先毎のリスク限度の管理やリスクを抑制できる取引形態及び与信リスクの転嫁等を通じ与信リスク量のコントロールに努めております。
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⑧
小売電気事業について
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2020年4月に、傘下に小売電気事業を展開する企業を子会社化いたしました。
小売電気事業のビジネスモデルは、顧客を継続的に増やしていく成長過程において、小売電気事業者の損益計算書は費用先行になる傾向があります。中長期的には当社の企業価値向上に寄与するものと考えておりますが、顧客数が一定に達するまでは当事業においては赤字が継続する見通しです。
小売電気事業は、電気事業法に基づく申請を行い、経済産業大臣による登録により事業を開始することが可能となっております。参入障壁が低いことから、新規参入事業者が急増しており、自由化以降の5年間で700を超える事業者が登録されております。新規参入者の急増は、電力購入価格の上昇と、電力販売価格の下落を招く可能性があり、また、足元のエネルギー情勢を背景とする電力購入価格の高騰を適切に販売価格に転嫁できない場合は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。また営業収益は、顧客の電気使用量の季節的変動(気温や気象等)による影響を受けるため、業績が季節変動するリスクがあります。
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小売電気事業への本格的参入は、従来からの再生可能エネルギー関連事業、電力取引関連事業に加え、日本における電力のサプライチェーン全体に事業領域を広げ、より機能的なサービスの提供と収益機会の開拓を図る方針に基づいたものです。当社グループの総合エネルギー事業を伸ばしていくためには、自前の小売電気事業が欠かせないものと考えております。
顧客を継続的に増やしていく過程における損益計算書上の費用先行については、再生可能エネルギー関連事業や電力取引関連事業との連携等により同業他社とのサービスの差別化に取り組むことにより顧客基盤の拡大に努め、できる限り早期の業績改善を図ると共に、電力取引関連事業に関する説明のとおり、電力価格の変動等によるリスクを的確にコントロールして事業運営を行います。
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⑨
商品先物市場・金融市場等の動向について
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ディーリング事業は、主に国内外の商品先物市場及び金融市場等を運用の対象市場としております。従って、当社グループの業績は市場動向の影響を排除できない面があり、世界的な政治、経済、社会情勢等の動きがこれらの市場に対して大きな影響を与えています。
また、商品先物市場もしくは金融市場の値動きが極端に小さくなるような市場環境が継続した場合、仮想通貨やFX市場等他のアセットクラスに資金が流れ流動性が極端に低下した場合及び当社グループと同様または優れた手法を駆使するディーリング事業を展開する新規参入者が増加した環境においては、ディーリング事業の収益が低迷する可能性があります。
この他、戦争、テロ、疫病、天災、大規模事故等の世界的事件・事故が発生し、商品先物市場または金融市場の閉鎖、取引中断、大幅な取引ルールの変更等の予期せぬ事態が発生した場合、当社グループの事業活動及び業績は大きな影響を受ける可能性があります。
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当社グループにおけるディーリング事業においては、国内外の主要先物市場を通じた裁定取引戦略を主たる取引として、市場における上昇トレンド・下降トレンドそのものが事業収益に直接大きな影響を与えることを低減させる戦略をとっております。
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⑩
アセット
・マネジメント事業における運用資産残高と報酬率について
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アセット・マネジメント事業における収益は、運用資産残高と報酬率によって大きく変動します。当社グループでは、連結対象ではなくなったものの引き続き当事業の中核を担う事業会社であるPPAM社において、同社の筆頭株主であるZフィナンシャル株式会社と協働して、安定的な収益拡大のために新たな運用資産の獲得を目指し、運用収益率の向上、新規運用商品の開発及びマーケティングの強化を図っております。しかしながら、市場環境や政治経済情勢の変化、運用成績の悪化、顧客等の投資方針の変更等により、短期間で運用資産残高が減少する可能性があります。
また、当事業における連結対象であるAFM社においては、引き続き、適格機関投資家のためのベンチャーファンド等の資産運用業務に注力しております。これまでのところ、同社における運用資産は順調に拡大しておりますが、同社の収益は、報酬の対象となる運用資産に依存しています。今後、報酬の対象となる運用資産が大幅に減少する場合、収益が減少することがあります。
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当社グループにおけるアセット・マネジメント事業においては、PPAM社では市場連動型の金融商品の運用も行っていることから、市場環境悪化に伴う解約に加え、良好な市場環境においても利益確定の解約が発生することがあります。提供する金融商品の多様化を進め、特に、我が国における国民の長期資産形成に資するため、積立型及び安定運用型等の投資信託の取り組みに力を入れるなど、市場環境の変化による解約リスクの低減についても、Zフィナンシャル株式会社と協働して取り組んでおります。
一方、AFM社の資産運用業務においては、安定した良い運用成果を達成して顧客満足度の向上に努め、運用資産の拡大にも務めております。
なお、当事業における「運用資産」とは、いずれも顧客運用資産のことであり、一部に「シードマネー」としての投資が含まれている場合もありますが、そのほとんどは、当社グループ自体の投資ではありません。
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⑪
訴訟の可能性について
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当社グループが2007年6月に旧三井物産フューチャーズ株式会社(当時)の全株式を取得して以来抱えていた6件の被告事案は全件和解が成立しております。しかしながら、旧三井物産フューチャーズ株式会社の顧客等から訴訟を提起される可能性は残されております。
また、2020年4月に買収した企業は1件の被告事案を抱えており、2021年3月期に本事案に関する引当金を計上しております。しかしながら、今後の交渉結果によっては計上した引当金以上の当社負担が発生する可能性があります。
この他にも、「(特に重要なリスク)②法的規制等に対するコンプライアンスの徹底について及び⑤再生可能エネルギー関連事業について」に記載された事項に係る訴訟の可能性があります。
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当社グループは、前述のとおり、コンプライアンス体制の維持に努めておりますが、単に法令または各自主規制機関の自主規制ルール等を遵守するのみならず、対外契約の遵守、取引先等との適切なコミュニケーションを図ることによっても、訴訟等のリスク低減に努めてまいります。
また、顧問弁護士等への事前相談及び事業進行中の相談を通じても、訴訟等のリスクに備えてまいります。
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