業績

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

 ① 財政状態及び経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響がワクチン接種の進捗等政府による感染対策が進み、厳しい状況に持ち直しの動きがみられてきております。
 賃貸住宅市場におきましては、令和3年度の新設住宅着工戸数が前年度比6.6%の増加となり前年度比では3年ぶりの増加となる中、貸家着工件数は前年度比9.2%の増加、5年ぶりの増加となりました。(国土交通省総合政策局建設経済統計調査室発表:建築着工統計調査報告 令和3年度計) 
 このような事業環境のもと、当社は民法改正や単身世帯増加等家賃保証に対する社会のニーズを取り込むべく、以下の施策を実施してまいりました。営業活動につきましては、感染状況に応じた対面、WEB等の営業活動のコントロールを行いつつ新規加盟店営業、既存加盟店営業を行った結果、加盟店契約件数、保証件数及び残高は引き続き堅調に推移しました。債権管理につきましては、カウンセリング機能の強化や弁護士等の外部委託先を有効活用することに継続して取り組んでまいりました。

この結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は、以下のとおりとなりました。

 

(a)財政状態

当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ1,794,635千円増加し、8,066,168千円となりました。

当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べ2,986,814千円増加し、6,317,094千円となりました。

当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末に比べ1,192,179千円減少し、1,749,074千円となりました。

 

(b)経営成績

当事業年度の経営成績は、営業収益4,130,357千円(前年同期比4.7%増)と、増収となりました。また、利益につきましては、営業利益457,554千円(前年同期比32.0%減)、経常利益587,704千円(前年同期比26.5%減)、税引前当期純利益584,209千円(前年同期比27.0%減)、当期純利益400,809千円(前年同期比26.0%減)となりました。

 

当社の事業セグメントは、家賃債務保証事業の単一セグメントでありますので、セグメント別の記載を省略しております。

 

 ② キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、1,281,013千円と前事業年度末と比べ60,234千円(4.9%)の増加となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は、以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 当事業年度における営業活動の結果、増加した資金は170,003千円(前年同期は397,626千円の収入)であります。この主な増加要因は税引前当期純利益584,209千円、契約負債の増加額342,330千円、収納代行預り金の増加額665,645千円等であり、主な減少要因は収納代行立替金の増加額928,349千円、前受収益の減少額210,093千円及び法人税等の支払額291,275千円等であります。
 
 (投資活動によるキャッシュ・フロー)
 当事業年度における投資活動の結果、減少した資金は106,124千円(前年同期は35,587千円の支出)となりました。主な減少要因は、無形固定資産の取得による支出47,206千円、有形固定資産の取得による支出33,567千円等であります。
 
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 当事業年度における財務活動の結果、減少した資金は3,643千円(前年同期は36,060千円の支出)となりました。増加要因は短期借入金の増加額50,000千円であり、減少要因は、配当金の支払額による支出53,643千円であります。

 

 ③ 生産、受注及び販売の実績

 (a) 生産実績及び受注実績

当社の事業内容は、提供するサービスの性格上、生産実績及び受注実績の記載になじまないため、当該記載は省略しております。

 

 (b) 販売実績

当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

家賃債務保証事業

4,130,357

4.7

 

(注) 1.当社は、家賃債務保証事業の単一セグメントであります。

   2.主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前事業年度

当事業年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

ライフカード株式会社

806,096

20.4

799,194

19.3

 

 3.消費税等の会計処理については、当事業年度の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等の適用により税抜方式を採用しているため、当事業年度の営業収益には消費税等は含まれておりません。前事業年度については、税込方式を採用しておりますが、非課税につき営業収益には消費税等が含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

 ① 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(a)財政状態の分析

 (資産)
 当事業年度末における資産につきましては、前事業年度末に比べ1,794,635千円増加の8,066,168千円(前事業年度末比28.6%増)となりました。増加の主な要因は、求償債権が150,029千円増加したこと及び収納代行立替金が928,349千円増加したこと等によるものであります。

 
(負債)
 負債につきましては、前事業年度末に比べ2,986,814千円増加の6,317,094千円(前事業年度末比89.7%増)となりました。増加の主な要因は、収納代行預り金が665,645千円増加したこと及び契約負債が2,558,911千円増加したこと等によるものであります。

 
(純資産)
 純資産につきましては、前事業年度末に比べ1,192,179千円減少の1,749,074千円(前事業年度末比40.5%減)となりました。減少の主な要因は、会計方針の変更による累積的影響額を1,537,864千円を計上したことによるもの等であります。

 

 

(b)経営成績の分析

(営業収益)

当期における営業収益は、「収益認識に関する会計基準」(「企業会計基準第29号」2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用したことにより営業収益が前年同期と比して117,569千円減少したものの、保証債務残高及び新規保証件数が伸びたことにより、4,130,357千円(前年同期比4.7%増)となりました。
 なお、「収益認識に関する会計基準」による影響の詳細は、「注記事項(会計方針の変更)」をご参照ください。

 

(営業利益)

 当期における営業費用は、3,672,803千円(前年同期比12.2%増)となりました。貸倒引当金繰入額が85,491千円増加(前年同期比23.3%増)したこと及び給与手当が50,119千円増加(前年同期比12.8%増)したこと等によります。その結果、営業利益は457,554千円(前年同期比32.0%減)となりました。

 

(経常利益)

当期における営業外収益は、償却債権取立益が19,276千円増加(前年同期比78.9%増)したこと等により、合計で161,040千円(前年同期比17.3%増)となりました。営業外費用は、市場変更費用が18,836千円発生したこと等により、合計で30,890千円(前年同期比209.9%増)となりました。その結果、経常利益は587,704千円(前年同期比26.5%減)となりました。

 

(税引前当期純利益)
 当期における特別損失は、固定資産除却損が発生したことにより3,495千円となりました。その結果、税引前当期純利益は584,209千円(前年同期比27.0%減)となりました。

 

(当期純利益)
 当期においては、法人税、住民税及び事業税208,979千円(前年同期比15.9%減)を計上し、法人税等調整額△25,578千円(前年同期は9,557千円)を計上した結果、当期純利益は400,809千円(前年同期比26.0%減)となりました。

 

(c)キャッシュ・フローの分析

当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

当社の資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりです。

当社の短期運転資金は、クレジットカード事業者への代位弁済金、不動産管理会社(賃貸人を含む)への立替金が主な使途であり、保証債務残高の増加に伴い資金需要額も増加いたします。資金の調達方法は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としております。また、無形固定資産の取得は主に基幹システムの開発にともなうものであり、財源としては内部留保による資金をあてております。

 

 

② 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

営業収益は、対前期比4.7%増を達成し、期初計画対比103.3%(3.3%増加)とほぼ計画通りとなりました。

営業費用は、DX推進による業務効率化が進んだことから、時間外労働時間が抑制されるなど生産性向上が進み、営業費用の増加は限定的で、営業利益、経常利益及び当期純利益は計画を上回りました。

保証債務残高(月額)及び保証債務件数につきましては、対前期末と比して堅調に推移しました。

 

指標

2022年3月
(期初計画)

2022年3月
(実績)

2022年3月
(期初計画対比)

営業収益

4,000百万円

4,130百万円

103.3%

営業利益

257百万円

457百万円

178.0%

経常利益

337百万円

587百万円

174.4%

当期純利益

215百万円

400百万円

186.4%

 

 

指標

2021年3月
(実績)

2022年3月
(実績)

2022年3月
(前期実績比)

保証債務残高(月額)

14,637百万円

15,118百万円

103.3%

保証債務件数

277千件

284千件

102.5%

 

 

 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

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