文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
当社は、「人として社会に感謝し、地域社会の発展に挑む」という企業理念を掲げ、賃貸借契約における家賃債務の人的保証すなわち連帯保証人制度を法人として引き受ける機関保証会社として、家賃債務の保証事業を展開しております。
当社は家賃保証事業を継続し拡大していくことが「機関保証の普及の実現」ならびに企業価値の向上につながると捉えており、目標とする経営指標を保証債務残高及び保証債務件数として、経営指標の向上に努めております。
2018年時点での民営借家総数は15,295千戸(※1)、市場に対する当社のシェアは1.7%となっております。市場そのものは住宅という特性上、急な拡大や縮減が起こるものではなく、ニーズによって左右されるものとなります。核家族化や未婚率の上昇、少子高齢化が進む中で家賃債務保証に対する認知度は年々上昇しており、新規賃貸借契約時における機関保証への加入必須割合はおおむね8割超(※2)となっております。2020年4月に施行された改正民法により賃貸住宅市場におけるニーズは更なる高まりを見せており、公営住宅においても機関保証の利用を検討、或いは利用を開始している自治体も存在しております。
※1 総務省統計局 平成30年住宅・土地統計調査より
※2 公益財団法人日本賃貸住宅管理協会 市場データ(日管協短観)2020年度上期より
当社はこれまで家主が物件の管理を企業へ委託する、所謂管理物件を主たる市場としておりましたが、家主自身で物件を管理する一般物件市場の開拓を推進しております。当社は、より付加価値の高い保証スキームとしてクレジットカードポイントを付与できる信販会社との提携商品、家主への滞納が発生しない事前立替による保証、指定信用情報機関CICを用いた一定の承認率を保持しつつもデフォルトリスクを抑える与信精度などを競争上の強みとし、市場開拓を進めております。家賃債務の保証事業を基幹ビジネスとしながら、これらのノウハウや優位性を活かし未だ機関保証が進出していない分野へ進出することで事業の多様性と収益の分散化を図ることを中長期的な戦略としております。
当社は連帯保証人制度に代わる機関保証の普及を実現するというミッションを推進していくために、新たな企業価値創造に挑戦すべくトップラインの成長を対処すべき課題として、以下の施策に取り組んでまいります。
① トップライン向上へ向けた営業活動
新型コロナウイルスの感染状況に応じ対面営業や非対面のオンライン営業を引き続き実施してまいります。それと並行して新たなクレジットカード会社との業務提携・新商品の開発や新たな与信ロジックを活用した新商品の開発・拡販を推進し、営業の強化に取り組んでまいります。
② 流動債権比率・デフォルトリスクの抑制
債権管理につきましては、蓄積されたデータを用いて与信管理機能の強化を図りデフォルトリスクを抑制し、社内で内製化すべき業務を明確にし弁護士をはじめとする外部委託業者の有効活用を図るとともに、IVR、SMS機能等の督促支援システムを用いて回収業務の効率化に取り組んでまいります。
③ DXの加速
不動産賃貸業界の急速なDX化が進む中で、当社におきましても従来のWEB申込・API連携・電子契約等の各種WEBサービスの機能拡充に加えて、アプリ機能のサービスを開始しお客様の利便性、利用率の向上を図り、さらなる業務基盤の強化に取り組んでまいります。
④ 人材の育成・従業員満足度の向上
新たな企業価値創造のためには、人材の育成及び従業員満足度の向上が重要であります。そのためには、新人研修をはじめとした階層別研修や職種別研修を充実・強化するとともに、コーポレートブランディングを効果的に推進するための組織づくりを目的とした各職場単位でOJTの充実、強化に取り組むとともに、外部研修・セミナーへの受講等人材の育成に取り組んでまいります。
⑤ コンプライアンス体制の強化
企業価値向上へは、コンプライアンスの充実、強化は重要であります。部署別のセルフチェックや内部監査による牽制機能を徹底させるとともに、社内のコンプライアンス研修の充実、強化に取り組み、全役職員一同コンプライアンス遵守に努めてまいります。
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