(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、当社グループは、銀行業務を中心とした総合金融サービスを提供しております。当社グループが営む銀行業務以外の事業については重要性が乏しいことから、セグメント情報の記載を省略しております。
①財政状態及び経営成績の状況
当社グループの連結業績は、経常収益が前連結会計年度比66億35百万円減少の2,680億90百万円となり、経常費用が前連結会計年度比175億19百万円減少の2,030億98百万円となりました。
この結果、経常利益は前連結会計年度比108億83百万円増加の649億92百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比64億79百万円増加の429億58百万円となりました。
また、包括利益は前連結会計年度と比べ1,369億51百万円の減少となりました。
当社グループの連結財政状態につきましては、総資産が、日本銀行への預け金の増加および個人向け貸出金の増加等により、前連結会計年度比1兆2,903億円増加し24兆1,255億円となり、純資産はその他有価証券評価差額金の減少等により、前連結会計年度比398億円減少し9,590億円となりました。
主要勘定の残高につきましては、預金は、個人・公共預金を中心に前連結会計年度比6,020億円増加の16兆8,257億円、貸出金は、住宅ローンや無担保ローンの強化等により前連結会計年度比990億円増加の11兆7,373億円、有価証券は、相場動向に応じた適切なポートフォリオ運営に取り組んだ結果、前連結会計年度比3,490億円増加の4兆6,823億円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、以下のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、預金及び日本銀行からの借用金等が増加したことから、1兆2,321億円の収入(前連結会計年度は4兆6,613億円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得等により3,585億円の支出(前連結会計年度は1,123億円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得及び配当金の支払いによる支出等により318億円の支出(前連結会計年度は426億円の支出)となりました。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度末に比べ8,415億円増加し、7兆2,646億円となりました。
(参考)
(1) 国内・国際業務部門別収支
資金運用収支については、国内業務部門で1,385億38百万円、国際業務部門で165億11百万円、全体では1,550億50百万円となりました。
また、役務取引等収支については、国内業務部門で439億26百万円、国際業務部門で67百万円、全体では402億63百万円となりました。
(注)1 「国内」「海外」の区分に替えて、「国内業務部門」「国際業務部門」で区分しております。
国内業務部門は当社及び連結子会社の円建取引、国際業務部門は当社及び連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引及び特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 相殺消去額は、連結会社間の相殺消去及び国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借利息を計上しております。
3 資金調達費用は金銭の信託運用見合費用(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度0百万円)を控除して表示しております。
資金運用勘定の平均残高は、国内業務部門で18兆6,436億円、国際業務部門で1兆1,770億円となり、合計で18兆5,041億円となりました。また、利回りは、国内業務部門が0.74%、国際業務部門で1.67%となり、全体で0.85%となりました。
一方、資金調達勘定の平均残高は、国内業務部門が22兆1,791億円、国際業務部門が1兆1,642億円となり、合計で22兆7,555億円となりました。また、利回りは、国内業務部門が0.00%、国際業務部門が0.27%となり、全体で0.01%となりました。
(注)1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、銀行業以外の連結子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2 国内業務部門は、当社及び連結子会社の円建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
3 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度3,222,249百万円、当連結会計年度4,707,461百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度1,687百万円、当連結会計年度2,000百万円)及び利息(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度△0百万円)をそれぞれ控除して表示しております。
(注)1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、銀行業以外の連結子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2 国際業務部門は、当社及び連結子会社の外貨建取引であります。
3 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度2,042百万円、当連結会計年度3,835百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度1百万円、当連結会計年度2百万円)及び利息(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度0百万円)をそれぞれ控除して表示しております。
(注)1 相殺消去額は、連結会社間の相殺消去並びに国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息を計上しております。
2 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度3,224,291百万円、当連結会計年度4,711,294百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度1,689百万円、当連結会計年度2,002百万円)及び利息(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度0百万円)をそれぞれ控除して表示しております。
役務取引等収益は、国内業務部門が596億41百万円、国際業務部門が4億13百万円となり、合計で544億98百万円となりました。
一方、役務取引等費用は国内業務部門が157億14百万円、国際業務部門が3億46百万円となり、合計で142億35百万円となりました。
(注)1 国内業務部門は当社及び連結子会社の円建取引、国際業務部門は当社及び連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引及び特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 相殺消去額は、連結会社間の相殺消去額を計上しております。
特定取引収益は、国内業務部門で商品有価証券収益38百万円、特定金融派生商品収益に5億50百万円、その他の特定取引収益に1百万円、国際業務部門で商品有価証券収益に39億41百万円計上いたしました。特定取引費用は、ありません。
(注)1 国内業務部門は、当社及び連結子会社の円建取引、国際業務部門は当社及び連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 相殺消去額は、連結会社間の相殺消去額を計上しております。
② 特定取引資産・負債の内訳(末残)
特定取引資産は、国内業務部門で商品有価証券に26億91百万円、特定金融派生商品に18億97百万円計上いたしました。
特定取引負債は、国内業務部門で特定金融派生商品に3億43百万円計上いたしました。
(注)1 国内業務部門は、当社及び連結子会社の円建取引、国際業務部門は当社及び連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 相殺消去額は、連結会社間の相殺消去額を計上しております。
○ 預金の種類別残高(末残)
(注)1 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
2 定期性預金=定期預金+定期積金
3 国内業務部門は当社及び連結子会社の円建取引、国際業務部門は当社及び連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引及び特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
4 相殺消去額は、連結会社間の相殺消去額を計上しております。
① 業種別貸出状況(末残・構成比)
(注)「国内」とは、当社及び連結子会社であります。
② 外国政府等向け債権残高(国別)
「外国政府等」とは、外国政府、中央銀行、政府関係機関又は国営企業及びこれらの所在する国の民間企業等であり、「銀行等金融機関の資産の自己査定並びに貸倒償却及び貸倒引当金の監査に関する実務指針」(日本公認会計士協会銀行等監査特別委員会報告第4号2012年7月4日)に規定する特定海外債権引当勘定を計上している国の外国政府等の債権残高を掲げることとしております。ただし、前連結会計年度及び当連結会計年度の外国政府等向け債権残高は該当ありません。
(7) 国内・国際業務部門別有価証券の状況
○ 有価証券残高(末残)
(注)1 「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。
2 国内業務部門は当社及び連結子会社の円建取引、国際業務部門は当社及び連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引及び特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
3 相殺消去額は、連結会社間の相殺消去額を計上しております。
(8)「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づく信託業務の状況
連結会社のうち、「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づき信託業務を営む会社は、株式会社常陽銀行及び株式会社足利銀行の2行であります。
(注) 共同信託他社管理財産については、前連結会計年度及び当連結会計年度の取扱残高はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
また、当社グループは、銀行業務を中心とした総合金融サービスを提供しております。当社グループが営む銀行業務以外の事業については重要性が乏しいことから、経営成績等の状況に関する分析・検討内容の記載を省略しております。
①財政状況
(ⅰ)主要勘定の状況
当連結会計年度末の預金等(譲渡性預金を含む)及び貸出金の残高は、長期化するコロナ禍の状況下、当社の第2次グループ中期経営計画の基本戦略である「地域とともに成長するビジネスモデルの構築」に注力した結果、いずれも増加いたしました。
うち、預金等の残高は、個人・公共預金を中心に前連結会計年度末に比べ、6,213億円増加(増加率3.7%)となる17兆1,364億円(うち預金は16兆8,257億円)となりました。また、貸出金の残高は、住宅ローンや無担保ローンへの積極的な取り組み等により、前連結会計年度末に比べ990億円増加(増加率0.8%)となる、11兆7,373億円となりました。
また、有価証券の残高は、相場動向に応じた適切なポートフォリオ運営に取り組んだ結果、前連結会計年度末に比べ3,490億円増加となる4兆6,823億円となりました。
(単位:百万円)
なお、当連結会計年度末における連結ベースのリスク管理債権残高は、1,926億円で、前連結会計年度末に比べて115億円増加となりました。
(単位:百万円)
(ⅱ)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については以下のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、コロナ禍の状況下、当社の第2次グループ中期経営計画の基本戦略である「地域とともに成長するビジネスモデルの構築」への取り組み等により、預金及び日本銀行からの借用金等が増加したことから、1兆2,321億円の収入(前連結会計年度は4兆6,613億円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、相場動向に応じた適切な有価証券ポートフォリオ運営に取り組み、ポートフォリオの見直しを実施した結果、有価証券の取得等により3,585億円の支出(前連結会計年度は1,123億円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得(総額195億円)及び配当金の支払いによる支出等により318億円の支出(前連結会計年度は426億円の支出)となりました。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度末に比べ8,415億円増加し、7兆2,646億円となりました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については以下のとおりです。
当面の設備投資、成長分野への投資ならびに株主還元等は自己資金で対応する予定であります。
また、当社グループは正確な資金繰りの把握及び資金繰りの安定に努めるとともに、適切なリスク管理体制を構築しております。貸出金や有価証券の運用については、大部分をお客さまからの預金にて調達するとともに、必要に応じて日銀借入金やコールマネー等により資金調達を行っております。なお、資金の流動性の状況等については定期的にALM・リスク管理委員会ならびに取締役会に報告しております。
次連結会計年度において計画している重要な設備の新設等及び資金調達方法は、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1) 新設、改修」に記載のとおりです。今後の配当を含む株主還元については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載しております。
経営成績
(ⅰ)経営戦略
当社グループは、目指す姿を「地域の未来を創造する総合金融サービスグループ」とする第2次グループ中期経営計画(計画期間:2019年度から2021年度までの3年間)を展開しました。当期は計画最終年度として、お客さまや行員の新型コロナ感染予防に万全を尽くしつつ、「地域とともに成長するビジネスモデルの構築」、「生産性向上に向けた構造改革」、「価値創造を担う人材の育成」の3つの基本戦略のもと諸施策を展開いたしました。
「地域とともに成長するビジネスモデルの構築」では、法人分野において、子銀行である常陽銀行、足利銀行(以下、常陽銀行と足利銀行をあわせて「両子銀行」といいます。)を中心に、取引先事業者の資金繰り支援のみならず、持続的な成長と地域の環境・社会課題の解決の両立(サステナビリティ)に向けた融資商品の新設、取引先事業者のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進支援など、コンサルティング機能の強化に取り組みました。また、新たなビジネスの創出等に向けたファンドの設立など、事業領域の拡大にも取り組みました。
個人分野では、2021年3月に両子銀行でリリースした「バンキングアプリ」の利便性向上に向けた各種取引機能の追加とともに利用者拡大に取り組んだ結果、リリース後10ヶ月で50万ユーザーを突破しました。また、資産運用の面では、オンライン取引に特化した金融商品仲介専門子会社の設立や、証券子会社において投資一任運用サービスの取扱いを開始するなど、多様化する資産運用ニーズにお応えしました。さらに、高齢社会における金融ジェロントロジーの知見を活用した取組みでは、お客さまの潜在ニーズ掘り起こしと適切な商品・サービスをご案内する提案ツールを開発したほか、簡単・確実に遺言作成が可能なサービスや生前から家族間の情報や意向の共有・承継をサポートするサービスの取扱いを開始するなど、地域の皆さまが安心して暮らし続けることができる地域社会の実現に向けた取組みを強化しました。
なお、気候変動をはじめ環境・社会問題が深刻化する中、世界各国で持続可能な社会の実現に向けた動きが加速しており、金融機関が果たすべき役割も増大しております。当社グループでは、SDGs取組宣言支援サービスの取扱い開始やSDGs関連運用商品の拡充に取り組むなど、お客さまのサステナビリティに向けた取組み支援の強化並びに持続可能な地域社会づくりに貢献いたしました。さらに、2022年3月には「グループサステナビリティ方針」を新たに策定し、当社グループの持続的成長と企業価値の好循環に向けた取組みを一段と強化することといたしました。
「生産性向上に向けた構造改革」では、両子銀行において、非対面取引チャネルの充実と合わせ、店舗統廃合や店舗形態の見直しを進めたほか、地元他行と店舗外出張所を一部共同化するなど、チャネル・ネットワークの最適化を進めました。また、両子銀行の電話受付センターのシステムを統合するとともに受付拠点の集約を行うなど、グループをあげて均一で高品質な受付サービス提供に取り組みました。加えて、WEB上で簡単かつ即時に税金等の口座振替申込が可能となるサービスの取扱いを地方公共団体向けに開始するなど、地方公共団体の事務効率化支援及びお客さまの利便性向上にも積極的に取り組みました。
さらに、グループガバナンス態勢を強化すべく、当社グループ内の事務の共通化・共同化等を牽引する部署の新設や、グループ内カード会社の合併を実施するなど、グループ内組織の合理化・効率化を図りました。
「価値創造を担う人材の育成」では、両子銀行において、「人材力・組織力の向上」、「公平な処遇の実現」、「働きやすい環境の整備」を目的に人事制度を改定いたしました。また、両子銀行に「ダイバーシティ推進室」を新設し、女性をはじめとする多様な人材がより一層活躍できる環境の整備を進めたほか、IT・デジタル化ニーズに対応できる人材育成の強化にも取り組みました。
(ⅱ)損益の状況
当社グループにおける当連結会計年度の損益の状況は以下のとおりです。
(ア)損益概要
当社グループの連結粗利益は、低位で推移した米国金利を背景に有価証券等収支が改善し「資金利益」が増加したことや、コンサルティング機能強化による「役務取引等利益」の増加を主因として、前連結会計年度比65億17百万円増加の1,945億64百万円となりました。経常利益は、与信関係費用及び営業経費の減少により、前連結会計年度比108億83百万円増加となる649億92百万円となりました。
以上により、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比64億79百万円増加し、429億58百万円となりました。
(イ)資金利益
貸出金は、住宅ローンや無担保ローンの強化等により、前連結会計年度末に比べ貸出金残高が990億円増加(増加率0.8%)となりましたが、国内外の金利低下に伴う貸出金利回り低下の影響が大きく、貸出金利息は前連結会計年度比18億65百万円減少となる1,064億11百万円となりました。有価証券利息配当金は、運用利回りの低下を主因として前連結会計年度比8億69百万円減少となる449億94百万円となった一方、預け金利息は、日本銀行への預け金の増加を主因として前連結会計年度比50億76百万円増加となる66億34百万円となりました。資金調達費用は、海外金利低下に伴う外貨調達費用の減少を主因として前連結会計年度比25億63百万円減少となる34億12百万円となりました。
これらの結果、資金利益は前連結会計年度比48億81百万円増加となる1,550億50百万円となりました。
(ウ)役務取引等利益
「地域とともに成長するビジネスモデルの構築」に取り組むなかコンサルティング機能を発揮し、ビジネスマッチングやM&A、事業計画策定支援関連の手数料が増加したこと等により法人役務手数料が増加しました。また、預り資産関連手数料も銀証連携強化や対面と非対面の両面におけるお客さまとの接点確保により手数料が増加しました。これらの結果、役務取引等利益は前連結会計年度比16億15百万円増加し403億8百万円となりました。
(エ)その他業務利益
相場動向に応じた適切なポートフォリオ運営に取り組み国内外の債券等の入れ替えを行った結果、国債等債券売却益の増加を主因として、その他業務収益は前連結会計年度比9億35百万円増加となる31億90百万円となりました。一方、その他業務費用も、国債等債券売却損の増加を主因として、前連結会計年度比11億95百万円増加となる85億17百万円となりました。この結果、その他業務利益は前連結会計年度比2億59百万円減少し53億27百万円の損失となりました。
(オ)営業経費
営業経費は、「生産性向上に向けた構造改革」に取り組むなかで店舗ネットワークの見直しを前倒しで実施するなどの効率化を進めた結果、減価償却費が減少したほか、人員のスリム化により給与・手当が減少し、前連結会計年度比11億39百万円減少となる1,146億24百万円となりました。
(カ)与信関係費用
与信関係費用は、コロナ禍やウクライナ情勢の影響を慎重に捉え予防的な引当を実施しましたが、償却債権取立益の増加等を主因として、前連結会計年度比18億7百万円減少し215億98百万円となりました。
(キ)株式等関係損益
相場動向に応じた適切な有価証券ポートフォリオ運営に取り組みポートフォリオの見直しを実施したほか、政策保有株式の縮減にも積極的に取り組んだ結果、株式等関係損益は前連結会計年度とほぼ同額となる、35億42百万円となりました。
(注) 連結粗利益=(資金運用収益-(資金調達費用-金銭の信託運用見合費用))+(役務取引等収益+信託報酬-役務取引等費用)
+(特定取引収益-特定取引費用)+(その他業務収益-その他業務費用)
(ⅲ)経営成績
これらの取り組みの結果、当連結会計年度における経営成績は、以下のとおりとなりました。
(注) 1. 連結ROE=親会社株主に帰属する当期純利益÷((期首自己資本※1+期末自己資本※1)÷2)
※1 自己資本=純資産の部合計-新株予約権-非支配株主持分
2. コアOHR = 経費※2÷(業務粗利益※3-国債等債券損益)
※2 経費は、子銀行における基幹システムの統合費用を除いて算出しております。
※3 業務粗利益は、投信解約損益を除いて算出しております。
当社グループは、本年4月に公表した長期ビジョン2030において「地域とともにあゆむ価値創造グループ」を目指す姿に掲げております。長期ビジョンの実現に向け、伝統的銀行領域や総合金融サービス領域といったコアビジネスを強化しながら、その強みを活かした事業領域の拡大に挑戦してまいります。従来の金融サービスの枠組みを超えて地域課題の解決に挑戦し、その取組みにより得られたノウハウをコアビジネスに還元していくことで、新しい価値を創造してまいります。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたっては、資産、負債、収益及び費用の額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(自己資本比率等の状況)
(参考)
自己資本比率は、銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第20号。)に定められた算式に基づき、連結ベースについて算出しております。
なお、当社は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては基礎的内部格付手法を採用し、オペレーショナル・リスク相当額の算出においては粗利益配分手法を採用しております。
連結自己資本比率(国内基準)
(単位:億円、%)
(資産の査定)
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、株式会社常陽銀行及び株式会社足利銀行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2.危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3.要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4.正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
資産の査定の額
(注)上記は自己査定に基づき、与信関連債権の査定結果を記載しております。
なお、金額は単位未満を四捨五入しております。
「生産、受注及び販売の実績」は、銀行持株会社における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
お知らせ